WSにおけるパーミッション型コントロールの可能性について① 概要と変遷

 皆さんお久しぶりです。ひまじんです。
 ようやく大型大会が帰ってきた2022前期が終了しましたね。自分は東京(しろくろフェス)の1日目しか参加できませんでしたがとても楽しかったです。ファイトしてたらどう頑張ってもステージが見えないのだけ残念でした・・・

 ALL2弾発売ぶりの更新となる今回は、ヴァイスシュヴァルツでコントロールデッキを組んだらどうなるか?という研究の成果について書いていこうと思います。


そもそもコントロールデッキとは何か?

 この概念自体はMtGから持ってきたものです。ということでMTG Wikiから引用:

  コントロール(Control)とは、ゲーム中において、相手の行動を妨害していくことで勝利に向かう行動・戦法の総称。
   ―― コントロール (俗語) - MTG Wiki

 これをヴァイスシュヴァルツにおいて適用すると、普通にアタックしてくること自体は阻止できないので、
・相手のアドバンテージ源を減らす(リバース時テキストを喋らせない等)
・相手のリソースを削る(手札を増やしたり舞台のキャラを処理したりするためにストックを使うことを強要する等)
がデッキをコントロールデッキとして成立させる要素、ということになります。
 スタンバイを主軸としたデッキは基本的にはパワーの高いキャラを並べることで相手の動きに制限を加えていく動きになるので、その程度が多かれ少なかれコントロールデッキの要素を兼ね備えているといえるでしょう。

 なお、これと対極にあるデッキというと扉+2の神様や炎扉等0Lvを主軸としたゾンサガのデッキのような(ある程度の対策札を入れつつも)基本的に相手の動きをまったく見ずに殴り切るビートダウンデッキが挙げられるでしょうか。

 ここで、先に引用したMTG Wikiのページを見ると、コントロールデッキには2種類に分かれると書かれています。また引用:

 コントロールは主に「能動的コントロール」と「受動的コントロール」の2種類に分かれる。
 能動的コントロールとは、こちらから動いて相手のリソース等を削っていく戦法。(中略)
 受動的コントロールとは、相手の行動に合わせて行動し、相手の「行動」そのものを削って行く戦法。
   ―― コントロール (俗語) - MTG Wiki

 これをWSで考えると、前者が面取りやハンデス(今はないですが)などの自ターン中に行う要素、後者が移動や助太刀などの相手ターン中に行う要素ということになるでしょうか。
 今回は、この後者を突き詰めたデッキを作れないかということで何年も考えていたことをまとめてみたいと思います。

コントロールの鍵、りみりんとひめひめ ~移動を「付与する」というズルさ~

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謎のインクの染みがあるってよく言われるカード
特徴チョココロネはどこへやら


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定盛じゃなくてひめひめよ!
苦労人ポジなアイドルリリィ部部長兼グラン・エプレサブリーダー
能力はレアスキル「この世の理」の再現。たぶん

 これから紹介していくデッキの鍵となるカードがこれらのカードです。共通しているのは

【自】 相手のアタックフェイズの始めに、あなたは自分の《特徴》のキャラを1枚選び、前列のキャラのいない枠で、正面に相手のキャラがいる枠に動かしてよい。

というテキストを持つこと。つまり1体が正面移動できるようになる、ということですね。これは大変なことです。例えば、

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楓は普通に踏まれ、りり(ぴ)は思い出に飛ばされる(ついでにストックを増やされる)

ひめひめのいない↑のような盤面であれば、カウンター圏外であっさり踏めてしまっています。(楓正面の藍ちゃんは共鳴込み10000、ルナトラは14500) しかし、ひめひめがいると↓

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この状態だとりり(ぴ)は確実に助かり、楓は2000拳さえあれば生還する。ストブは100%できない
あくまで比較なので、たかなほ側の動きそうはならんくね?とかは言ってはいけない

同じような手札であってもどちらかの処理が限界、2000拳を持っているだけで確定で2面とも生存する、ということになってしまいます。全体1000の恩恵も大きいのですが、それ以上に移動によってルナトラの思い出飛ばしを確実に不発にすることができるのは大きいでしょう。

 このように、「どれかが移動するかもしれない」という能力は相手の動きをかなり制限することができます。これがまさに「受動的パーミッション」戦略というわけです。相手がなかなか上手く攻められないうちにこちらは面を固めつつ詰めの準備をし、やられたタイミングで襲いかかる、というわけですね。

ここからは、どのような経緯でこれらのコンセプトを組み上げていったかを簡単にまとめていきたいと思います。

きっかけ ~チョココロネ×薫くん~

※ここからはデッキの変遷をめちゃくちゃ語ってるだけです。結局何がどうなってんねんって人は②(BD)または③(ALL)を見てください。

※この先文章中に出てきたカードはなるべく公式のカードリストへのリンクを貼っておきます。

 このコンセプトをちゃんと作り始めたのは2020年の夏頃でした。もともと風連動の美咲(中の人)を電源で釣り上げて連動を読む、という構築を遊びで作っており、それをvol2のカード達(Lv0チュチュとか)で強化したらいい感じになるかも?と思って色々と試行錯誤していきました。

そして結果的にできたのが↑のデッキ。これで2020年後期のタイトルカップの予選を勝ち抜け、大阪地区に出場することとなります(なお地区では1没)。

 コンセプトとしてはTD薫を早期に設置してそれをりみりんによる移動やカウンターで守りつつストックを作り、2/2紗夜千聖で面取りしつつ最後はうまくを決める(電源でさらに吊れたらなお良し)、という感じです。ただしTDの宿命であるドロー集中だったり手札入れ換え手段が多くなかったりすることで安定感はそこまで高くなく、勝ったときも風連動には依っていないため上振れという雰囲気が強いものでした。

 このときにチョココロネで相手の動きをコントロールする動きにはまり、ここからTD薫との噛み合わせが最強であるイベントカウンター・夜空の下でを投入したり、電源を増やしつつ風をにしたりといろいろ調整して翌年5月(2度目のオンライン開催となったしろくろフェス)の頃にはこのような形に。こうなっても手札が不安というのはそこまで解消はされておらず、まだ  強く使えるという感じにはなっていませんでした。

本格参戦 ~ましろコントロールへ~

 そしてその年の7月、チョココロネとの相性が抜群なあるカードが登場します。
 “Morfonica”広町七深です。

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これが「普通」ですか……?
Resonanceいなかったの残念だった

 0/2 10500でサイド不可(ついでに面埋まった状態で手出ししても1コスト返ってくる)という明らかに能力盛り過ぎでは?というテキストをしており、試しに入れて使ってみると相手の盤面を一気に崩壊させていきこれは強いとなっていきました。
 また、手札が安定しない問題を解決するために、足回りもテコ入れすることに。そこで出てくるのがまさかの初代TD+の集中たえのセットでした。足りないストックはとりあえず集中を参照する有咲に作らせていたのですがパワー不足に泣き結果的に最強イベント・イラつくあいつの手を借りることに。3連動は決定力が高く電源との相性も抜群のましろちゃんになり、できたデッキがましろコントロールと名付けられたこのデッキ。

 デッキの紹介自体は②に回しますが、「わかりにくく強い」という自分の理想を体現できたと思っています。電源と(わたやめのいる)ホロライブに対しては不利だったもののそれ以外の1000/1デッキに対しては無双状態で、勝率は一時期7割を越えていました。なおAnniversary弾では現状大きなアップデートはなし。足回りもうちょっと安定させたい・・・

アサルトリリィへ ~ひめひめの登場とつよつよ電源~

 明けて2022年初頭、アサルトリリィvol.2にはチョココロネ使いとして無視できない"旬なリリィ"姫歌が刷られたわけですが、たかなほの調整を優先したためしばらく放置していました。2ヶ月ほどして電源の足回りが強い(③で詳しく説明しますが1/10連動の楓がひたすら強かった)ことに気付き、これを調整する過程で試してみたところ面白いほどハマったのでちゃんと形にしたのがこれ↓

 バンドリでやっていたときよりも面取り・ストックの作りやすさ・手札管理のいずれの点でも上回っていることからお気に入りのデッキです。6月の制限改定で0ゆゆ様叶星様(と神琳)の選抜になりそうで怖いですが・・・
 ただしタイトルの弱みとして電源で出して強いLv3がほとんどなく(大活躍ぐらい)、詰め手段に至っては皆無、というのがあるので、そこは今後に期待したいところでしょうか。これもまたこのデッキの解説をするときに深堀りしたいと思います。

おわりに

 これにて概説と変遷の話題は以上となります。ここまで読んでくださりありがとうございました。次の記事からが本格的なデッキ解説となります。
 気になったことや感想などありましたらお気軽にTwitter @azuki_iRis まで。それでは。


具体的なデッキの解説↓


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