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なぁなぁ結局「売春」の何が悪いん?(書いてる途中)

ぺイトマンっていうイギリスの政治学者の人が書いた『社会契約と性契約』っていう本から、彼女の視点における『売春』の考察を一緒にしましょ。

『売春』の話に入る前段階で、ぺイトマンは本の中でずっと「とにかく男性優位の社会である」ということを一貫して言ってはります。『社会契約』には「個人」として参加してるのは男性のみで、女性は「契約」に参加する資格のある「個人」ではない、と。歴史的に社会契約論者たちの論説を取り上げて丁寧に説明しているわけです。

で、ほな『売春』になったら、「個人」として認められてへん女性が何かしら「契約」を結ぶことになるやん
でも、女性って「契約」を結べるに足る「個人」として扱われてないのに「契約」するってめっちゃ矛盾してるやん??

そういうことを、はぁぁぁああ???ってぺイトマンは言うてます。っていうのが超要約

ぺイトマンは、まず「家父長制」っていうのを3つに整理してるんですよ。

で、③近代的家父長制についてめっちゃ話してるわけです。

①伝統的家父長制(最長老の家父による支配)=家父長による支配
②古典的家父長制(男性が父であることによる支配)=父による支配
③近代的家父長制(男性が男性であることによる支配)=夫の支配

『売春』の議論では、『結婚と売春って何がちがうん?』ってよく言われるんですよ。これ、ポイントな!

近代的家父長制においては、結婚は男性が女性の肉体を利用するために受け入れられている方法の1つやん!って。

ほんでもって、資本主義市場では女性の肉体を買えちゃうわけですよ。

どっちも男性に肉体を捧げてる点で同じやん??って。

『売春』って、売春女性以外の女性をレイプから守る必要悪やとか、貧困女性の不幸な結果…みたいなこと言われがちなんやけど、

エマ・ゴールドンっていうフェミニストはね、

「単に結婚の内か外かにおいて、一人の男性に自分を売るか、多数の男性に自分を売るか程度の問題」で、「合法な売春」=結婚

なんやってまで言うてるんですよ。

結婚してる人からしたらショッキングな発言かもしれへんけど、結婚と売春ほぼ同じ議論はね、めっちゃあるんですよ。

むしろ、結婚して家庭内で無償で行っている労働(セックス含む)を、賃金が支払われるべき労働なんやで!って可視化してくれたのが『売春婦』とまで言うてるわけですわ。

ほんで、結婚の次に比較されるんが、「売春も他の仕事と一緒ちゃう?」っていう議論。

売春女性も他の労働者とおんなじ様に、時間と労働力をお金に変えてるだけですよねって話。

でもなぁ、もしこれがホンマに他の労働と何も変わらへんのやったら、『売春は何にも悪いこと全くない』という適切な結論が必然として導かれるはずなんよねぇ。

でもなぁ、それがまた難しい問題で。

売春ってな、女性に関する問題やと思われてるけど、ぺイトマンから言わせれば、男性の問題やねん。

ぺイトマン的には、「なんで、男性は、女性の肉体を資本主義市場で商品として売られるのを求めてるん?」ってことですわ。

でな、ぺイトマンは男性が主、女性が従っていうのを徹底して主張してるから、結婚は「夫」に「妻」が従属してるけど、売春では「売春女性」が「男性客」に従属していると。

でも、まあ、女性が『売春』するのは分かるよね。だって、女性がお金を稼ごうと思ったら、手っ取り早く多くお金稼げる手段やん。この世界は平等で能力主義かのように勘違いしてる人おるけど、女性が働くって男性よりも困難やし低賃金なんが現実なんですよ。それを一発逆転できるのが売春ってなったらする人もおるわけやん。

ほんでさ、また質が悪いんが売春を普遍的やと思ってる説な。よく言う売春は「人類最古の職業」っていう台詞。

男性には自然な性的衝動っていうのがあって、性的はけ口っていうのは必然やねんっていうクレイジーな反論に対して、ぺイトマンはやばすぎるバッサリ台詞で返すねん。

「うちの知る限り、性的はけ口がないからといって死んだ人は今までにいない。」

いや、それオブそれな!!!ぐぅの音もでぇへん。。

売春ってのは、男性が歓びのために女性の肉体を使うことで、女性側には別に欲望もなければ満足もないし、そこにあるのはお金だけですよ!って。

売春女性はな、自分自身をぜ~んぶ売ってるわけじゃなくて、性的サービスの利用権を売ってるだけやねん。ただ、短期間、自分を使ってサービス利用していいよ!って言うてるだけで、自分自身を身売りしてるわけちゃうんすわ。ここポイントな!

しかもしかも、売春って言っても色々バリエーション豊富すぎるやん。けどな、挿入を伴うセックスじゃなくても、「手による救済」(シュールすぎる表現やけど、手コキやんな)とか「フェラチオ」もサービスとして求められるわけですよ。

ってことは、男性の欲望を満たすために女性の肉体を直接的に使用しぃひんくっても、性的欲望を満足させるためには何らか女性がおらんと成し遂げられへんのです。

それなんで?って感じやん。確かにピンサロとかありすぎてて、ソープランドとピンサロまとめて「風俗」って考えてたけど確かに欲望の充足の仕方ちゃうわな!

で、ぺイトマンの解釈は、こうやって性的欲求を充足する時に女性を使うっていうことで、男性は男性性を示せるんですよって。ほぅ。

売春という制度は、男性が「性行為」を買い、それによって男性が家父長制的権利を行使できることを保証すると。

売春と正しく呼べる行為=「性行為」で、それに関連した「手による救済(草)」やフェラチオを非常に需要のある行為ですと。

そう、売春を考える時に、「誰が」「誰と」「何と」「何を」交換する行為なのかを定義するん、めっちゃ大切なんすわぁ。ホンマ、めちゃめちゃ。これ、後でも出てきます。

ほんで、売春女性ってな、さっきまぁ高額稼げるよって言ったものの、そのお仕事にはすんご~い危険が伴ってるわけで。売春女性たちは、日々男性客から身体的な暴力を受ける危険性をおかしてるわけです。(風俗嬢を殺傷みたいな過激な事件も見るよね)

「私が接触した売春婦は、ほとんど例外なく、客から何らかの深刻な身体的暴力を経験していた」切ないね。

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