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51 バグダッド • カフェ

話には聞いてたけど、良い映画でした。
これはネタバレというかおおまかなストーリーは知っててたけど、大体の内容を知っていることと実際に観ることの間にはやっぱり天と地ほどの差がある。

ジャスミンとブレンダが仲良くなることもわかってていても、ブレンダは怖かった。
常に不機嫌でぴりぴりしていて、肩をいからせて歩き誰かを怒鳴る。
怖いよ…そりゃお客さんも寄り付かないよ…
初対面の二人のシーン、旅先で夫に置いていかれた白人の大柄の女と夫に出ていかれて憔悴し涙している黒人の女が出会うシーン、ジャスミンが顔の汗を拭いブレンダが涙を拭うっていう二人が同じ仕草が面白かった。

冒頭、夫に対しては口は悪いし言いたい放題だったけど、カフェに来てからは無口なジャスミン。
わかる…
夫には要らない一言言ってしまうのわかるよ…反省…
カフェではブレンダに怪しまれているのはわかっているだろうに、話せばそれなりに同情してもらえそうなのに、自己弁解はしないジャスミン。
勝手に掃除してブレンダに怒られたけど、「客商売なんだから掃除ぐらいまともにしろよ!F○○○!」言い返してもいいのに(良くない)、「働きやすくなると思ったから」とそれしか言わない。
私の見たネタバレサイトには「最初ブレンダとジャスミンは折り合いが悪く…」とか書いてあったけど、ブレンダが一方的にジャスミンを毛嫌いしているんです。
異国でひとりぼっちで宿泊先の主人にひどいことまで言われたら、私なら泣いちゃう…
でもジャスミンは全然へこたれない。

彼女は子供が好きなんですね。
フィリスに服を貸してやり、サロモのピアノに聞き惚れる。
そう!サロモのピアノにうっとりと目を閉じるジャスミンを見つめるコックスがよかった!
彼女の見惚れて椅子を持ってどんどん近付いてくるコックス。
たぶん美しいなと思ったんでしょう。
美しいなと思うと、絵描きは絵に描きたくなる。
そしてジャスミンに恋をする。
人が恋に落ちる瞬間ってもう微笑ましくて大好き。

コックスの描く絵のモデルをすることになったジャスミン。
初めは出会った時のかっちりとした服装で緊張した面持ちの彼女なんだけど、それがだんだん服装も崩れだんだん露出が増えていき、彼女の表情もどんどん柔らかくなる。
あの変化が好きだった。
この映画でこの二人の関係が一番好きだった。

ブレンダとの仲はけっこう劇的に好転したように見えたので、もっとじっくり焦らしてくれてもいいのにと思ったり。
いや、でも本当に急な変化だったのかもしれない。
フィリスとサロモが目をまんまるにしてたし。

ショーのシーンはさすが女優さん、とても華やかでした。
サロモが楽しそうにピアノを弾いていてよかった。
ブレンダがめちゃくちゃ歌が上手くてびっくり。
思えば夫の荷物を持ってこなければ、ジャスミンはマジックをすることなかっただろうに、そこは運命ですね。
彼女はマジックで運命を切り開いていった。

ラストのコックスのプロポーズ…
不器用だけど一生懸命で悶えた。
おまけに彼、何持ってるのかと思ったら、ジャスミンがモデルをする時に使ってたふわふわ付きのピンヒールを胸に抱いて話すのよ!
かわいくて悶絶しました。
きっと答えはイエスだったはずです。

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