見出し画像

【超ショートショート】(106)~変わり者の先生がいる高校~☆横浜合同演奏会(2019.9.16)☆

横浜のみなとみらいに新設された高校がある。

その高校には

変わり者の先生たちが4人いるという噂。

サーフィンをこよなく愛する国語の杉山先生。

生徒から信頼が熱く、学校が変わる度に、

赴任前の学校の生徒たちが署名活動までして、

引き留められるとても良い先生。

変わる者の先生の中で

一番の変わり者と言われている木村先生。

木村先生は常に謎めいており、

担当する授業のクラス毎に、

自分のキャラ設定を変え生徒を翻弄するという。

例えば1年1組のクラスでのキャラは、

木村先生の出身は福岡とあるのに、

3年3組になると出身は札幌に変わってしまう。

そして、

木村先生は担当のクラス毎に衣装まで変える。

2年2組での衣装が一番のお気に入り。

それは・・・

アメフトスタイルに

翼を付けた独特のユニフォーム。

ただ、このユニフォームには欠点があった。

それは、教室のドアを通れないこと。

そもそもアメフトのユニフォーム自体にも

フレームが入っており、

その上、

アメフトのユニフォームに見劣りしないくらいの

翼を付けてしまっていたためだ。

職員室では、

次にご紹介する根本先生が、

木村先生の翼の羽が空気中に漂い、

つい口に入り食べてしまうからと、

クレームを付けていた。

だが、木村先生はマイペースの頑固一徹

楽しさを追及するためだったら妥協はしない。

さて、そんな木村先生のマイペースを見守る

この学校の教頭であり、歴史担当の根本先生。

ちなみに、木村先生の担当は科学。

実験となると、

生徒を巻き込みコント仕様の白衣と、

科学者らしいかつらと牛乳ビンの底の眼鏡をする。

そして時々、

そのコントに根本先生も楽しく参加するから、

このふたりは一体

どういう関係かと噂になったことが、

赴任前の学校であったという。

その時の噂は、

研修で宿泊することになったホテル。

部屋数が限られていたため、

全員相部屋という話になった。

木村先生と根本先生は、

一番に相部屋になることを決め、

他の先生が見守る中、エレベーターに乗り込んだ。

その時、一人の女の先生が、

木村先生と根本先生が

手を繋いだ瞬間を目撃したと、

残された先生たちに戦慄が走ったという、

この程度の噂だった。

だが、木村先生と根本先生の

隣の部屋になった先生たちは、

翌朝、こう話したという。

「なんだか激しかった」と。

さてさて、その根本先生だが、

歴史の授業をさせたら日本一といわれる程、

話芸に魅力があり、

根本先生が担当したクラスの生徒たちは、

全国統一テストで歴史だけ、

いつもトップ100に入るという。

だから、全国の学校から

歴史の先生としてスカウトされるが、

根本先生は一教師として勤めたいと、

年俸1億円を出す学校もすべて、

スカウトを断ったという。

根本先生の趣味は音楽。バンドを組んでいた。

ある音楽仲間から、

凄いボーカリストがいると紹介された。

それが宮崎先生だ。

宮崎先生は体操や野球や剣道など、

子供の頃、運動を始めると、

どんな競技でもすぐに大会で優勝する天才。

その評判が評判を呼び、

高校の時の剣道大会で全国一を取った時には、

全国紙も取材に来るほどの注目の的になっていた。

宮崎先生の未来は有望と

大学などからスカウトされたが、

結局、父親の願いでもあった教師の道を選んだ。

宮崎先生は人当たりも優しく、

生徒からとても信頼され、

どんな相談事も全力で対応した。

また、こっそり女子生徒から

ラブレターをもらうこともあり、

特に木村先生は宮崎先生に嫉妬していた。

このような変わり者の先生が集合した新しい高校では、

どんな毎日が存在するのだろうか?

そのヒントは、4人の先生が作った校歌にある。

~~~~~
遠い昔のことさ 夢で見たんだ

若さだけ悔しくても遅れて

精一杯に咲いているのに理解者は少ない

せめてぼくらはずっと互いを 許して合い生きよう

不思議な横浜川柳高校の森へ

水のトンネル くぐるみたいで

おとぎ話 歌になりたいぼくらは

時を越えても 命の中にいる

いくつになっても 大器晩成

未だに夢を 追いかけ続ける

どんな困難でくじけそうでも

信じることを決してやめないで

この地球で生まれた不思議なもの

歌えばほら 想いはひとつになる
~~~~~

(制作日 2021.9.17(金))
※この物語はフィクションです。

今日のお話は、
2019年9月16日(月・祝)
パシフィコ横浜で開催された
『横浜合同演奏会』

この時の出演者は、
スターダスト・レビュー、杉山清貴さん、
KANさん、スペシャルゲストにASKAさん。

この4人を高校の先生という設定で
お話を書きました。
最後の高校の校歌は、
当日披露された曲の歌詞(※一部創作)。

歌詞の順番に紹介すると、
・『夢伝説』(スターダスト・レビュー)
・『さよならオーシャン』(杉山清貴)
・『桜ナイトフィーバー』(KAN)
・『世界でいちばん好きな人』(KAN)
・『うしみつジャンボリー』
(スターダスト・レビュー)
・『はじまりはいつも雨』(ASKA)
・『歌になりたい』(ASKA)
・『還暦少年』(スターダスト・レビュー)
・『愛は勝つ』(KAN)
・『愛の歌』(スターダスト・レビュー)


(ニックネーム)
ねね&杏寿
(旧ひまわり&洋ちゃん)
(Instagram)
https://www.instagram.com/himawariyangchiyan/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?