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過去のコラムにみる「異常気象と食料供給の深刻化」

 気象庁は6/9、「エルニーニョ現象」が発生しているとみられると発表しました。「エルニーニョ現象」が起きると日本では冷夏になると思われていますが、地球温暖化に加え、今冬の「ラニーニャ現象」の影響で日本付近は暖かい空気に覆われやすいことから、今夏は高温傾向が続き、降水量の見通しも平年並みとみています。
 日本で「エルニーニョ現象」が発生するのは、2018年秋~19年春に観測されて以来。当時の食のトレンド情報の「himeko’s COLUMN」を読み返すと、18年9/25のコラムでは、9月に入り曇りや雨の日が多くなり、野菜が高くなるのではと心配し、前年、秋の長雨と台風の影響で葉野菜の価格が高騰。リンガーハットが“ちゃんぽん”を値上げ、サラダクラブも品薄状態で値上げせざるを得ない状況であったこと。一昨年も、同様であったため、“異常気象と野菜の価格高騰の常態化”を嘆いています。同年12/17のコラムでは、秋に入り気温が高い日が続いたため野菜の成長が早く、鍋野菜の価格は安くなっていたのに、12月に入っていきなり気温が下がり、一転、低温と大雪による鍋野菜の高騰を懸念しています。
 その前は、14年春~16年春。14年5/26のコラムでは、「メニュー提案、販促案に【季節×気候×経済】の方程式を」のタイトルで、5年前、09年8/10のコラムを紹介。天候不順で、卸値が倍以上になっている野菜もあること。折しも、前年秋にはリーマンショックが発生。高騰した鍋野菜には手を出しづらく、節約志向が充満した家庭の食卓には、価格が安定している根菜を使った「カレー鍋」や「トマト鍋」が上ったとあります。〆の文章は、“【季節×気候×経済】の(中略)考え方は、気候変動が年々激しくなり、加えて食料連鎖も経済状態も国家間の関係を無視しては成り立たない今、ますます重要なのではないでしょうか”。
 このときから14年。線状降水帯発生による大雨や、すぐに巨大化する台風やハリケーンによる洪水。干ばつや熱波とそれによって発生する山火事、寒波による大雪被害などの気象現象に加え、ウクライナ危機がもたらした食品価格の高騰、アジア各国の経済発展よる食料の争奪戦などなど。食の供給を取り巻く環境はますます深刻化しています。

【食のトレンド情報  vol.920 2023年6月19日配信分】


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