
単純な人間なのだと思う。
生まれてはじめて、自分が一冊イラストを手掛けた本を書店で見かけた時のことは忘れない。
デビュー作で、カバーから中身まで本をまるごと一冊分イラストを描き、著者として扱ってもらえたのは、幸運だったとしか言えない。
その上、東京駅の八重洲ブックセンターの目立つ場所に何十冊も平積みになっているのを見た時には、うれしいなどという感情を通り越して、頭の奥がキーンと痛んだ。貧血を起こした時のように、ふわふわと現実感のない雲の上を歩いているようだった。
ずっと夢見ていたイラストレーターになれた、もうそれだけで、自分は天職に就いたのだと思い込んだ。それも無理はない。
それまで様々な職種を経験してきたけれど、自分に向いていると思えた仕事なんて何もなかったからだ。
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天職の見つけ方
陽菜ひよ子 / イラストレーター&漫画家&まちづくりジャーナリスト
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著書「ナゴヤ愛 」(秀和システム)他2冊既刊。中日新聞広報誌・朝日新聞Webメディアにて取材+コラム連載中。代表的なイラストのお仕事はNHK Eテレ「すイエんサー」。その他お仕事実績多数。インタビューとひよことプリンとネコが好き。http://www.hiyoko.tv/