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11月27日(月)

日付が変わり、身体をなんとなく伸ばしたり縮めたりしながらNetflixで『クイーンズ・ギャンビット』を見てから眠ることにした。人から教わった記憶を奥の方から取り出し、日本語の音声に英語の字幕をつけて見ていた。「おどろいたな!」という台詞が聞こえてきたが、字幕には「sweet genius」と書かれていた。スウィートジーニアス。何度でも言いたい。

眠りにつく前、そういえば読みたい本があったなとインターネットの海に入ったら割とすぐ見つけられたので安心して就寝。

早めに起きれたのでとりあえず電車に乗った。最寄りの駅で、iPhoneの内カメでマスカラを縦塗り(そっちの方が束と束が重なってより盛れる)しているギャルがいて朝からいいものが見れた。早起きは4.5文の徳。

最近通い出したお気に入りの喫茶店がある。今日は絶対そこの唐揚げ定食を食べるんだと鼻息荒くして向かうと、喫茶店の前にマッシュでトップだけブリーチして赤く染めている人と、ハイトーンオレンジのロン毛の若い男2人がいた。すぐ出てきたので「満席でした?」と聞くと1人ならいけるかもですと言われたので淡い期待を抱きながら入ってみたが案の定ダメだった。だめでした、と笑って伝えた。そこの大通りを歩けばすぐタバコ吸える喫茶店ありますよ、と言っていたら友達になれていた未来もあったんだろうか。今となってはどうでもよいのでそのまま坂をズンズン進み、ロイヤルホストへ向かった。食べるタイミングがなかなかなかった曜日限定のランチが頼めたのでこれで良かったと思うことにする。喫茶店は明日またリベンジする。

ロイヤルホストが好きだ。世間の風潮に何となく乗らされているのを実感しながらも、やはり自分の意思で「好きだ」と思う。工事現場のおじさんたちがちんまり端っこに座ってお肉やお米をもぐもぐしていて可愛かった。ただ、今日の曜日限定ランチ(チキンの竜田揚げ)を食べてる時の記憶があんまりない。唯一、食事中目に入ったPOPの「フローズンミール」という言葉のことだけは覚えている。フローズンミール。冷凍食品。フローズンミール。アイスミール。フローズンフード。「フローズンミール」、もしかしたら完璧な言葉の組み合わせかもしれない。

いろんな人がいるなあ、おばさまの会食や仕事してる人、ママ友とか。みんな重い思いの人生を過ごしていて、それがなんかすごいことのように思える。など、たらたらこぼしながら来た道を戻って行った。次ロイヤルホストに行くならば、ハンバーグを食べる。さっきもこんな話をしていたような気がする。

夕方ごろに見た不快なやり取りのせいで動揺してしまい、そこからずっと気分が落ちていた。本当に精神がギリギリで、吐き気を抑えながら下を向いて歩いていると、前に飼い主と散歩している小型犬がいることに気がついた。その小型犬はティーカッププードル?(なんか最近聞いた言葉)のような茶色い見た目をしており、少し歩くたびに飼い主の顔を見て「にへあ〜」と笑っていた。その時の私は気がおかしいので、「わんちゃん道覚えててえらいよーーー泣。ぷりぷりぷりぷりぷりぷりちらっ。ぷりぷりぷりぷりぷりぷりちらっ。えらいねーーーーー泣。」と、思っていた。その後も乗り出す前の助走が果てしなく長いLUUP乗り回しおじさんや、ベビーカステラの屋台を見たりした。犬を見た後、少し元気が出て「月きれいだな〜」と上を向きながら歩いていたら、近くの駅前で月をズームして写真を撮っている女性がいて何だか嬉しかった。後から調べたら、今日は満月だった。

その後は寝る前に買おうと思っていた本を探しに駅前の本屋に行った。角田光代の『いつも旅の中』。求めていた装丁のものでは無かったけれど、遠くに行く予定を立てているいま読んでおきたかったので購入することにした。

先ほどの動揺をうまく消化できず、ずっと不安でいたが本屋を1時間弱ゆっくり見たら段々心が落ち着いていくのを感じた。やっぱり不安だけど、自分の見たものを信じたい、と思った。途中、娘さん用の算数のノートを探してるお母さんがいて和んだ。いつか私もそうなるのかな。

なんとなく手持ち無沙汰になったので更新されたばかりのしいたけ占いを読む。自分の星座より他人の星座の方が信用できるのは何でなんだろう。ずっと理由を解き明かせないままでいる。しいたけ占いも一通り読んでしまったのでTVerにアップされていたM-1準々決勝の動画を見る。何組か見たが、アホに対して真剣に取り組む大人のことが好きだなあと思った。なのでめちゃくちゃ元気をもらえた。見れてよかった。個人的に応援したいコンビに投票した。それとはまた別で、ざっと見た中で男性ブランコの炊飯器ウルフのくだりに1番笑ってしまった。ああいうのに弱い。浦井さんのスーツカッコいい。(2人ともかっこいいけど)

夜もまた電車に乗っていた。車内のモニターを見る前に瞬きをしようとしたら何故か片目だけ閉じてしまって、向かいのおじさんに無意識ウィンクを送ってしまった。正直、「あれ?わたし今ウィンクした?」と気付いた時点でめちゃくちゃ焦っており、冷や汗を垂らしまくっている。違うんです。何故。本当に、そうじゃないんです。「ん?あれ?よく見えないな」とも言わんばかりにぎゅむぎゅむと目をつぶったり開けたりをしてその場をおさめた。と、思いたい。頼む、おさまっててくれ。頼む。

帰り道、やっぱり月が大きかったので色々話をした。「ねえ、月?深夜映画を見に行って朝に帰って眠るみたいな遊びはさあ、今しかできないかなあ。」「そんなことないよね。私はそれがいつでも出来るような大人になりたいんだ。」など。

そこから1時間ほどフラッシュバックで精神がざわついてしまった。消耗しきった後、なんとか抜け出せたので2021年M-1決勝を見た。息が詰まる時にお笑いを見るようになっている。ありがとう。笑いを仕事にしている方は偉大。オズワルドの1本目のネタがすごかった。私、背小さめだから人差し指やるね。ななめにもなるし。だから中指になってね。ビッグピースを2人でしよう。

風呂に入り、身体があたたかくなったらさっきよりも心もだいぶマシになった。今日は届いていた封筒をその日中に開けたのが何よりもえらかった。

私って私がバカなことするたびに元気出る。今は、ネタ始まる前の女性の影ナレが言う「M1グランプリ〜(ネイティブ)」を一緒に言っていたら、私上手くないか?って思ってiPhoneのボイスメモで録音したところ。

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