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蛍に生まれたの

以前、私が驚愕した現代俳句を一句

『じゃんけんで 負けて蛍に 生まれたの』   

池田澄子

えっ、何て??

思わず何回か読み返しましたが、しばらく思考停止状態に

なんなんだこりゃ?

深すぎて解読不能

池田澄子先生、御年87歳。

数々の賞も受賞され2021年には第21回現代俳句大賞受賞ているれっきとした現代俳人でいらっしゃいます。

これは三十代の頃の作品とか

今だに私には解説不能ですが

私はこれこそが現代アートだと認識しています。

完全に時代の常識を破り異次元の世界の如くでありながらどこか情緒的で琴線に触れ懐かしくさえ思う。

ただただ驚くばかりだが

女史はただ奇想天外な句を読んで来ただけではない

近年、ウクラナの悲劇を目にして

『 蝶よ川の向こうの蝶は邪魔ですか 』

なんと優しいくも強い句であることか!

そして美しい。

この句を初めて読んだ時

なぜか涙ぐんだのを覚えています。

言葉の持つ力を感じずにはいられない。

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