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量子力学について

【量子】
 電子や陽子など、原子よりも小さな素粒子のことを量子と言います。量子の極微な世界の物理現象を記述するのが量子力学です。量子力学では、日常生活の物理法則は、通用しなくなります。古典力学にはなかった運動法則が発見され、一つの新しい力学の体系となりました。量子には、二重性があります。二重性とは「粒」であると同時に「波」であるという性質のことです。量子は、見ていないと「波」の状態にあり、見た瞬間に「粒」になります。ただし、波という物質があるわけではありません。媒質「物質」が振動し、高低運動している状態のことを波というからです。量子は、波の状態にある時は、目に見えず空間に広がっています。波であるか粒であるかは、観測するまで分かりません。観測するまでは、二つの状態が、50%の確率で、両方存在しています。どっちらかに決まるのは、観測した瞬間です。これは、量子力学における独特の性質だとされています。

【情報の保存】
 宇宙にあるすべての物質を構成しているのは素粒子です。同じ素粒子なのに、それぞれ物質が異なるのは、情報のおかげだとされています。情報とは、物質的なものではなく、粒子の並び方のことです。その配置が変われば、別の物質になります。例えば、ダイヤモンドと炭は、同じ炭素から出来ているのに全然違うのは、そのためです。量子力学には、情報は必ず保存されるという原理があります。一度失われた情報というものは、現実的に修復が不可能です。ただし、その情報は、宇宙に混ぜられただけで、完全に無くなったわけではありません。情報とは、相互作用によって、物質やエネルギーの状態が変化するだけで、その情報はどこかに保存されています。

【量子のもつれ】
 量子同士が、相互作用をすると「量子もつれ」と呼ばれる相関関係になります。「量子もつれ」とは、量子同士に、そうした強い結びつきができる現象のことです。量子には、スピンと呼ばれる自転のような性質があります。スピンには、上向きと下向きの2通りしかありません。上向きと下向きのスピンの量子が、量子もつれとなったとき、この二つの量子同士の距離が、たとえどんなに離れていても、片方の量子のスピンの向きに変化があれば、もう片方の量子のスピンの向きも瞬時に変わります。つまり、いったん量子もつれという関係が出来ると、一方が決まれば、もう一方も決まるという関係性です。

【ハイゼンベルクの不確定性原理】

 量子論が到達した結論を「ハイゼンベルクの不確定性原理」と言います。ハイゼンベルクの不確定性原理は、ノーベル賞をとった量子力学の基礎となる理論です。電子など素粒子の「位置」を正確に測ろうとすると「運動量」が正確に測れなくなり「運動量」を正確に測ろうとすると、逆に「位置」が正確に測れなくなります。運動量とは、正確には、質量×速度のことですが、イメージ的には「速さ」のようなものです。ハイゼンベルクの不確定性原理とは、素粒子の「位置」と「運動量」は、同時に決める事が出来ないとするものです。運動量は、測定によって変化します。測定する時、電磁波を当てるため、電子の状態に影響を与えるためです。


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