8回、小野選手の起用について思うこと

4月4日のロッテ対日ハム戦で、8回裏1点リードの場面で、ロッテは前日の試合に、同じ8回で登板し4失点した小野選手を起用した。

結果的に1失点し、同点に追い付かれ、先発した鈴木投手の勝ちが消え、チームも引き分けに終わった。

この起用に関して、SNSなどでは不満の声が上がっているが、個人的にはこの試合の「8回小野」には大賛成で、間違っているとは少しも思わない。むしろベストだったと思っている。

今日は、その理由をいくつか書いておきたい。

まず、井口監督の考えは、著書にあるとおりだ。こちらもTwitterに書かれていたし、自分でも読んだが、「前日の失敗だけを理由に翌日起用しない」というのは「選手のモチベーションを大幅に下げてしまう」というやつだ。

これは理解しやすい話で、プロ野球選手が「自分、昨日ミスったんで、今日はいいです」とか言ってたら、それこそ「辞めちまえ!」となるんじゃないだろうか。

昨日ミスったところを、翌日もう一回経験させてくれるというのは、とても良い環境だと思う。この方が、選手もやる気になるし、より力が入るというものだろう。ただ、そこで上手く行くかどうかは、本人の準備と力量の問題になる。

これは、プロ野球選手に限らず、バイトだってそうだ。一回のミスでお払い箱では、何も生まれない。

さて、8回からの継投に関しては、他にもいくつか選択肢があったと思う。例えば
①鈴木選手続投
②8回唐川選手
③8回小野選手→ピンチで唐川選手
などである。

ここで、①を採用して「失敗した場合」をあえて考えると、余分な球数を投げた上に、最後に踏ん張れなかったというネガティブな経験ばかりが、鈴木選手に残ってしまうことになる。

もちろん、抑えていた可能性も大いにあるが、失敗したパターンも考慮には入れておきたい。①が失敗した場合のマイナス要素は、かなりある。

今回、鈴木選手は勝ち投手にはなれなかったが、7回無失点、11奪三振という、ものすごくポジティブな経験を得て、試合を終えられている。シンプルに自信になっただろう。前回の四球が多いという課題も、しっかり克服していた。プロ初勝利は、そう遠くないはずだ。

逆に「8回小野」からの「9回益田」が成功していた場合も考える必要がある。小野選手が抑えていれば、
①小野選手は昨日の失敗を克服
②鈴木選手にプロ初勝利
③益田選手にセーブポイント
④チーム4連勝
⑤勝ちパターン成立(仮)

これだけのことが達成できていたとしたら、この継投は最高だったとしか言いようがない。ベンチは少なくともこの可能性にかけて勝負したのだろう。

これが、私が「8回小野」がベストだったと考える一番の理由である。

ちなみに、「8回河村」という意見も見かけたが、個人的にはまだ早いと思う。これも、失敗した場合を考えると、鈴木選手の初勝利と、チームの勝ちを同時に消してしまうようなマイナス経験は、河村選手にも土居選手にも、まだ重すぎるのではと思う。

また、長い目で見れば、今ロッテは「益田の後継者探してます」という状態だ。

今、その筆頭はおそらく、唐川選手ではなく、小野選手だろう。それに唐川選手は、もうこれ以上経験値は必要ないくらい場数を踏んでいる。

別に、今日1勝するためだけなら「8回唐川」はあったと思うし、今後「7回小野、8回唐川」もあると思う。

ただ、最終的には「8回小野」を成立させて、数年後には「7回土居、8回河村、9回小野」を確立させることを目指すなら、そういう意味でも昨日と今日は「8回小野」を試す最高のチャンスだったと言える。

今日の失敗を見て、小野選手の扱いがどうなるかは分からないが、少なくとも小野選手にとってもチームにとっても、プラス要素のある選択だったと思う。敗けてはいないのだし。

最後に、西川選手との勝負を避けるべきだったという意見もあるが、これに関しても、上と同じような考え方で、もしそれで杉谷選手や代打で出てきた(であろう)野村選手に打たれていたら、ということを考える必要がある。

おそらく、西川選手に打たれるより悔しい。それに、「西川選手と勝負していたらどうなっただろう」という、意味のない妄想に取りつかれてしまう可能性だってあった。

しかも、今回は実際に、打った西川選手が凄かったと言える内容である。自打球のあとの外角低めの変化球を拾って打てる選手はそういないだろう。

おそらく、ベンチも小野選手自信も、打った相手が凄いということで、ある程度割りきれているんじゃないかと思う。なにより、その後は立ち直って抑えたのだから。

ということで、長々と書いてきたが、要するに
①8回小野は、いずれ成立させたい勝ちパターン
②そのためには早いとこ8回のプレッシャーに慣れてほしい
③前日の失敗を翌日取り返すチャンスがある最高の職場環境

ということで「8回小野」は、千葉ロッテマリーンズの将来を見据えても、ベストな選択だったという個人の意見である。

これは完全に余談だが、日ハムの加藤選手に対して、もうちょっと右打者使えば良かったじゃん!というツッコミも見たが、16・16・6得点の打順をいじれる余裕は今のロッテにはないし、左打者でも菅野選手は良い当たりをしていたし、荻野マーティン中村で0安打は、流石に予想外というところだろう。

何はともあれ、ロッテは現状そんなに悪いチーム状態でもなさそうなので、少しずつでも借金を返していってもらいたい。8回小野、見たいなー!守護神小野も見たいぞー!頑張れ小野くん!!



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