死の悲しみで憎しみが消えない訳ではない。

おはようございます、こんにちは、こんばんは。
今まで色々な母エピソード(ランドセルやガラスコップ投げつけられたり、竹の長い定規の先が割れるまで叩かれるなど、新たな母エピソード追加。)
を紹介していきました。(カッコ内今だと虐待ですね…。)
そんな母と共に生きていく中、突然の別れがあったのです。

著者が高校生になり新たな生活にも慣れ始めた頃、母が珍しく先に眠っている間、父から、

「お母さんは乳癌になった。ステージ4で来年生きているか難しいかも知れない。」

乳癌?ステージ4?来年生きているかわからない?

大きな病気1つもしない健康な母だったので、何かの冗談かと思いました。
ですが、父の真剣な表情を見て、本当の事なんだ。
あんなに憎んでいた母ももしかしたら永遠に居なくなってしまうかも知れない。
嬉しい様な悲しい様な複雑な気持ちになりました。

そんな母は手術で片方全摘手術を受け、化学治療をし、なんとか一年生き延び、転移もなしでした。
ですが、数週間経った際、脳に転移しました。
脳に転移した癌はあまりに大きく手術で摘出は無理でした。
脳の癌は放射線治療で出来るだけ小さくする事しか出来ませんでしたが、いつの間に癌は消えたのです。

しかしそんな母の運も尽きました。
肺や骨、脊髄まで転移したのです。
手術は絶望でした。取っても意味が無い。
モルヒネを使用し痛みを和らげる治療をするしか選択肢が残されていませんでした。

そんな母は著者が高校2年生の夏に亡くなりました。

母が亡くなった直後、涙は流れませんでした。
葬儀の際やっと涙が流れたのと同時に悲しいよりも先に、やっと母の呪縛から開放される。
自由に好きな事を出来る。
酷い娘だと自分でも思います。
ですが、長い長い母の引かれたレールの上しか歩けなかった人生だった私にとっては大きな転機だったのです。

母を亡くした後、母との関係が全て終わる。
そう当時は思い込んでいたのです。

次回に続く…。

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