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感想「いとやんごとなき 2巻」

今月18日、「いとやんごとなき」の最新刊が発売されました。

面白かったので語ります。

・漫画紹介

紹介記事をリンクします。

以下、最新刊のネタバレ注意!

・構図

今巻にてようやく出揃った五つ星最後の一人。目が合った異性をゴリラに変えるというアホみたいな設定、大好きです。

そして登場人物が揃ったところで、物語の構図も見えてきました。

この漫画は主人公の出海さんを愛でる物語ですね。

大金持ちが集う学校という暗部が見え隠れしそうな設定の中で、出海さんに対しては皆やたら好意的です。いとやんごとない男性陣がごく普通の女子高生の一挙手一投足に大騒ぎする少女漫画的展開……良いと思います。

紆余曲折を経て少しずつ五つ星メンバーに好意的になっていく出海さんの態度も見どころです。

さて、一話ごと簡単に語ります。

・御尊顔騒動

まさかの生徒会長再登場。

五つ星以外の登場人物として唯一のネームドキャラである生徒会長ですが……あまりにもキャラが濃い。第一この学校の生徒会長という事は、下手すると五つ星に匹敵しかねないやんごとない家系の生まれである事が予想されますが……現状非常にやべーやつです。

……いや、他の面子もどっこいどっこいでした。なんでもありません。

さて、ゴリラ化が効かない特効持ちである事が判明した出海さん。彼女はこの漫画において無敵ですね。その理由が対して語られないのもまたシュール。

ちなみにナチュラルに変化しないローズちゃんの事を誰も話題に出さないのはちょっと不憫ですね。ビジュアルがいかついだけで基本的に良い人なのがギャップがあって大好きです。

・光と闇

新キャラの御井くんは、麻呂と対等な友人って感じですね。五つ星メンバーの漆間くんですら従順な犬宣言をするほどのいとやんごとない麻呂と対等というのは、キャラクター的に貴重ですね。良い友情が拝めそうです。

でもやっぱりこの漫画、シュールギャグですね。

「ゴリラ=闇なら、聖なる光で祓える」

……何言ってんだこいつ。

・芸術

……

なにこの回……

あの股間の光、動かせたんですね。っていうか割れたんですね。いちいち突っ込むのがあほらしくなるくらいシュールな展開、大好きです。

しかし麻呂はこれ、無敵ですね。出海さんはもう何やっても好感度下がらなそうです。ドMというのは作劇上、こんなに便利なのですね。

・麻呂♡

果たし状を送っておいて開口一番「あなたが悪いんじゃない」と言って申し訳なさそうにするローズちゃんの優しさがありがたいです。外見のいかつさを除けば本当に良いキャラです。いや、外見のいかつさはマイナスではないですが。

こんなに優しくて素直なローズちゃんを眼中に入れず、割と辛辣な出海さんに執心する麻呂は、やっぱちょっと変わってますね。

この回、ラスト一ページの怒涛のひっくり返しが大好きです。こう言うとなんだか叙述トリックものみたいに聞こえますが、そういう意味ではないです。

・逃走

普通にゴリラがうろつく学校ってどうなんでしょうね。

いや、どうもないですけれど。このゴリラ達、ちゃんと毎回処理してるんでしょうね?

御井くんと麻呂との中学生みたいな掛け合い、好きです。イケメンが生き生きしていて何よりです。

このイケメン、イケメンのくせに初心で童貞ムーブしまくるの、美味しいですね。それでいてしっかり寝ている出海さんにブランケットをかけてあげるイケメンムーブ。童貞かつイケメンというのは、ありそうでなかなか見かけないいいキャラしてます。

寝起きの出海さん、可愛いです。

そしてちょろい!

今までの頑なさは何だったのかと問いたくなるくらいのちょろさに驚きました。これ、まともなアプローチすれば割と簡単に仲良く出来るのでは?

良くも悪くも常識的な出海さん、好きです。

・プール開き

「最近股間を酷使し過ぎでございます」

……

これって下ネタなんですかね? 判断に困ります。笑えるのでよいですが。

そういえば麻呂の股間は別に出海さん特化というわけではありませんでしたね。割とむっつりなんですね。口に出さない辺りが彼らしいです。

そして御井くん、シュール。

伊之助かな?

そして今回のオチ、最高にシュールで笑いました。この漫画、瞬間風速えげつないです。

・変身

漆間くんは便利キャラですね。何でもやれるから舞台装置にぴったりです。万能かつ可愛いというのは、人気が出そうなポジションです。

しかしこの回は勢いが良いですね。この回に限った事じゃありませんが。

っていうか漆間くんはなんで猫になろうと思ったんですかね。イグアナになった麻呂も大概ですが、別に猫になる理由なんて無さそうに思うのですが。

股間が光るイグアナ、シュールです。

・予定

出海さんが庶民派である事を思い出させる回でした。そして彼女、親の再婚でお金持ちになったんでしたっけね。

珍しく学友らしい付き合いが出来そうで喜んでいる出海さん、可愛い。一方で解放感を楽しんでいる出海さん、薄情で好きです。

ちなみにこの回の中頃で突然生えてきた球技大会の思い出は一体何なんでしょうか。次回以降に生きないし、なんなら今回にさえ生きていない謎の回想で笑います。っていうか麻呂、なんで制服で野球してるんでしょうねえ。

・バカンス

……

いや、そうはならないでしょ!

突然の竜巻に笑いました。前後の繋がりが皆無過ぎて笑う他ありません。展開がスピーディー過ぎる。

そして水着姿の出海さん、滅茶苦茶可愛いです。見られるのが前提の表情も含めて、非常に魅力的です。経緯そのものは股間を光らせるためというシュール極まりないですが、すごくいい絵です。セリフ無しで、背後の情景も綺麗な事も相まって、もしもカラーなら最終回を疑うレベルの美麗さに驚きました。

・サバイバル

さすがは五つ星メンバー、漆間くんはもちろんのこと、ローズちゃんも特殊能力を遺憾なく発揮して動物を操っているらしく、活躍しています。これだけいろいろ出来たなら、麻呂と出海さんも助けられたような気もしますが……まあそこはお話の都合でしょう。

麻呂と出海さんの会話は、なんだかちょっと面白いです。シュールとかではなく、微笑ましさが勝つ感じ……この漫画にしては珍しいです。

しかし次の見開きでこの漫画っぽさが戻ってきます。

この勢い、大好きです。

総評

正直、この漫画を侮っていました。

1巻よりもさらに面白くなった2巻、たっぷり堪能しました。

シュールさにさらに磨きがかかっていて、最高です。

2巻の満足度:95/100

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