クロウクルワッハ

星の運行(気候変動)と人間の関係・神話編

江守正多 | 国立環境研究所 地球環境研究センター 副センター長 

今日は気候変動(地球の「熱くなったら冷やす、冷えたら温める機能」が人間の文明によって調子が悪くなっている説)について。

私は手塚治虫や宮崎駿を中心としたサブカルチャーで育った。ナウシカとか。ネットに接続し始めたのは9.11直前で『マル激ドットコム』の神保哲生さんから地球温暖化の情報を得た。最近だと『山田玲司のヤングサンデー』なんかを好んで見ている。

科学的な話は彼らに任せて、私は科学的じゃない話をする。

クロウ・クルワッハ【wiki悪魔辞典
アステカの人身御供wiki

近代以前の伝統社会では太陽が明日も登ることを祈って、王や英雄や奴隷や美少年・美少女が生贄に捧げられていた。生贄の儀式が失敗すると「黒い太陽が泣き叫ぶ」らしい。

生贄(サクリファイス)


私は太陽のために犠牲を捧げたりしない。なぜなら、私が何もしなくても太陽は明日も明後日も昇ると信じているからだ。知っているからだ。

伝統社会の人々は星を観察した。
日が昇り、日が沈み、また日が昇る。一日の太陽のサイクル。
暖かくなり、寒くなり、また暖かくなる。一年の地球のサイクル。
日々なんとなく過ごす私にも、そのくらいはわかる。

伝統社会の人々は星の運行を観察し、その周期の正確性に腰を抜かした。まだ歯車(機械)を知らない人々は、巨大な生命(例えば星に住まう大蛇)が回していると想像した。その大蛇が、星の世界を回し、地球を回し、我々の生活をも回している。だから我らの一部を大蛇に捧げないと回転運動は止まってしまうのではないか?食事をしない生命が死ぬように。

伝統社会の人々は、自分の人生が星と繋がっていると考えていた。その中に幸福や意義を見出していた。

一方、私は星の運行と自分の人生が繋がっているとは考えていない。感じてもいない。地球と繋がっているとも信じていない。それは非科学的だし、幸福や意義とも遠く、仏教でいう「縁起を知らず、無明の中にいる状態」だ。(注:仏教では生贄や占いは禁止している。アニミズムから殺生を抜いたモノが仏教か?)

地球を冷やすコンブ


昔みた地球の歴史的な番組で(全くの嘘かもしれないし、記憶違いかもしれないが、海藻が地球を冷やす話を聞いた。海藻が生まれる以前の地球は雲を作る粒子が不足しており海洋に雲がなかったらしい。海藻から出る粒子(海洋エアロゾル)の登場により、海洋にも雲が生まれ、地球を冷やすのに一役買っているとか。

人間が住むこの環境は、まず太陽があり、地球があり、月があり、水があり、空気があり、コンブなんかがいることで成り立っている。計り知れない全体性の一部が人間であり、私だ。

それなのに全体性と自分は関係していないことを信じる。これは太陽を昇らせるために生贄を捧げる人々よりも非科学的で野蛮な可能性がある。

何が起こっているのかを広く調べ、原因を調べ、全体の関係性を認識し、改善方法を模索する。欲望と感情と無明によって成り立つ我ら衆生の中で、この作業をやる科学者(科学的態度)は、まさにホモ・サピエンスの名にふさわしい。

掲示板で使えるモンスターアイコンが増えるよ。