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「個展に来てね」と言えないから、noteで個展を公開します。

2020年3月10日から 東京の神楽坂にある、かもめブックス内のギャラリー ondo kagurazaka さんで個展を開催しています。会期は3月29日までの予定でしたが、次の展示が延期になったため、4月15日までご覧いただけるようになりました。とはいえ数週間でこの状況が終息に向かうとは考えにくく、でもせっかくなので一人でも多くの方に見てもらいたいと思い、noteでも並行して個展(のようなもの)を開催することにしました。

初対面の人に自分から話しかけるのが死なない程度に苦手で、ギャラリーにいてもお客さんとろくに話もできない私にとって、ネットの方が多くの言葉を伝えられるかもしれません。​

1.なぜ「動物園」?

とある公募展で賞をいただいたのをきっかけに、イラストレーターとして活動を始めました。シロクマを描いたその絵は、描き終えたときに手応えを感じた数少ない絵でした。動物の毛並みを描き込む作業は、2時間が2分に感じられるほどに濃密で愉しく、私は動物を好んで描くようになりました。

動物を観察するために動物園へ行くことが多くなり、遠方の動物園にも足を運ぶようになりました。
描きたいと思う対象と向き合い、カメラを構えてじっと待つ。
そのときに湧き上がる自分本位な感情と向き合うなかで、次第に動物の気持ちを想像するようになりました。

どんな気持ちで獣舎の中にいるのだろう。
どんな環境にいるのが幸せなのだろう。
そもそも幸不幸という考え方をするのだろうか。

言葉が通じる人間の気持ちすら分からないのに、動物が何を考えているかなんて分かりようがありません。
ひとつだけ確実なのは、動物園が身近に無ければ、このようなことは考えもしなかったということです。

今回の展示では、私が動物園で出会った動物たちを描きました。
塗りつぶされた背景を想像しながらご覧ください。

2.展示作品

ギャラリーには手描きの原画を展示しています。動物は木炭、背景はアクリル絵具で描いています。

ボルネオオランウータン」(530mm×727mm)
多摩動物公園で出会ったボルネオオランウータン。毛むくじゃらのおじいちゃんのよう。丸い背中が愛おしい。
2オラン

「ニホンリス」(297mm×420mm)
井の頭自然文化園で出会ったニホンリス。フェンスで囲われた”リスの小径”に入ると、隔てなくリスを見ることができる。動体視力が試される。2リス

「ニシローランドゴリラ」(652mm×530mm)
サンフランシスコ動物園で出会ったニシローランドゴリラ。人間世界でこんなに温かくて貫禄のある雰囲気の人に会ったこと無いかも。
2ゴリラ


「インドゾウ」(364mm×515mm)
よこはま動物園ズーラシアで出会ったインドゾウ。もっと高くまで足が上がっていたことを名誉のために記しとく。
2ゾウ


「ヒガシクロサイ」(364mm×515mm)
上野動物園 で出会ったヒガシクロサイ。恐竜みたいな容姿を眺めていると、太古の昔に思いを馳せることができる。2サイ

「ホオジロカンムリヅル」(420mm×297mm)
東山動植物園で出会ったホオジロカンムリヅル。赤の差し色が映える美しい立ち姿。優美な四白眼。
2トリ


「ホッキョクグマ」(530mm×652mm)
上野動物園で出会ったホッキョクグマ。地上を歩く姿も水中を泳ぐ姿も見ることができる。水中にたゆたう大きなおしりを眺めているとほっこりする。
2クマ


「マゼランペンギン」(297mm×420mm)
サンフランシスコ動物園で出会ったマゼランペンギン。一人の飼育員が個体識別番号を読み上げ、もう一人がそのペンギンの口に魚を突っ込んでいた。食べたい時に食べたいなと思った。2ぺん

3.DM

できることはなるべく自分でしようと思っているけれど、ここぞという時は信頼できる方にお願いしている。絵の良し悪しは置いといて、このDMは心の底から気に入っているので、褒められると素直に嬉しい。

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4.グッズ

トートバッグ
自分で刷りました。刷っている様子はインスタで。最後の最後で気が抜けて、足が幽霊になってしまったバッグは自分で使います。



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缶バッジ
こだわりのマット仕様。白・黄・水色の3色展開。白が一番売れると思ってたくさん作ったのに、在庫を確認した3月下旬時点では白が飛び抜けて売れていない。なぜだ?

バッジ

5.完全なる蛇足

もし私がペンギンで、動物園に住まなければいけないとしたら、ロンドン動物園に住みたい。

ロンドン

もし私が人間で、お気に入りの動物園を挙げよと言われたら、夏のベルリン動物園を挙げたい。

ベルリン



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