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50 ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密

やっと50本目…!
今年中に100本の目標はとっくに諦めてるけど、できるだけ観ていきたいです。

これは…もうね。
私はミステリーをこよなく愛する人間で、本はほぼミステリーしか読まない。
映画はもう少し幅広く観てるつもりだけど、「名探偵」に「館」なんてワードが出てくるなら間違いなく観ます。

館の主人が誕生日パーティーの当夜、自殺に見せかけて殺される。
パーティーの最中に主人と言い争った人間は四人、その日出席していた家族の全員に主人を殺害する動機がある。
そして開封された遺言書の驚きの中身とはーー

とか書くと、完全にジャパニーズ古典ミステリーですが、舞台は現代のアメリカです。
確かに古典ミステリーの匂いはします。
だけど主人の担当看護師、マルタちゃんのキャラクターがかなり斬新。
彼女は嘘をつくと嘔吐するという体質の持ち主。
文字通り嘘がつけない。
私も嘘が苦手な方だからなんとなく気持ちはわかる。
体に拒否反応が出るんだよね…
嘘をつくって嫌なもんだ。
吐きはしないけど。

正直でいざるを得ないマルタちゃん。
主人の死に関わっていることをなんとか探偵にばれないように工作してしまう。
観てるこっちはマルタが善人だってわかってるから追い詰められる彼女を見るのが辛かった。
おまけに遺言の中身、主人は彼女に全財産を譲ると書かれていて、家族のみんなから責められ罵詈雑言を浴びせられ…
あのシーン、人間の醜さが全開で良かったです。
普段家族はマルタに親切にしてあげていて、主人のハーランが亡くなっても面倒を見てあげるよ、と聖人面していたんですね。
それがいざ遺産がマルタのものになると知ると、見事な手のひら返し!
醜い生き物…人間って…
下手に出たり取り入ろうとしたり、まあいろんなことを考えるよね。
ハーランも少しひどくないか?
こんな遺言を残せばマルタがひどい目に遭うってわかってただろうに。
呪術廻戦の禪院家を思い出しちゃったよ…

こうなると元々相続人から外すと言われていた孫のランサムがいいやつに思えてくる。
私はこの脚本の通りに騙されてドキドキしてました。
マルタと同じようにランサムを信じて、彼が極悪人だと知ってびっくりした。
ランサムが家族を嫌いなのは本当だろうけど、それ以上に遺産は欲しかった。
家族でもない、アメリカ人でもないマルタに渡すことは許せなかった。
結局嫌いな家族に囚われていて愚かだなぁと思います。

フランが生きていると嘘をついたマルタ。
吐くのを我慢して、ランサムの自白を引き出して…よく頑張った。
彼女が体質的に嘘がつけないと思うと、彼女の言葉は真実だと思い込みが発生するわけで、一芝居うてば一時だけでも真実にしてしまうことができる。
それからフランを助けようとするシーン…
普通なら逃げるところだよ。
マルタはどこまでも善人です。

謎解きはせずにただ純粋に観たので面白かった。
考えだすと、ああやっぱりそういうオチかってわかっちゃうこともあるからつまらない。
騙されたい。
騙してください。
ランサムの「CSI: KFCかよ」ってセリフがあったけど、あれはブランの南部訛りを茶化してたの…
私、この映画観る前にCSIマイアミ見てたからちょっとドキッとしたよ。

とにかくマルタちゃんがハッピーになれますように、そう願わずにはいられない。






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