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乳がん日誌1<健診~精密検査への道>

~健康診断~

2022年1月某日、1月末で退職ということもあり、「そういや今期健康診断やってなかったな…一応やっとくか」ぐらいの軽い気持ちで当時の会社で加入していた健康保険組合の健康診断を受けた。

東京から地方へ移住後であったため、健診センターは今まで受けていた大きなものではなく、地域の婦人科系に強い病院内にある小さな健診センターだ。エコーやマンモグラフィーなどは病院の設備を使って行うため、技師さんは健診と通常の検査で忙しそうに動き回っていた。
実際、私がマンモグラフィーと胸部レントゲンを受けた際には技師さんがおひとりで対応しており、聞くと2名体制ではあるがもう一人はちょうど検査後の患者さんのフォローに回っているらしい。
大変そうではあったが、慌ただしいながらも丁寧に撮影してくれた。

さて、2週間ほどたった2月の初旬。
健診結果が届いた。
ここ10年ほど、多少胃のポリープなどは発見されたものの、健診結果といえば毎回変わり映えのしないものだった。
今回もきっと同じだろう。
コレステロールがちょっと怪しいかな。と最近太ったことでひっかかりそうなものを想像しながら封をあけたところ、「精密検査」の文字が。

【左乳房に石灰化 受診して精密検査を受けてください】

石灰化…ってなに?
恥ずかしながら今まで健康の上に胡坐をかいていた私は石灰化どころか病気についての知識が乏しかった。

早速検索してみる。

石灰化とは、マンモグラフィで白い粒のように映る影で、カルシウムが沈着したものです。石灰化は良性(がんではない)でも悪性(がん)でも生じますが、小さいものがたくさん集まっている場合は悪性が疑われます。

監修:大谷しょういちろう乳腺クリニック 院長 大谷彰一郎先生(元広島市立広島市民病院 乳腺外科)

乳がんjp https://www.nyugan.jp/faq/screening/calcification/

おっと、これは乳がん?乳がんということでよろしかったですか?

小学生の時に母が乳がんで片方全摘出(※1)しているので、私にも妹にも出る可能性はあるなと覚悟はしてたものの…。

「かもしれない」でショックを受けていても仕方がないので、健診を受けた病院へ再度赴いた。が、その病院には外科がなかったため、たまたま昨年妹が石灰化疑惑(※2)でお世話になった先生宛の紹介状を書いてもらう。
健診からはひと月が経過していた。

~再検査~

翌週、検査の予約が取れたので早速病院へ向かう。
東京にいたときは「病院へ向かう」には電車で30~40分、近ければ徒歩で10分。
現在はといえば、医療体制がしっかりした病院へ行くには車で1時間30分~2時間はかけていくことになる。
今回お世話になる病院然り、前出の健診センターも然り。
過ごしやすいけど年寄りにはこういうところが厳しいな…と、地方の医療格差をばっちり肌で感じつつ、病院へ向かった。

受付を終え、乳腺内分泌外科のエリアで待つ。
新しくきれいな病院だし、評判もよいのか多くの人が私と同じように順番を待っていた。
診察の前に再度マンモグラフィーとエコーを取りましょう、と検査室に案内される。
マンモグラフィーもエコーも健診センターと比べるとずいぶんと仰々しい。なんだか頼もしい感じがする、が問題の石灰化した何某かがある左側のエコーはちょっと時間がかかった。

さて、いよいよ診断。
先生は話し方が柔らかく、かつ非常にわかりやすい。
この段階では「かなり小さくて良性だと思うので、経過観察ですね」という展開を勝手に想像していたが、実際のところ結果は「良性とは言い切れないので精密検査しましょう」だった。
検査は1週間後、その前に検査のための検査をする必要があるとのこと。
目の前で次々と日程と段取りが決まっていく。たぶん大丈夫だと思うけど的な空気が感じられない(私の緊張もあるのかもしれないけども)。
おっと、これは…もしや…?とほのかに嫌な予感がした。

~そして精密検査へ~

※1 母は健在です
※2 妹は何事もなく


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