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【超ショートショート】(49)☆港に潜んだ潜水艇☆~辞令・小須田光良殿~

辞令

小須田光良殿
国籍不明の潜水艇への潜入調査を命じる。

20✕✕年7月22日

~~~~~~~

突然の辞令だった。
僕の仕事は、
一民間企業にも関わらず、
国家から依頼を受けた特殊調査をする。

これは、会社のごく一部の人間しか知らない、
極秘中の極秘のお仕事。

僕は、ベテランということもあり、
また例え、僕の調査がバレても、
相手方と仲良くなり、
何度も命の危機を回避できる得意技が、
会社や国家の高評価を得て、
さらに難儀なお仕事の依頼を担当することになった。

さて今回のお仕事は、
〈国籍不明の潜水艇〉

まず、調査内容は、
その1、国籍を判明されること。
その2、潜水艇は何のために、
この港に留まり続けるのか?
その3、国家を守るために、
その潜水艇を別の国へと誘導すること。

以上の3つの調査は、
今夜9時からの船上パーティーから始まった。


「あの、すみません。
招待状はお持ちですか?」

(小須田)
「あっ!(笑)。
(胸の内ポケットに手を入れ)あれっ?
おかしいな~、ちゃんと入れたはずなんだが(苦笑)」

「(怖い眼差しで小須田をにらみつける。)」

(小須田)
「(色っぽい声で)あん!
(ちょっとオネエ口調で)
うふふ、こんな所に入れてたの忘れてた私。」

そう話すと、小須田は、
Yシャツのボタンを外し、
胸に手を入れ、
女性用のブラジャーの胸の谷間から、
招待状を取り出す。

(潜入調査の相棒・発葉(はっぱ)清隆)
「何でお前、ブラジャーなんかしてるんだよ!
変なことして目立つなよ!(怒)」


何とか船上パーティーに侵入成功。
国籍不明の潜水艇に乗っているという
人物確認をするために、
発葉はワインを手に、
小須田はオレンジジュースを手に、
各テーブルへ挨拶するため、
まわり始める。

(小須田)
「あの~、ちょっと失礼しますね。
はじめまして、こんばんみ!
わたくし、笑う犬商事のパタヤという者です。
どうぞお見知りおきを!(笑)」

(国籍不明の潜水艇のリーダー)
「へぇ~、あなた、珍しいお名前ですな。(笑)
ご両親のどちらかが外国籍ですかね?」

(小須田)
「いやいや、お恥ずかしながら、
純日本人でございます。
ホォホォ(笑)。」

(国籍不明の潜水艇のリーダー)
「そうですか?じゃあなぜパタヤ?」

(小須田)
「それはですね。
パタヤビーチで・・・・・(笑)
その・・・・・(笑)
わたくしが・・・・・(笑)」

(国籍不明の潜水艇のリーダー)
「ハアハアハア!(笑)。
そういうことか(笑)。
思い出のビーチの名前ってことかね?!(笑)」

(小須田)
「へぇ~、そうでございます。(笑)。
母なんか、わたくしを呼ぶ度に、
思い出すらしくて、
いつも部屋着はビキニでございまして、
そのため、宅配便のお兄さんが来たら、
父が大慌てになりまして(笑)」

(国籍不明の潜水艇のリーダー)
「ハアハアハア!そりゃ一度見てみたいものだね、
君~(笑)。」


こうして小須田は、発葉の心配をよそに、
国籍不明の潜水艇のリーダーと友達になってしまった。


(発葉)
「何で友達になるんだよ!(怒)」

(小須田)
「ハアハアハア、君には、
この上級テクニックは分からないようだね。
敵というものは、
一見すると敵見えない所にいるものなんだよ。
コレ、ドラマの決まりごとじゃないか?(笑)」

(発葉)
「確かに」


小須田と発葉は、
国籍不明の潜水艇のリーダーの許可を得て、
潜水艇の乗組員とした働かせてもらうことに成功。

ふたりに与えられたのは、
乗組員の洗濯、掃除、食事の支度など、
家事全ての担当。

(発葉)
「何で家事担当なんだよ!
こんな所より、操縦室の方が情報を得やすいだろう?
オレ、嫌だよ!男の物洗濯するなんて。」

(小須田)
「君はまだわかってないな?
いや全くわかってないな!
君は潜入調査は何度目?
経験あるの?」

(発葉)
「なんだよ!偉そうに!
あるよ!19回!」

(小須田)
「ジュッ!じゅっ!19回!
それりょ~ベテランだな君。」

そう話すと、
小須田は乗組員の洗濯に取り掛かり、
一つ一つ誰の服かを確認しながら、
洗濯室に干して行く。

そして、次に、
乗組員の部屋の掃除。
隅々まで掃除機、水拭き、片付けをする。

1日目の潜入調査が終わると!
潜水艇を降りた。
リーダーとの約束事は、
仕事が終われば必ず帰宅することだった。

ふたりは、そのまま、
潜入調査隊の秘密の部屋へ戻ると、

(小須田)
「君、国籍が何処だったか?
わかったかね?」

(発葉)
「そんなもの1日で分かるはずがないよ!」

(小須田)
「僕は、もうわかったよ!」

(発葉)
「何処だ?」

(小須田)
「マオ王国だよ!」

(発葉)
「マオ王国?どこにある国だ?」

(小須田)
「マオ王国は、地球の地図には載っていない。
まぼろしの王国なのだ!(笑)」


小須田は、乗組員の身の回りの持ち物や、
服の素材、食べ物の嗜好など鋭く観察し、
マオ王国の人たちの特徴に合うことを発見。
最終確認は、リーダーと乗組員たちの会話が、
マオ王国独特の母国語マオ語だったのだ。

翌日、潜水艇に乗り込み調査を開始。
小須田の今日の狙いは、
調査内容その2
潜水艇がこの港に留まる理由の調査。


小須田たちは、
今日の予定されている、
操縦室の掃除と、風呂場の掃除に向かう。

操縦室には、リーダーがいた。

(小須田)
「おはようございます。」

(国籍不明の潜水艇のリーダー)
「あっ!おはよう。ご苦労様。」

(小須田)
「うふふ(笑)」

小須田は手早く掃除を終えると、

(小須田)
「リーダーさん!
奥歯が少し痛むのではないですか?」

(国籍不明の潜水艇のリーダー)
「えっ!何でわかったの?
そうなんだよ!奥歯の詰め物が外れたみたいでね、
少し痛むんだよ!」

(小須田)
「早く直した方がよろしいかと。(笑)」


小須田は不気味な笑みを浮かべて、
次の掃除場所、風呂場にやって来た。

(乗組員)
「これから掃除ですか?何時から入れますか?」

(小須田)
「あっ、どうぞお入りください。
わたくしたちは、皆さんの邪魔にならないように、
掃除できますから(笑)。
コレでも掃除のプロとして、
カリスマ掃除人として、
テレビに紹介されたこともあるんですよ!
あなた、ご覧になったことありませんか?
「イッテQ!」(笑)」

(乗組員)
「「イッテQ!」って、すごい昔の番組ですよね?
僕が生まれる前だから知らないけど、
母は好きでよく見ていたそうです。(笑)」

(小須田)
「そっ!お母さんがね~(哀)
まぁそんなことはどうでもいいから、
さぁお入りください。(笑)」

小須田は、乗組員の身体をジロジロ見ながら、
掃除を手早く済ませる。
その神がかった掃除の速さと正確さに、
発葉は驚きを隠せずにいた。


(発葉)
「小須田さんは何でそんなに掃除が、
的確で速いんですか?」

(小須田)
「お前はバカか!
ここに何しに来てるか忘れたのかい?
掃除に時間かけてる場合じゃないんだよ!
でも、今日は調査が終了しましたね!(笑)」

(発葉)
「まだお昼ですよ!
操縦室と風呂場を掃除しただけですよ!
それで何が分かるんですか?」

(小須田)
「うふふ(笑)」


2日目の仕事が終わり、
秘密の部屋へ戻ると、

(小須田)
「なぜ潜水艇がこの港に留まるのか、
分かりましたよ!」

(発葉)
「どこでわかったんですか?」

(小須田)
「君は潜入調査員としては、
まだまだ勉強が足りませんね!
今回の僕の仕事の足を引っ張らないでくださいね!」

(発葉)
「はい・・・・・(不満)」

(小須田)
「リーダーの奥歯に、
こう書いてありましたよ!
〈日本国の財宝を調査せよ〉と」

(発葉)
「日本に財宝なんて無いですよね?
そんな話は、
徳川埋蔵金でテレビで
やってたくらいじゃないですか?
本当にあるんですかね。
・・・・・それが、
この港に留まる理由?」

(小須田)
「あーあ、そうみたいだ!
昨日の夜調べたことだが、
マオ王国では、今未知ウイルスが発生して、
対外的には極秘事項だが、
もう何万人と死人が出ているそうだ!
そのウイルスと戦うためにも、
今はとにかくお金がほしいそうだ。」

(発葉)
「でもお金があっても病気は治らないですよね?
日本に相談して、治療薬をもらえばいいのでは?」

(小須田)
「そうなんだが、かつて、
日本に江戸という時代があった頃、
マオは地球上で一番文明が進んだ国として有名だった。
日本が江戸時代の頃には、
もうスマホが存在していたという。
りんご好きの少年を未来から呼び寄せて、
ちょちょいと作らせたのが、今のスマホらしい。」

(発葉)
「じゃあ、今もまた未来から呼んだらいいのに。」

(小須田)
「実は、そうもいかないんだよ!
マオ王国は、神と約束した、
未来との通信の事実の秘密を、
他国にマオ国民が口外してしまったんだよ。
それが元で、神がご立腹し、
とうとう地球の地図から姿を消されてしまって、
まぼろしの実在しない王国として、
今も伝えられている。」

(発葉)
「でも、マオ王国は存在する。
マオ王国を助けることって出来ないんですか?
僕いつかマオ王国のこの娘に会いたいんです。」

(小須田)
「(怒)何~!お前、何処からヌード写真を
盗んで来たんだよ!(怒)」

(発葉)
「いや~!よく見てください!
ヌードじゃあ無いですよ!
ここ、ほら、ここ。」

(小須田)
「どう見てもヌードだろう?
(もう一度、写真を見ると、)
おや!葉っぱ?(笑)」

(発葉)
「そうです。大事な所は葉っぱなんですよ!(笑)」


小須田と発葉は、
翌日、調査内容その3の調査をせず、
昨日までに判明した調査報告を、
国籍不明の潜水艇のリーダーに報告する。

(国籍不明の潜水艇のリーダー)
「僕らを騙していたんですか?」

(小須田)
「いえ、違います。
騙してはいません。
僕らは、マオ王国の力になりたいんです!
そこでご相談なんですが・・・。」

小須田は、日本とマオ王国のために考えた
究極の作戦をリーダーに話した。

(国籍不明の潜水艇のリーダー)
「分かりました。僕らは小須田さんを信じます。」

(小須田)
「ありがとうございます。
絶対、僕がマオ王国を助けます!」

リーダーと小須田は硬い握手を交わした。

そして、
小須田と発葉が潜水艇から降りると、
マオ王国の潜水艇として、
モールス信号を発信し続けながら、
潜水艇はマオ王国へ帰って行った。


翌日、
テレビ、新聞が大騒ぎ!
~~~~~
新情報!速報!スクープ!
まぼろしのマオ王国
地球に実在!

潜水艇からモールス信号を発信!
王国の場所も特定成功!
~~~~~

また翌日、
テレビ、新聞で、
~~~~~
マオ王国で未知のウイルス大発生!
死者数万に越える勢い!

世界中の国々がマオ王国を助けるために、
支援をはじめる!

ウイルスはインフルエンザに近く、
先行支援チームが早速患者に、
インフルエンザの治療薬を投薬。
劇的に熱を冷まし、容態も安定する。
~~~~~

それから1年後、
マオ王国の未知のウイルスは、
インフルエンザだったことが判明。

長らく地球の空気に触れていなかったために、
またまた調査に出た国籍不明の潜水艇の乗組員が、
日本から持ち帰ってしまったインフルエンザを
流行らせて、パデミックを起こしてしまった。


マオ王国は、
その出来事から、他国と頻繁に情報交換をし、
貿易や人材の受け入れを行い、
かつてのような時代の先頭を歩く王国へと、
急速に力を付けている。


さて、
マオ王国を助けた小須田と発葉の今は?

発葉は、
あのヌード写真の娘と結婚。
彼女は、実はマオ王国の王女。
王女自らあのような
葉っぱビキニのヌードを見せることが、
マオ王国では、
王子募集中のメッセージなのだという。

発葉は、こうしてマオ王国の皇子となり、
日本とのパイプ役を買って出て、
マオ王国を経済発展に貢献している。

そして、
小須田だが、
彼には、新たな辞令が出された。

~~~~~
辞令

小須田光良殿

マオ王国の地下に潜入し、
マオ王国を再び地図に載せるように、 
マオ王国を地上へ浮上させることを命じる。

20✕✕年7月22日
~~~~~

小須田には、
新たな相棒として、
ブラックヘルメットおじさんと、
ミル姉さんと、
ブルース・リーさんと、
さまーずの三村さんが仲間入り。

彼らのマオ王国、地上浮上大作戦は、
いかなる結果を生むのか?

こうご期待である!


(制作日 2021.7.22(木))
※この物語は、フィクションです。

今日7月22日は、
ウッチャンナンチャンのウッチャンこと、
内村光良さんのお誕生日。

1992年にCHAGE&ASKAもウンナンさんの番組に出演。

ウッチャンナンチャンがチャゲアスの真似をした
コントがありまして、
その最終回にチャゲアスが登場したわけです。

今日のお話は、
かつてのウンナンさんのコントを参考に、
フジテレビ『笑う犬』の名物キャラクター
内村さんが演じる「小須田部長」を参考にし、
その他、
お気に入りのキャラクターやコントを参考に
書いてみました。


そして、
CHAGE&ASKAの曲
『港に潜んだ潜水艇』を参考に、
小須田部長の潜入調査先を設定しました。


(ニックネーム)
ねね&杏寿
(旧ひまわり&洋ちゃん)
(Instagram)
https://www.instagram.com/himawariyangchiyan/

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参考にした曲は
CHAGE&ASKA
『港に潜んだ潜水艇』
作詞 飛鳥涼 
作曲 CHAGE・村上啓介
編曲村上啓介
☆収録アルバム
CHAGE&ASKA
『CODE NAME.2 SISTERMOON』
(1996.4.22発売)




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