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犬が私たちに教えてくれること:「でっかくなった赤い犬」

ず~っと、「繁殖屋けしからん!」、「ペットショップちゃんとしろ!」ってことばかり書いてきたので、たまには楽しい話題を ^_^  ペットショップ運営企業には、もう1つ新しい問題も感じますが、それは次回に👊

でっかい子犬の映画

でっかいワンコが出る映画を見に行ってきました。3メートルの赤い子犬がニューヨークの街を走り回る「でっかくなっちゃった赤い子犬 僕はクリフォード」という映画です。(↓公式サイトのスクショ)

スクショ

アメリカの児童文学作家さんが書いた絵本が原作だそうです。ヒトとワンコの絆が描かれていて、みなさんも共感できると思います。それから、「ほかと違う」ということを尊重する姿勢がテーマで、よく言われる「多様化」の大切さをあらためて考えるきっかけにもなりました。

大きく強くなりたい

学校でいじめにあって孤独を感じていた女の子、エミリー。彼女は保護動物のテントで、不思議なおじいさんから「ものすごくちっちゃい」赤い子犬を紹介されます。

「愛情の分だけ大きくなる」と言われたその子犬に、 "クリフォード" と名付け、

「2人とも大きくて強い存在になり、誰からも傷つけられませんように」

と願いながらエミリーは眠りにつきます。

スライド2

翌朝目を覚ますと、クリフォードは3メートルに巨大化!規則にうるさい管理人から隠れたり、動物を大きくすることでお金儲けをたくらむバイオテクノロジー企業に狙われたり。ニューヨークの街を駆け回ります。

スライド1

エミリーとクリフォード「ふたり」の間に存在する優しさや、動物が与える無条件の愛情が、だんだん地域の人たちの共感を呼びます。最後は、コミュニティを団結させる大活躍です。

大きくて赤い犬が象徴するもの

「他と違うことを嫌う」クラスの中で居場所がなかったエミリーは、クリフォードと出会って「何でもできるような気になれた」と言います。赤くて大きいことは、クリフォードが他のワンコと違うというのが表現されているようです。

スライド3

犬がキャラクターに選ばれたのは、無条件の愛の象徴らしいです。周りから奇異な目で見られ、行き場を無くしても明るさと優しさを失わない「でっかくて赤い子犬」。エミリーは彼から前向きな力をもらいます。

違いの尊重と愛情が生む一体感

この映画は、私たち飼い主が愛犬と接する時に役立つヒントも与えてくれる気がします。

「違い」を大切にしながら、
愛情をもって接することが
一体感につながる

という教訓かな。家庭犬も1頭1頭に個性がありますよね。いわゆる「しつけ」を含め、付き合い方は飼い主と犬によって違います。犬種でひとくくりにできる程、ワンコも単純じゃないはずです。

だから、こういう↓乱暴な考え方には賛成できません

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↑犬種で一括りにして、「ヤバい犬」とレッテルを貼ることが誰のためにもならないことは、様々に検証されています(もしご興味があれば、リンクを読んでみて下さい。海外事例ですが、法律や研究をご紹介しています)

犬も人も、みんな違っていい

「この犬種はこう」とか「犬はこうやってしつける」といった、画一的な考え方はうまく行かない場合もある様に思います。愛犬の性格を十分に理解して、その子と飼い主自身に合った関係性を構築することが幸せにつながるのではないでしょうか?(もちろん、すべてにおいて基本はあると思います。基礎はおさえた「その上で」という話です。)

で、期待通りの行動をとらなくても、「トイプーはこうあるはずなのに…」などと、悩む必要はないと思います。「ウチのコ」の個性を楽しみながら、お互いにストレスなく過ごす方法は必ず見つかります。

これ、「ちわぷーの姿をした喜怒哀楽のかたまり」ひめりんごから学んだ実体験に基づく感想です。(↓父ちゃんには毎日見せる「怒」の表情)

チワプー

使役犬も個性の尊重から

ちょっと話がそれますが、介助犬や盲導犬、麻薬探知犬など「使役犬」と呼ばれる犬たちに会う機会がありました。

訓練中の麻薬探知犬候補犬

(↑麻薬犬の訓練は「ゲーム」を楽しむ感覚)

役割は違うワンコたちですが、訓練士のみなさんの姿勢が同じだったのが印象的でした。常に、

1頭1頭の個性に応じて、
もっとも適した方法
向き合い方を変える

特に「補助犬」の場合、訓練後に実際に盲導犬や介助犬になるのは3割くらいだそうです。そのほかは、適性に応じて広報活動をする「PR犬」になったり、病院の小児病棟などで「付添犬」として活躍したり。一般家庭で暮らすコもいます。

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(↑大好きなハンドラーさんを見つめるPR犬)

訓練の方法だけでなく、進路も「その子その子」に合うものを慎重に選択するそうです。できるだけ「楽しい」と感じられる犬生を過ごせるよう、担当の皆さんはとても気を遣っておられました。

で、結局、

ワンコが楽しければ
期待された作業(=お仕事)の
質も高くなる

という良い循環です。

動物が人間に教えてくれるもの

さて、映画の話に戻ります。監督さんは、動物と人間の愛情を

「ちょっとした魔法」

と表現しています。

人間とペットの間の愛情は本物で、素晴らしく、魔法のようなものだ。もし僕たちがそれを捉えて世界中に広めることができれば、僕らは大きな進歩を遂げ、より良い場所を作り出すことができるだろう。

いつもそばにいてくれるワンコたちは、色々なものを私たちに与えてくれます。癒しや温もりはもちろんですが、「多様化の尊重」という、とっても社会的な面でも、犬は人間の先生になってくれそうです。

そんな「ちょっとした魔法」、愛犬家以外のみなさんにも、是非知って頂きたいな~と思いました。

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実はウチにも、クリフォードがいます。「でっかくて赤い」わけではありませんが…。ひめりんご、見た目はぬいぐるみですが、父ちゃん(だけ)は何度も流血させられました… ^_^; それも、割と…痛い…。

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周りの皆さんのおかげで、今は平和です。お互いが、流血は避ける間合い(?)を学んだようで…。先生たちはチョット「?」って感じかも知れませんが、ひめりんごとの間に独自の関係性を見つけた父ちゃんは、とても満足げです…。

クセが強いので ^_^;
「唯一無二」とか言って
喜んでます

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そこまでの道のりも、いつかご紹介したいと思っています。

今回のキーメッセージ:犬も人も、みんなそれぞれ。ほかと違ったって良いんです。ワンコたちは、そんな多様性の大切さも教えてくれる先生じゃないかな、と思います。