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タケノコ堀の痛い思い出

タケノコの季節になると思い出す。
田舎に住んでいたころ、家の横に小さな竹やぶがあった。
スーパーで売っているような太いタケノコではなく、
細めのタケノコがとれた。
ある時、近所の子供達だけでタケノコ堀をしていた時。

少し大きいお兄ちゃんがクワを振りかざしたと同時に
私がしゃがんでタケノコに手を伸ばしたのです。
お兄ちゃんが振り下ろしたクワが私の頭に命中!

その時は何が起きたかわからなかったみたいで、
すぐそばの畑に居る母に
「お母ちゃん、頭痛い」と声をかけた。
「頭いたの薬のんどき~」と向こうを向いたまま言った。
「おかあちゃん、頭から血が出てきた」
という声で初めて母が振り向いた。
そして走り寄って来て首に巻いた手ぬぐいを頭に当ててくれた。

近所のおっちゃんが私を抱えた母を自転車の荷台に乗せて
町の病院に連れて行ってくれた。

病院でのことは殆ど記憶にないけれど、太い注射をお尻にされたことは
今も鮮明に覚えている。
4針ぐらい縫っただけで入院することもなく家に帰ってきました。

帰ったら、お兄ちゃんが行方不明という事で
またまた大騒ぎに。

そりゃーお兄ちゃんも驚いた事でしょう。
私が悪かったのに、申し訳ない事したと今も思う。

結局お兄ちゃんは納屋の藁を積んだ上に隠れてて寝てしまったようです。

成人して、頭のマッサージをするとき、指先が引っかかるところがあった。
吹き出物が固くなったのだとずっと思っていたけれど、
ふと、それが縫ったところだったと気がついたのはつい最近の事だった。

というのも、縫った箇所は頭の左横と、何故か思いこんでいたのです。
70数年、気が付かなかったって、どんだけ~!!である。

そして、あの時、大量に出血していなかったら、
私はもう少し賢かったカモしれないと、ずっと思っている。

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