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無条件スマイルのあの頃に戻りたいか?

見てくださいこの、
びっくりするくらい大きなスマイル。

1歳半ごろの私です。

「笑うときには 大口開けて」
と、谷川俊太郎さんに言われているのに、こんなに大きく口を開けたのはいつが最後だっただろうか。
私たちは、このくらい口を大きく開けて笑うことができるのだろうか。

小さい頃の写真を見ていると、ああ、楽しそうだなとは思う。
今ほど大変じゃなかっただろうし、背負っているものも(まあ今もさして背負っていないが)なかったし、人生とか考えなかったし、欲はなかったし、難しいこと考えてなかっただろうし、楽しかったんだろう。

でも戻りたいか?と言われたら、全然戻りたくないかもな、とこの写真を見て思った。

この頃は苦手なものが多かった。
あくまで他人や親から聞いたエピソードとか朧げな記憶の中だけだけれど、嫌なものが多かった。

砂とか、大きい音とか、大きい人形とか、だだっ広い所とか、土とか、
少し大きくなっても、
小学校とか、給食とか、みんなと同じにしていなきゃいけない感じとか、
とにかく嫌なものが多かった。
でも、それを言葉にすることができなかった不快さをよく覚えている。

なんとなく嫌なんだ、
でもどこがどう嫌なのかは言えないんだ、
だから家に帰りたいし、眠くなるし、泣いちゃうんだ。

年を重ねるごとに語彙が増えて、経験が増えて、言葉にできるようになってきた。それはとても心地のいいことだった。

だから、あの頃に戻りたいか、と言われたら
そんなことはないかなあと思う。

その不快さに甘えて泣いたり駄々をこねたりするのが許されるのは少し羨ましいが、大人が泣いたり駄々をこねてはいけないということはないからね。
昔できたことは、多分今でもほとんどできる。

いただいたサポートでココアを飲みながら、また新しい文章を書きたいと思います。