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けいこにっし 六日目


けいこにっしむいかめ

稽古日誌六日目です。

  杏露酒ロックを飲みながら書いてます。ロックでしょ。こんなこと書いたら林さんに書き直せって言われそう。(言われませんでした)


  今日はまず一人芝居の稽古からだったんですけど、土鍋を洗うのがいかに大変かという話をとにかくしました。

  これだけ話すとどんな稽古だよってなると思うんですけど、ふざけているわけでも遊んでいるわけでもなく、一人で立つことはお客さんに一人で伝えないといけないということなので、そのためには感情を出して乗せないといけないということなどを練習するためなのです。

  いやーこの土鍋の話なんですけど、豆乳鍋したって言ったじゃないですか。豆乳ってめちゃくちゃこびりつくし焦げやすいんですね。あれ?これお焦げじゃね?みたいなのがへばりついていてですね。昨日もお湯でうるかしてからスポンジでごしごし洗ったつもりだったんですが、今朝改めてチェックしたらまだ若干残ってたんですよ。豆乳恐るべし。というようなことを早めに稽古場に来たかなみちゃんにも情感たっぷりにお送りさせてもらいました。


  そのあとはかなみちゃんと二人芝居の稽古をしたんですが、換気するときに虫が中に入ってこないように部屋の電気を消したんです。明るいところに集まるでしょ、虫は。
  そしたらなんと、猫がやってきて!窓の向こう側からこっちの様子をずっと窺ってるんですよ。どこ住み?稽古見学してく?という感情でしたね。

もう、なんでいま手元にチュールがないのかと歯噛みしました。猫のナンパはチュールで一発落ちると思っているクチなので。あ、どこ住み?とか言ってますけど、首輪をしていたので恐らく近くのおうちの子ですね。こちらの想いも虚しく、猫はどこかへ行ってしまいました。


  今回の『ものすごくはやくとぶかめ』、中学二年生のお話なんですね。ネタバレかなこれ。大丈夫かな。まあそれでですね、どうやら人がずっと好きになるものとか影響が強く出る時期って小学五年生と中学二年生のときに好きになったものらしいんですよ。

  そこで中学二年生のとき一体何が好きだったか、何に心を動かされたか、何に影響を受けたと感じるかっていう話をしました。ただねえ、私中学二年生の時の記憶が本当にあんまりなくて…。中学三年生なら色々あったんですよ。盲腸で手術とかしたし。中学二年生のときが楽しくなかったとかそんなことは決してなかったんですけど、好きだったものとかが本当に思い出せなくて。なかなか苦労しました。

  でも掘り下げていったら、私サボテン好きなんですけど、サボテンとの出会いが中学二年生だったってことに気が付きました。ただちょっと正当なルートではなくて、というのが、あたしンちって漫画ご存知ですか?あの漫画の中にサボテンにはテレパシーがあるって話があるんですね。まあその話の内容は買ってきたサボテンを捨てろという母に対し、「サボテンにはテレパシーがあるのにそんなこと言うなんて」というようなことを主人公が言ったら、本人はちょっと迷信を言っただけだったのに母がめちゃくちゃ本気にしてしまう、というクスリとしてしまうような話なんですが、当時それを読んだ私は「サボテンにはテレパシーがある」ということが苛烈に印象に残ってしまって。そして気が付いたらサボテンのこと好きになってしまっていました。

  今日この話をしていなかったら、なんとなくサボテンが好きっていうだけで明日も過ごしていたと思うし、まあそれでも特になにも影響はないんですけど、でもなんというか、自分自身をここまで構成してきたものが一体いつ誕生したのかって振り返ることができたの、なかなか貴重だったなって思うんです。

  誕生日を迎えたらまた一つ年を重ねるわけですが、私がここまで生きてきた中で絶対何かに影響を受けているんですよね。思い出せないだけで。自分を見つめ直すってことをあまりしてこなかったので、本当にいい機会でした。


  帰り道ばいばいするときにかなみちゃんに「帰ったらご飯とかあるの?」って聞いたら「もうこの時間にはなにも食べないなー」って言ってて。夜遅くに食べるということがそもそもダイエットする人間として間違っていたなと思いながら帰ってラーメンを食べました。スラムダンクの安西先生もびっくりするほど何も成長していない。

  っていうか気づいたけど、もしかして杏露酒って太るんじゃね?果実酒だし…。もう飲み切ったので後の祭りです。

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