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特捜部Q Pからのメッセージ

風邪ひきました。
ほとんど家から出てないのになぜでしょう。

『特捜部Q』シリーズ三作目、観ました。
偉そうにレビュー書きます、なんて言うのはどうかと思うけどまた書いていきます。
映画鑑賞始めて一年未満なので私のようなものが書いてもいいものかと思いつつも書きます。
書いたことで一つの作品を消化できるような気がする。


今回は宗教のお話。
カール、そろそろお仕事馴染んでるかなと思ったら休職してました。
(本当に面倒くさい人。)
そして二作目に出てきた猫がいない。
誰かに引き取られたのかな。

何度も何度も出てきた黄色いお花畑の中にある平家のおうちのカット。
本当に絵になって素敵でした。
薄い水色の空と黄色、ベージュの外壁、おまけにおうちのドアの色は緑!
おしゃれー♪
そんなかわいいおうちに住む子供達が恐ろしい人間に狙われてしまう。

結局犯人の動機自体は宗教絡みというよりはアンチ宗教。
信仰心の厚い人を苦しめてやりたいという気持ちから犯行を重ねていった。
神はいないということを思い知らせたかった。
それこそが犯人の宗教なのかなとも思いました。

そして宗教に関してはカールはすごいこと言うなと思いましたよ!
台詞は正確には確認できないけど、「宗教を信じることは一過性の悪習で、喫煙や同性愛と同じだ」とか言ってませんでした??
すごいことを言うというか、作り手側が言わせたんだよな。
日本みたいにクリスマスをエンジョイした後に神社や寺に初詣に行く国民性でもないだろうに、主人公に随分過激なことを言わせて…
カールが言うことは極端過ぎるし私には信仰、同性愛にも偏見はありません。
だけど作り手側の姿勢としては好感が持てた。
全方位に媚びる必要はないと思う。
カールという人間を表現するには必要な台詞だと思いました。
カールのアサドへの評価も垣間見えた。
「君のように頭の良い人間がそんなものに頼ることが理解できない」って。
カールなりにアサドの仕事ぶりは評価していて、彼が目に見えないものを信じることが本当に不思議だったんでしょう。
宗教に関して違う考えを持つ人間はわかり合えないと私は思う。
だから宗教戦争が起こるし、どちらが正解とも言えないから解決できずにこじれてしまう。
今まで穏やかだったアサドがここではカールにはっきりと反発する。
この作品で一番興味深いシーンでした。

もう一つ印象的だったのは、イーリアスが異教徒のアサドを拒絶するシーンと亡くなる直前のイーリアスがアサドの手を握るシーンの対比。
本当になんとなくですけど、死を目前にしてイーリアスは神の存在を理解していたように見えました。
本当の神様は宗教の違いを超えて、すべてを超越したところにいるのかもしれません。

子供が死ぬところはたとえ映画でも見たくないから、助かってくれて本当によかった。
カールは人を助けるためなら自分の命を投げ出す覚悟のある人だということがよくわかった。
カールが他人の命を救うことを犯人は信仰だと言っていたけど、確かにその考えもありかもしれないと思いました。
何の神を信じるか、それだけが宗教じゃないのかもしれない。
うーん、深い。

それにしても、黄色いお花畑に囲まれた一本道を白のBMWのコンバーチブルで疾走するシーンも絵になってたなぁ。
まあ、カールが攫われていく場面なんだけど。
海に浮かんでいるように見える船小屋も写真撮りたくなっちゃうよ。
今回は視覚的にも美しい描写が多かったような気がする。
単に好みの問題かもしれないけれど。


私はこの三作目が一番好きです。


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