背景や味の違いを理解して、一杯のコーヒーを楽しめるようになりたい(世界からコーヒーがなくなるまえに)

ペトリ・レッパネン+ラリ・サロマー 著、セルボ貴子訳「世界からコーヒーがなくなるまえに」を読みました。

本書を読んで一番印象的だったのは、アメリカのリーハイ大学の助教授ケリーオースティンがウガンダのブドゥダ地方の生産者たちの生活を一年近く調査した結果、取材した生産者のうち半分ほどしか、彼らの栽培しているものが最終的に飲み物になるのだと知らなかったということ。残りの半分は、彼らの作物からパンや薬を作るのだと思っていた。そして、複数が、コーヒー豆は武器産業の原料になるのだと思い込んでいたということだ。(p125)

この事実からも分かるように、生産者が得られる情報は限られている。自分たちが作っているモノが飲料だとさえ知らなければ、より良いコーヒーを作って、コーヒー豆を高く販売しようとも考えられないと思う。美味しいコーヒーは先進国へ輸出してしまい、ウガンダに残った「美味しくない部分」を飲んでも、コーヒーが美味しい飲み物だと知ることすら困難だと思う。

そして、コーヒー生産者は、環境・健康・教育・ジェンダーなど様々な課題に直面しているとわかった。

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わたしも、コーヒーを飲むのが好きなので、これから何に気を付けると良いか考えてみた。

1.コーヒー豆を買ったら、その豆の生産地のことを調べてみる
コーヒー豆の生産者の環境、その国の事情について、今は全然知らない。コーヒーの生産過程に少しでも想いを馳せるために、まずは自分が飲むコーヒーがどこで作られているのか、その国はどんな国なのかを調べる習慣を付けようと思う。

2.美味しいコーヒーを大切に飲む
今は、朝、なんとなくインスタントのコーヒーやペットボトルのコーヒーを飲んでいる。なんとなく飲んでいるから、味の違い、自分の好きなコーヒーの種類がわからない。自分が好きなコーヒー、美味しいコーヒーをきちんと判断できるようになって、良い豆を良い豆と認識して購入できると良いなと思う。

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ただただ毎朝なんとなくコーヒーを飲むのではなくて、その背景や味の違いを理解して、一杯を楽しめるようになりたいなと思う。