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他人から 指摘されると 結構ショックだった、という話。

私は小さい頃から 耳が遠い。

先天性ではないけれど、
たぶん小学校3年生くらいには 耳鼻科でこういう風に言われていた。

「軽度難聴」

日常生活に まったく支障が無いわけではないけれど、

普通の音量で話してもらう分には 何不自由なく、会話は成立していたし、

何より ちいさな頃から
そういう聞こえの状況だったから、
それがわたしの当たり前だった。

と言っても、
何も配慮なく 暮らしてきたわけではなくて、

授業は半分より前の席で
聴かせてもらっていたし、

就職のときには
手術室や救急科などへの配属は 避けてもらっていたりした。

就職1年目は
耳鼻科への配属だったのだけど、
耳鼻科の先生たちは みんな声が大きくて本当に助かっていた。

あまり「困った」という記憶がない。

逆に、2年目で婦人科へ異動になったときは 先生たちの声が小さくて びっくりしたほど。

ただ そこでも、
運よく高校3年間同じクラスだった友人が
2人も一緒に働いていたから 

聞こえなくて困ったときは
「今、(先生)なんて?」と聞けば、
わたしに聞こえるように通訳してくれていた。

思えば この2人の存在は、本当にありがたくて感謝しかない。

そうして仕事を覚えたら、
全部を聞き取れなくても

次に何が必要か。

それを 予測して動けるようになるから
「本当に困った」という状況に
あまり陥ることなく仕事ができていた。

だけど、昨年
育休明けで仕事復帰した頃から
聞こえないことで
小さな「困った」が増えている、
そう感じていた。

夜勤中、患者さんに小さな声で話しかけられても、
今までなら部分部分で 聞こえていたことが、
ほぼほぼ 聞き取れなかったり、
(そういうときは、わたしが普通の音量で話すと、患者さんも普通の音量で話してくれる。
そうやって乗り切っていたんだけれど。)

高音の機械音が聞こえなかったり、

とっさに話しかけられると 聞き取れなかったり

部屋に入ってしまうとナースコールが聞こえなかったり。
(PHSがあったから、これもそれほど困ってなかったけれど)

そういう小さな積み重ねがあったから
関東へ引っ越すタイミングで病院を辞めるとき、

旦那氏には 
「聞こえにくくなっていると思う。もう急性期の病院では働けないかもしれない」と 話していたほど。

実際、家でも冷蔵庫が開けっ放しの時に鳴る 機械音や
お茶を沸かしていても、
お湯の沸騰する音に気付けないことが多くて
息子や旦那氏に指摘されることは 日常茶飯事。
(これも 昔からだけど)

そうして関東に来てからは 個人院、クリニックで働くことにした。

だけど、そこでも「難聴」の壁はあった。

今まで 入院病棟しか経験のないわたしには 外来業務は慣れないことばかり。

今までとは診療科も違うから 聞きなれない薬や処置ばかりで 予測して動くことも ままならない。

だけど 予約で来ている患者さんたちを待たせないように、
時間との勝負で診療している先生たち。

とっさに言われる言葉も 聞き取れないため、
わたしの動きは すべてワンテンポ遅れてしまうのだ。

自分でも その自覚はあったのだが、
仕事を覚えてしまったら、ある程度予測ができる。
次に 何を指示されるか判断できるようになれば、やっていけると思っていた。

しかし、そうなる前に 他人(ひと)から指摘を受けた。

「補聴器、着けた方が良いんじゃない?」

旦那氏と話していたときに、
自分でも「そろそろ補聴器いるかもしれない」と話していたし

小学生の頃から既に、
聴力検査の値は「補聴器が必要」と判断される値だったから、
いつかは「必要になること」も覚悟していた。

昔は「ザ・補聴器」というようなものしかなかったけれど、
今は補聴器のデザインも、
昔と比較すればあるし、
補聴器を着けること自体には それほど抵抗もない。

だけど、いざ 他人から指摘を受けると
自分が思っていたより、
覚悟していたより、
ショックだったみたいだ。

何が悲しいのか、自分でも分からないんだけど、なぜか悲しかった。

他人から言われたことで
「あなたの聴力では 迷惑がかかりますよ」
「その聴力では もう働けませんよ」
と、(わたしが勝手に)言われているように 感じているのかもしれない。

今もまだ 少し気持ちは沈んでいるけれど、
上にも書いたように、「ある程度、覚悟していた」こと。

まずは 久しぶりに耳鼻科へ行って
聴力検査などなどしてもらってから、
補聴器の話を聞いてこようと思う。

ただ、覚悟してたって言っても、補聴器って高いんだよね。

結構良いカメラ1台買えちゃうほど。

なんなら、つい最近、カメラもパソコンも買っちゃったから、お金の覚悟はできていない。

さて、この問題は どうしようか。笑

#難聴
#補聴器

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