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第5章 浄化の後に残ったもの
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こちらの記事は、連載です。
先に以下よりお読みください。
NY滞在期〜過去を振り返る[無料記事]
第1話 自分に本気で向き合うことになったNY[無料記事]
第2話 泣いてばかりいたNYの冬
第3話 喜怒哀楽のバランス欠如
第4話 「哀」の感情の根幹
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ごめんなさい。
と、ずっと罪悪感を抱えてきて、
泣いて泣いて泣いていた先に、
精神構造上の潜在意識の層に、
私が持っていた人生の「コンテクスト」※が
見えてきていた。
※人生の背景、とか人生に付けた意味、
人生を送る際の、根本思想みたいなもの。
私のような「卑怯者」は幸せになってはいけない。
という罪悪感と
こんな家族に生まれたから、私の人生は最悪なものになった。
という被害感情とを
無意識のうちに採用していたのだ。
これじゃあ、自分で自分を
苦しめるわけだよ…!!
・・・・・
哀しみを吐き出して吐き出して
浄化が進んできたときに
ようやく景色が視界に入ってくるようになった。
それまでも、
NYという街は、刺激的で
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27057117/picture_pc_2be6f6736c209a1762f4bab18ba42f2d.jpg?width=800)
センセーショナルで
インターナショナルで
エキゾチックで
長期で滞在したからこそ分かる
NYの独特の、麻薬的な魅力を
存分にわかっていたつもりだった。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27057131/picture_pc_68181780967f8254a4c8f518ab8b4b52.jpg?width=800)
でも、これまで封じていた
「哀」の感情を、
これでもかと解放していた後に
目に見えた景色は、
全く新しく、美しく見えたのだ。
こんなに世界は綺麗だった?
こんなに世界は優しかった?
こんなに世界は柔らかかった?
ハドソン川に差し込む朝日
NY5番街のビル群の間から見える夕陽
先進的なアート街チェルシーのカフェ
ブルックリンビレッジ越しのNYビル群
街の中心にそびえ立つエンパイアステイトビル
NYを見守る自由の女神
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27057149/picture_pc_73b04c7b8963886a7a82d9af806cfd9e.jpg?width=800)
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27057370/picture_pc_f76fe5db29e4932d499fd9b5c32b3b76.jpg?width=800)
全部全部全部
見馴れていたはずなのに
今度は、
今まで気づかなかった
世界の奥深さと美しさに感動して
涙が溢れる。
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27057176/picture_pc_efe3f263c29b4e28177085f78315ca90.jpg?width=800)
仲間がいてくれること、
人の優しさに感動して
涙が溢れる。
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27057192/picture_pc_7306784154261ab93a77ab8ee17e36d6.jpg?width=800)
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27057219/picture_pc_22897e4950bd1e97537aa0b6c8bb4cba.jpg?width=800)
私は、「哀」を閉じ込めることで、
他の感情の幅も、
封じてきたのかもしれない。
世界はこんなにも慈しいなんて知らなかった
世界はそれまで
敵はがりで、信じがたく、
大切なものは
いつか離れていなくなるし
生まれたいなんて思って生まれたわけもなく
いつのまにか生を受けていた
生きなくちゃいけない
なぜ、生きなくちゃいけないの?
という世界が
こんな美しい世界を体験したい
もっともっと世界の素晴らしさを知りたい
生きていなければ
生まれてこなければ
こういう感情さえも感じることはなかった
こんな景色に出会うこともなかった
この素晴らしい世界の美しさを
伝えずには死ねない
生きる目的を明確にできたのも
NYという街と出逢いだった。
あの時、NYに行かずに
感情に蓋をしたまま生き続けていたと思うとゾッとする。
感情を剥がすだけに
自分という本質に向き合わせる街。
自分に嘘をついていては、生きられないのだ、と
身を以て体験した数ヶ月。
本質的に生きること。
自分に正直に生きること。
そのことのきっかけは、全部、この街が与えてくれた。
![画像8](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27057289/picture_pc_fb45bfbf22a89d135115f8443557b520.jpg?width=800)
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