ローズマリー

秘密結社「lemon」のメンバーです。

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最近の記事

祈り

ローマ法王が日本を訪れている。 それで「ローマ法王になる日まで」という映画の事を思い出した。 この映画は若き日のフランシスコ法王を描いた物語だ。 今の法王である方がどんな半生をおくってきたのかを伺い知ることができる貴重な映画だ。 ただし内容は爽やかな感動を残すお話では決してない。 むしろ人と人の対立、軽く扱われる命、そういった世界の不条理な現実を描いている。 そして次から次へと起きる問題に淡々と対処していく、フランシスコという人物を撮しているドキュメンタリーの様なお話だ

    • 太陽の塔は今日も。

      君は「太陽の塔」を見たことがあるか? 岡本太郎が残した、巨大で謎に満ちた「それ」は、今日も万博記念公園で堂々とそびえ立っている。 一体これはなんだろう。 様々な人々がその姿に感嘆し、考え、そして自分の感じている「何か」を捉えられないままに見上げ続ける。 大いなる「謎」なのだ。 「進歩と調和」をスローガンにして計画された大阪万博の中にあって、なぜあんなものが建てられたのだろうか。 「芸術は爆発だ」という太郎の言葉だけが独り歩きをしてしまい、万博開催当時は太陽の塔のメ

      • 米津玄師「Lemon」を聴いて。

        「死者の目線」 Lemonを聴いていて不意に感じた視点だった。 表面的に聴けば、別れた恋人を想う曲なのかなと連想するが、この曲にはもっと深く、違う次元からのメッセージが読み取れる。 「わたし」が死者となった今、地上の「あなた」をこんなにも愛していたんだと、生きていた時には気づかなかったほど深く想っていたんだと知りました。 そう歌っていると私は感じたのだ。 生者の時には分からなかった事が、死者の視点に移ったことで視界が開け、だからこそもう戻ることはない向こう側への惜別の

        • 映画「ジョーカー」を観て。

          「物語」がなければ乗り越えて行けない不条理が人生にはあると思う。 ジョーカーを観て感じたのは、アーサーという存在を「映画」という形で投げかけられたんだなということだった。 映画の中にも、そして映画を観ている私の世界にも「救い」からは無縁の出来事、存在が確かにあると思う。 そしてほとんどの人はその存在に無関心なんだろう。 なぜジョーカーは生まれたのか。 それは自分のエゴを他者に巧妙に押し付けて背負わせる世の中だからだと思う。 自分が見たくないもの、都合の悪いものを、背