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能登半島地震の不思議          災害ボランティア不足と過剰

能登半島地震での珠洲市の被害のひどさを目の当たりにして「ボラキャンすず」にお世話になりながら災害ボランティア活動をしてきました
発災から6ヶ月経過した今でも「被災者さんからやっときてもらえた」という声があがる位にボランティアが不足している状況に1ヶ月近く滞在してしまいました
珠洲市の前にも七尾市でテント村にお世話になりながら災害ボランティア活動をしていましたが七尾市ではそもそも不要と思われる仮仮置場を創設して20人、30人と災害ボランティアを配置するほどボランティアが過剰に見えました
疑問に思ったのでボランティア目線で石川県の対応を調べてみました

仮置場、仮仮置き場の詳細については下記の記事をご覧ください

能登半島地震と過去の災害との違い


石川県県民ボランティアセンター

東日本大震災でも国と協定を結んでいる県社会福祉協議会市町村社会福祉協議会が協力して災害ボランティアセンターを設置しボランティアセンター単位でボランティアを募集していました

今回の能登半島地震での災害ボランティアへの対応の特徴は石川県民ボランティアセンターと言う組織がある事です
能登半島地震の災害ボランティアの窓口は石川県災害対策ボランティア本部
                公益財団法人石川県県民ボランティアセンター
下記は平成19年能登地震での組織図ですが今回も準じていると思われます
非常に大きな立派な組織ですね

平成19年能登地震時の組織図

災害ボランティア登録制と予約制でコントロールした結果を見る

災害ボランティアの登録制と予約制が今回のの特徴ですので災害対策ボランティア本部の配分がどうだったかが全て数値に反映されます

私が災害時に見ている全国社協のボランティア活動者数のページです
ボランティアセンター毎の活動者数が通常は1週間毎にデータ更新されます
6月28日現在の状況は1ヶ月間データが更新されていません
情報公開の面では困った組織の様ですね

2024年6月28日現在のボランティア活動者数

そのため古いデーターですが住宅被害と災害ボランティア数を比較してみると調整されているとは思えない数値に見えますさらにに奥能登の輪島、珠洲、能登町は活動時間の短いバスボラ中心ですので累計で輪島4千人、珠洲市8千人、能登町6千人が肌感覚です七尾市でボランティアが余って、輪島市や珠洲市では完全に不足していたというボランティアの話が正しかったのは数値で明らかです
バスを増便して現地の人員も増員するのが普通ですが、何を調整しているのかわからない組織ですね

石川県発表の被災戸数と全国社協のボランティア活動者数

災害対策ボランティア本部から登録ボランティアへの発信メール内容

被害の大きい地域への災害ボランティアの応募が少なかったのかどうかは登録ボランティアへの発信内容に再募集がどのくらいあったかを集計してみました
メールが残っていた3月26日から6月26日までの37通を分類してみると
ボランティア募集11回、追加募集9回、農林水産ボランティア募集13回
見る限りは災害ボランティアは足りていたと思える内容でした
ボラバスの増便など奥能登にもっと災害ボランティアを配分する気が無かったと見えます

登録ボランティアへの発信内容(抜粋)

農林水産ボランティア募集

登録災害ボランティアに煩雑に来ていた農林水産ボランティア募集
災害ボランティアの中にはもう災害ボランティアは十分なのかなと思った人もいるのではないでしょうか
近隣県や農業団体、県民にどの程度農林水産業ボランティアの支援要請をしたのか石川県のホームページで検索してみた結果が1件だけで近隣県や農業団体などに支援を要請した気配はありません
災害ボランティアと農林水産ボランティアでは必要なスキルが違います、しかも災害ボランティアが不足している地域があるわけですから農林水産業ボランティアは近隣県の農家などに大々的にに支援を求めるのが本来で、災害ボランティア登録書にばかり要請するのは違和感があります

農林水産ボランティアでの検索結果



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