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#エモいってなんですか?〜心揺さぶられるnoteマガジン〜

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理屈ではなく何か感情がゆさぶられるそんなnoteたちを集めています。なんとなく涙を流したい夜、甘い時間を過ごしたい時そんなときに読んでいただきたいマガジンです。
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2020年5月の記事一覧

不格好なパン

2月下旬、新型コロナウィルスの流行を受け、日本国民全体が段々と外出を自粛し始めた。 休日にじっとしていることが苦手な私がまずしたことは、強力粉を買いに行くことだった。 映画を見たり、ラジオを聴いたりすることが好き。それでも何故か、それだけの休日には罪悪感を抱いてしまう。ゴロゴロしながらではなく、パンを捏ねながら映画を見れば、何となく満たされる気がしたのだ。 2月下旬。少しずつ、春の匂いを感じながらも、ヒートテックは手放せない。オーブンに発酵機能がついていることを知ら

かわいい

最近、可愛いと思う人が増えた。誰と接しても、誰をみても可愛いと思うようになった気がする。 いつからだろう?って考えてみたら、たぶん、夫と結婚してからかもしれないと思った。 夫と出会う前のあたしは、結婚はたぶんしないし、できないだろうなと本気で思ってた。 30年以上生きてきて、たった30年で何人もの人を好きになって、何人もの人と付き合った。だから、これから先の人生、ずっとこの人だけを好きでいれる、っていう自信がなかった。 実際、お付き合いをしても好きな気持ちが続いたのは

雨の日|好きなものを好きというエッセイ

雨の日が好きだ。 雨が降っているのを家の中から見ているのが好き。しんとした家の中で、激しいはずなのに窓ガラスを一枚隔てただけでやさしく聞こえる、ざあざあと雨が降る音。 サーっと音を立てずに降る霧雨より、雨粒がしっかりしていて、ざあざあ降る雨の方が、わたしは好きだ。 * 子供のころ、お母さんと行く買い物はいつも車だった。スーパーにつくと、「すぐ帰ってくるから、まっててね」と、車でひとり待つことがほとんどだった。 すぐ車酔いをしてしまうわたしは、目的地につくまではうずうずと

「許すこと」が正解でなくてもいいだろう

クズ男に夢中だったあの頃、わたしは「いい女」になりたくて仕方がなかった。言われたこと、されたこと、ひとつひとつに一喜一憂しては、彼が惚れるに値する女になりたくて、彼のタイプになることだけを考えていたように思う。恋に傷ついた女というのは、夜になると昼間の何倍もめんどくさくなりがちで、それは理屈では説明ができないひとつの習性なのかもしれない。嫌なことがあったときこそ、早寝早起きをして三食きちんと食べることにしてはいるものの、ダメージを受けた直後に限っては順守してきたマイルールが通