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departure-Ep2


ep紹介:ブダペスト2日目。ひとりで朝食を食べた後に、この旅行で唯一行こうと計画を立てていたあの場所に行き、それからおいしいスイーツも食べる。しかし、帰りの飛行機でトラブルが。


第一話にも登場した花がらのスカートについて、

古着屋に行って、スカートを買ったんですが、その時履いていたジーパンは、
ブタペストのホステルで捨ててきた記憶があります。

そのジーパンはprimarkというイギリスのしまむらみたいな激安の店で買ったものでした。

イギリスにいる時、ダイエットのダの字もなかったのですが、

少し気をつけるようにして、食べ物とか、運動とか、ほんの少し、

ジーパンが緩くなってきたら、サイズダウンして同じジーンズをprimarkで買うっていうのをやっていてました。

で、そのジーンズをホステルに捨てて帰ったわけです。

あと、本編には出さなかったけど、ブタペストでもう一つ古着屋に行って、そこで、リーバイスのジージャンを買ったんです、

ダボダボの、本当はセットアップが欲しかったんですけど、無くて、
とりあえず、ジャケットだけ、

でもなぜか、イギリスで作ったデビットカードで決済ができなくて、パニックになって、一回お店出て、

すぐ戻るんでって言って、持ってた現金を、全部ハンガリーの通貨のフォリントに変えちゃったんですよ

ジージャン買っても、全然フォリント余っちゃって、日本に持って帰って来たんですが、

まだ、家にフォリントがあります。

第2話 終点 ブタペスト2

真夜中に起きてロビーの方へ行くと、
ちらほら旅行者がソファーのところで雑談を楽しんでいる様子だった。

テーブルには酒の瓶や缶が並んでいる。
私は階段を降りて踊り場で電話を始めた。
途中女の子が私の方を不思議そうに見て通り過ぎていった。

次の日朝食を食べに、ロビー隣の食堂に行った。
すでに4分の3くらい席が埋まっている。

わたしはあいているところにカーディガンを置いて、
ビュフェ式の朝食をとりに行く。

オレンジジュースとサラミとデニッシュとトーストとバターとヨーグルトを
たっぷりとって席に戻った。

一人でもそもそ食べながら周りの人間を眺める。
大方ヨーロッパから来ている若者だと思う。
こんな時誰かが話しかけてくれたらいいな、
自分から話しかける気は起きないけれど。

朝食の後は荷物をまとめて部屋の鍵を返して夜の飛行機までまた市内をふらつく予定だった。

何も計画していない旅行だったけれど、どうしても行きたいところが一つだけあった。

それがシナゴーグだ。
それはユダヤ教の教会で、一度も行ったことがなかったため、見てみたかった。

アベニューhostelを出発して、15分ほど歩くとシナゴーグに着く。
半球体の屋根と星のマークが印象的だ。
私は昨日古着屋で買った花柄のスカートとTシャツにカーディガンを羽織って、
シナゴーグに入った。

入り口にはお土産屋さんが並んでいて、外廊下を進むと教会の建物の中に入れる。
中は長椅子がたくさん配置されていて、天井はとても高く幾何学模様で装飾されている。

窓からは外の日差しがあたたく入っている
教会に入るといつも緊張するが、シナゴーグは緊張を感じさせなかった。

それから、建物外のお墓も少し見て満足したので、シナゴーグを後にした。

近くの通りにはユダヤ教グッツのお店が何店舗かあり、燭台(しょくだい)
などが店の中に並んでいる。

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街の中をぐるぐる歩くことにする。

昨日よりも暑くて日差しが一層強かった。すれ違う人々はほとんどサングラスをかけている。

通りにはアイスクリームの屋台が出ていて人だかりができている。私もアイスクリームが食べたくなった。

ブダペストで有名なお菓子で、チムニーケーキという巻貝のようにデニッシュが巻いて筒状になっているものがある。

T字路に若い女性が群がっている店がある。人々は皆チムニーケーキにアイスクリームが詰まっているものを片手に店から出てくる。

私も列に並ぼう。

店の外から、背伸びをしてショーケースの中身を覗く。チムニーケーキはまわりに砂糖がまぶしてある物、砕いたナッツがまぶしてあるもの、赤い粉がまぶしてあるものと数種類から選べそうだ。アイスクリームはバニラ、チョコレート、ピスタチオ、と10種類くらいある。

赤い粉付きのチムニーケーキが気になったが、初回なので、定番の砂糖がまぶしてあるものとバニラのアイスクレームを注文する。

スプーンをつけて渡してくれた。

アイスクリームを舐めながら街並みを眺める。右も左も後ろも前も装飾が施された石の建物が並ぶ。その一階にはテラス席のあるカフェだったり、お馴染みの化粧品メーカーが入っていたりする。

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空港までのバス乗り場まで地下鉄で行くことにした。
地下鉄の駅は古い石造りで電気は弱く、薄暗い。

四角く黄色い電車がやってきて、不安になりがらも乗った。地下鉄が出発し、暗いトンネルの中を走る。

駅の名前はハンガリー語で書かれていて、さっぱり読めないから四つ目とだけ覚えて電車が停車するたびに数えるしかなかった。
どの駅も薄暗く、地上への階段からホームへ外の光が降り注ぐのがはっきりわかるほどだった。

4つ目で降りて地上に出た、外は昼下がりのまったりした空気になっている。

空港行きのバスに乗った。
街を抜けて、どんどん建物が少なくなっていく、乾いた土や低木や草ばかりの景色で、先ほどまでの豪華なブダペストの街並みからどんどんはなれていく。

空港に着いてバスを降りた。リュック一つだけなので預ける荷物もない。
ここからロンドンに戻り、それから日本に戻るのだ。

ところが私が乗る予定だったLCCの飛行機は大幅に遅れ、何時間も空港で待つことになる。私はiPhoneを空港のWifiに繋げて、SNSをぐるぐる周回した。

昼間はとても晴れていたのに夕方になると昨日と同じように雨が降っていた。
殺風景の飛行場の雨はとても冷たく感じた。

ここまで読んでいただいて大変嬉しいです。
次回は4月9日です。夜8時にPodcastとSpotifyで音源も上げるので、そちらも是非お楽しみ下さい。


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