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怪力乱神事典

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妖怪・UMA・宇宙人等の情報を主観的にせつめいする事典です。
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2014年8月の記事一覧

塩の長司

塩の長司

 加賀の小塩の浦というところに谷口ジローが作画したような風体の長者が住んでいて、「塩の長司」と呼ばれておりました。
 この長司先生、昔の日本人には珍しく肉食を愛する孤独のグルメで、死んだ馬の肉から自家製塩漬け・自家製味噌漬けを作っては食べていたそうです。

 しかしある晩の夕餉。膳には大好物の馬肉が並んでいませんでした。
 もぐもぐ。
 早く馬肉こないかなあ。
 白めしといった馬の肉だろうが。
 

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座敷わらし

 青森、岩手、秋田などに伝わる子どもの姿の妖怪で、棲みついた家をスピードワゴン級に速攻大繁栄させるという業界随一のお役立ちスキルを有しています。その代わり、座敷わらしが去った家は急転直下の没落コースをたどるのだとも言います。

 座敷わらしに会える宿として、金田一温泉郷の旅館「緑風荘」がつとに有名ですね。原敬や本田宗一郎、松下幸之助などといった錚々たるレジェンドの運気を大いに向上させたということで

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火車

火車

  仏教でいうところの「火車」というのは轟火をまとった荷車で、これに乗せられて罪人は地獄へと運ばれていくんだそうです。いっぽう妖怪の「火車」といえば獣のような風体の妖怪で、一般には化猫がその正体と言われています。

 さて、悪行妖怪「火車」は一体いかなる悪事をはたらくものか、みなさんはご存知であろうか。君はわりと陰気で幸うすそうな顔をしているから、よそ様の葬式に参列する機会もそこそこ多かろうと思い

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