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#11 赤酢の酢飯

お寿司は大好き。
多分、最後の晩餐に何食べる?と言われれば、
「お寿司!」と即答。
回転寿司から高級なお寿司屋さん、家では、ちらし寿司や手まり寿司と何百回、いや何千回、と大好きなお寿司を口にした。
そして今まで、シャリはずっと白が当たり前、シャリの色を意識したことさえなかった。

それなのに、
シャリが赤色があるって‼︎
目から鱗でした。

先日、ミツカン酢の赤野裕文氏からお話を聞くことがあり、酢の歴史や文化を教えていただいた。
お寿司が大好きと言いながら、知らないことだらけ…
今や世界中で「SUSHI」と親しまれているのに、肝心な日本人の私が、知らないことばかりで恥ずかしくなった。

江戸時代後期、お寿司が庶民の間で大流行し、それはこの赤い酢のシャリ“早ずし”(江戸前寿司の原型)が主流だったそうだ。

赤いシャリに使われているのは赤酢。
赤酢は、酒粕でできているので粕酢とも云われ、赤みを帯びていることから赤酢と呼ばれている。

この赤酢を開発したのがミツカン酢。
ミツカン酢は、愛知県半田市が発祥であり、半田市は醸造が盛んな土地として栄えた。
酒を造った後に残る大量の酒粕を何かに利用できないかと考え、粕酢(赤酢)を開発した。それが江戸へと渡り、江戸前寿司に使われた。
当時は、貴重な米から作る米酢が主流で、庶民が口にすることはできなかったようだ。
しかしミツカン酢の初代、中野又左衛門様が、江戸に行った時の寿司との出会いと、ちょっとした発想から、今まで捨てていた酒粕を粕酢(赤酢)にした。それを江戸で販売し、江戸前寿司に使われ、屋台でも売られたことで、庶民が手軽に食べられるようになり一気に広まった。
この時代でも、ロスしていたものを、ちょっとした発想から価値を見出し、今では欠かせない調味料の1つとなっている。
私も捨てるものから何かに変化させれば、ヒット商品が生まれるのかも…と思うと掃除も楽しくなる。

こういうお話を聞いたら、この「赤酢」が気になって仕方がない。
ミツカンから創業の味を再現、昔の製法で酒粕で作られた「三ッ判山吹」があるというので、早速取り寄せてみた。

飴色で芳醇、ほのかに酒粕の香りもする。まろやかで甘みもあって美味しい。

今晩は、これで酢飯を作り、手巻き寿司だ。
見た目よりクセもなく、酸っぱいのが好きな私は、もう少し酸味があってもいいかな。
次回作る時は、砂糖は入れなくてもいいのかも…

今、ちょっとした発酵ブーム。
お酢は身体にも良く、料理に入れるとさっぱりした味わいに変え、肉を柔らかくする効果もある。微生物を繁殖させなくするので、食材を腐りにくく、これから夏は大いに活躍しそう。

掃除にもお酢を使いながら、捨てるものから何か新しいものができないかと考え、いつか又左衛門様のようになるかもと妄想している。


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