質量とは何か?
【質量と重力】
質量とは、その物体が持つ固有の量のことです。それは、地球でも宇宙空間でも変わりません。質量は、重力を生じさせる原因となるものです。ただし、重力とは異なります。重力は、場所によって変化するからです。質量のある2つの物体が、互いに引き合う力が重力です。それは、あらゆるものが持っています。
重力は、中心部に向かって働く力です。もし、巨大な質量の物質があれば、その周辺の時空を歪ませます。時空とは、時間と空間を合わせた概念です。物体の動きは、時空の曲がり具合によって決まります。例えば、惑星が公転しているのは、巨大な質量を持つ太陽が、周りの空間を歪ませてるからです。惑星は、その歪みに沿って回っています。
【重力質量と慣性質量】
質量には「重力質量」「慣性質量」があります。重力質量とは、重力「万有引力」の受けやすさのことです。その値は「標準物体」と、その物体との比較によって測られます。標準物体とは「キログラム原器」などのことです。重力質量は、月や地球など場所によって変化します。簡単に言えば、物を持ち上げるときに感じる「重さ」のことです。それは、物体が重力によって引かれる力の強さを基準に決められています。ニュートンの「万有引力の法則」に出てくる質量が、重力質量です。地球上においては、万有引力の法則は通用します。
慣性質量とは「物体の動かしにくさ」「運動状態の変えにくさ」の度合いのことです。単に質量と呼ばれることもあります。「慣性」とは、物質が、元の位置に留まろうとする力のことです。それは、外から力を加えないかぎり、その状態を維持しようとします。その性質が「慣性の法則」です。慣性が、大きければ、大きいほど、加速がつきにくくなます。
【エネルギー】
質量は、エネルギーに姿を変えます。エネルギーとは、仕事をする能力のことです。アインシュタインの「等価原理」では、エネルギーと質量は、等価だとされています。等価とは、それらの量が、同じだという意味です。そのため、質量が大きいければ、大きいほどエネルギーも大きくなります。エネルギーとは、宇宙のあらゆるもののことです。その合計量は、常に一定だとされています。孤立系でのエネルギーは、相互に転嫁しても、その総量は変化しません。常に総量が保存されることを「エネルギー保存の法則」と言います。エネルギー保存の法則は、最も基本的な物理法則の一つです。
【ヒッグス粒子】
他の素粒子に質量を与えるのが「ヒッグス粒子」と言う素粒子です。ヒッグス粒子は、他の素粒子に、まとわりつき、運動させにくくさせます。そのまとわりつかれやすさが質量です。その動きにくさを「抵抗」と言い、それは質量という形で現れます。「ヒッグス機構」とは、もともと質量のなかった素粒子が、質量を獲得する仕組みのことです。素粒子は、ヒッグス粒子の抵抗を受けながら移動しています。例えるなら、水中では、早く走れないことと同じです。
全ての素粒子は、波であり粒子だとされています。ヒッグス粒子も「ヒッグス場」という波です。場とは、お互いに隣合った空間で、波のように伝わっていくことです。ヒッグス場は、目に見えませんが、そこには相互作用が働いています。素粒子の質量を決めているのは、ヒッグス場との相互作用の強弱です。 相互作用が弱いと、質量が軽くなります。光子は、ヒッグス粒子との相性が最も悪い素粒子です。そのため、何の障害なく光速で移動することが出来ます。
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