代打鳥谷という選択肢

代打鳥谷、そんなに無意味?という話。

9月15日の千葉ロッテマリーンズ対西武ライオンズの試合、9回1アウトから井口監督は、藤岡くんに代打を送った。鳥さんである。

鳥さんが凡退したことで、試合後にファンからこの采配がめちゃくちゃ叩かれているわけだが、個人的にはそんなに変な代打だとも思っていない。

まず、藤岡くんは得点圏の打率は高いが、ランナー無しだとそこまで安定した打率を残しているわけではないこと。そして、その日もタイムリーこそ打っているものの、その後は良い当たりはなかったというのが一点。もし、あと一本何かしら結果を出していたら、代えなかった可能性はある。

次に、相手バッテリーのイメージを少しでも崩す、というのが狙いだという場合。清田さんを一球でアウトにして、すんなり藤岡くんが打席に入れば、相手が思い描いた通りの展開になる。

ここで、とりあえず代打を持ってくることで、少し間が空くことになる。相手も、藤岡くんに代打が出ることは、考えていたとしても可能性は低いと思っていただろうから、その辺りの微妙な感覚のズレに期待したという可能性がある。

そして、代打鳥谷。これは、今のところ試合や代打成績を見ていると、ロッテファンとしては藤岡くんより期待できないな、と思うのは簡単なのだが、当の西武バッテリーがどう考えるかだ。

なんだかんだ言って、あの「鳥谷」である。こんなやつ絶対打てへんやろ、ど真ん中に棒球行っても打たれる気せーへん。とは思えないのではないだろうか。ここばっかりは、素人なので、マウンドに立って代打で出てくる大ベテランを相手にした投手の気持ちは分からないが。少なくとも解説の人たちは「嫌なバッター」という形容をしている場合が多いと思う。

頭の中でしっかりと打ち取るイメージをしていた藤岡くんから、鳥さんに代わることは、ちょっとした揺さぶりとしては、効果があると思うのだ。いわば、予想してなかった試験範囲から出題されたとき、みたいな「えー?ここ?」みたいな一瞬の緊張を相手に与える効果があるのではと。

そのくらい、大したことないのかも知れないが、投手は意外と繊細で、細かな変化でも嫌う傾向があるように思う。

これに関しては、同じ試合の前半で、凡退こそすれ角中さんが、大して汚れてないホームプレートを、狙ってかどうか知らないが掃除させて、ちょっと間を取ったことで、高橋くんはテンポを乱し始めたと個人的には考えているので、ちょっとした違和感をバッテリーに与えることは、こちらが思っている以上に効果があるのではなかろうか。

だから、あの場面での「代打鳥谷」は、打ってくれという期待以上に、相手にちょっと嫌な感じを与えてくれ、という代打としての効果があったと思うのだ。

続くトシくんはヒットを打ったし、あと一歩のところまでは行った。相手の予想通り藤岡くんで勝負をかけた場合の結果は、残念ながら知ることはできないが、個人的には「代打鳥谷」には納得しているという話。

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