米国で拡がるか“日本式”コンビニ
セブン&アイ・ホールディングスは6/26、米国のガソリンスタンド併設型コンビニ「スピードウェイ」の買収について、米連邦取引委員会の同意命令案が承認されたと発表しました。2兆円を超える大型買収。成長戦略の核に位置付ける米国事業への投資が本格的に始まります。
米国でハイウェイを走っているとガソリンスタンド併設のコンビニを至る所で目にします。コンビニと言っても、日本のそれのように明るくて清潔で見やすくて買いやすくてお弁当やサンドイッチがおいしそうで、新商品も揃っていて、調味料も冷凍惣菜も充実していて・・・という存在ではなく。あくまでも私の印象ですが、暗い雑貨店のような空間に、質素なハンバーガーやブリトー、パンがおいしそうに見えないサンドイッチ、フレッシュ感がないサラダ、ピザやホットドッグ、バッファローウィング、チョコレートソースがたっぷりかかったドーナツなどのジャンクフードが雑多に並べられている。ガソリンを入れるついでにちょっと寄ってガムかチョコバー、飲料水やタバコを買う、小腹が空いていたらホットドッグを買う。そんな感じです。日本のように、ランチの弁当やスイーツを買いになど、目的を持って行く存在ではないように思います。
そんな米国のコンビニ市場でセブン&アイ・ホールディングスがチャレンジするのが、“日本式”の展開です。日本の食品メーカーにも協力を仰いで、米国に食品工場を設置。PB商品を開発し、売上高に占める食品構成比を高める計画です。
脱炭素社会の流れはガソリンスタンドの経営にはマイナス要素ですし、米国では大型食品スーパーも参入してECが小売市場を席捲。小型店舗ではアマゾンゴーが無人化を進めています。決してラクではない戦場で、“日本式”が武器になるのか。今後が楽しみです。
【食のトレンド情報 vol.824 2021年7月19日配信分】
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