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橘 美姫
2020年7月6日 00:17
マルデック星の記憶を見に行く。そう意図して目を閉じる。大きく深呼吸して、その記憶と繋がる。足元は砂。赤茶けた砂。真っ青な空。走っている。砂に足をとられながらも。乾いている。喉が、ひどく乾いている。体も。心も。転んで、砂の大地に両手両膝をつき、激しく口で呼吸する。苦しい。立ち上がれない。背中が痛い。もがれたか、折られたか、きっと翼の生えているべき場所。足元は裸足。真っ白な服。ヘ