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電脳虚構

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近未来テクノロジー空想小説のショートショート
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#恋愛

電脳虚構#14 | ザッピング・ルーム(下)

Chapter.4 シェア・ホスピタル からの続き Chapter.5 暴露 彼女は以前、この「シェア・ホスピタル」チームのチーフプログラマーだった。 もともとは彼女の提案からスタートした社運をかけたこの計画。 「天才」と言われる彼女はいつでもクレバーで最高の仕事仲間だった。 才色兼備、女性としても魅力があり「相棒」からいつしかそういう関係にもなってしまう。 その噂が社内に広まり彼女はこのチームを、会社を追いやられしまった。 僕は彼女を庇わなかった、自分の地位を失うこ

電脳虚構#14 | ザッピング・ルーム(上)

Chapter.1 イチカ家の裏の通りに差し掛かると、温かくいい匂いが漂ってきた。 「お、今日はカレーだな」 イチカは家庭的で料理上手だ。 特に彼女のカレーは格別でつい食べ過ぎてしまう。 「ただいま、今日はカレーだね。 裏の路地まで匂いがしててもうそれだけで腹ペコだ。」 3つ年上の彼女、高く髪を束ね、白いうなじのエプロン姿。 この素朴な無自覚のかわいさが、たまらない色気を放っている。 「おつかれさま。お料理、すぐできるから先にお風呂どうぞ。 今日はお隣さんから柚子い