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始めるより終わる方が難しい理由3つ

   今仕事の拠点を一つクローズしようとしています。自分を育ててくれた場所、いいことも悔しいこともたくさんあった場所から離れるのは、何とも言葉にしがたい複雑な感情はありますが、希望にあふれていると言えます。次は一点集中でどんな風に仕事に取り組んでいけるか、周りのスタッフに負担をかけている状況で不謹慎と言われそうですが、ワクワクしています。

  この拠点を使い始めた時は本当に壁もないところに壁を作ってもらうところからのスタートでした。その時もいろんな人が助けてくれた。知らないことをたくさん教わった。壁はできたけれど、中身は何もないところ、いろんな人が知恵をくれて、そして支援も受けてスタートした。その時もなにしていたのか記憶にないほどいろいろやっていたと思う。

でもね、
そうやって皆さんに支えて頂いていた仕事の拠点を閉じるとなると、始めた時のいろんな困難さとは比べ物にならないくらい、考えないといけないことが一気に押し寄せる。本当に時間勝負。何が難しいか、3つ挙げてみます。

1.閉じる理由の伝え方が難しい。
  人は変化を嫌うもの。だからそのまんまで行けるのならそのままにするもの。そこを逆らって、敢えて閉じる理由を、うまく伝えるのは難しい。スタッフも私も意外と前向きで、希望に燃えていたりするのだけれど、周りは勝手な想像をしていたりで、優しい人は心配して下さるし、そうじゃない人は、ただただゴシップとして勘ぐって想像のうわさを広めて下さったり・・面倒なんですよねえ・・

2.一気に断捨離が難しい。
  私はスタッフに一旦任せたことに手を出さなかったから、いざ、始末しようと思った時には不用品なのかそうじゃないのかもわからないくらいのものの量だった。「何でこんなに買い込んだの?」怒るという感情を通り越して、何でこれだけの不用品をため込むような購入の仕方をしてしまったのか、その理由が知りたいと思って何度も聞いた。捨てるときには細かい分別が必要で、プラごみと紙ごみをパッケージが開いてないものなど、開けて一つ一つ分別という途方もなく面倒な作業の連続だった。買った人はその場にいない。
  もしかして、いちばん難しい経営判断は捨てると言うことかなのかもしれません。

3.スケジュールを立てるのが難しい。
  周りに私のような閉じるという経験をした人は皆無。だから、どこで引っかかるのかが予想もつかない。
  それでも私は運がいい。出入りの業者さんが本当に親身になって、不用品の嫁入り先をたくさん紹介してくださって、捨てるときに困るものについて教えて下さって、わかる限りの引っかかるポイントを教えてくれた。古い冷蔵庫は、フロン入りだから、それを抜いて捨てないといけなくて、すごくコストがかかる。ゴミ置き場のスペースは早く確保しないと、大きなものはみんな年度末に捨てるからあっという間に捨てられない、ゴミ難民になるんですって。
  まあ大変!出遅れていた。それでもうちのスタッフはみんなでごみ捨てを頑張り、もらってくれる人には笑顔で対応。「ありがとうございます!」というご挨拶を忘れずに頑張ってくれて、大きなものはみんなもらって頂けた。

  もらって下さる時の姿勢でお相手の何というかお人柄が見えたりして。もう目の前で何をもらうかそれだけしか考えられていない人から、こちらに対して配慮のできる人までいろいろ。それもいい経験!
  私の学生時代からの知り合いのグループの方々が大勢でもらいに来てくださったとき、「お持ちになったもので、いいお仕事してもらったら、私は満足よ。」なんてお声がけをしたら、「いい結果を出せるように頑張ります!」って言って下さった。
  社会は人と人とのつながり。私を助けてくれた者たちも、新たな人たちとのご縁でまた活躍出来たら、何よりです。

  立つ鳥跡を濁さず。出来そうで簡単じゃない。
  濁さず立つためには、それだってたくさんの温かい心に支えられて初めてできること。ありがたさを身にしみこませながら、卒業です。

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