見出し画像

キューピット・パラサイト ネタバレ感想

作成:2020年9月20日

 キューピット・パラサイト ネタバレ感想です。

 婚活ラブコメ×ファンタジーを謳った今作。
ラブコメ大好物なので期待とクオリティー含め好みに合致するか不安も抱えながらプレイを開始しました。
 
 まずこの作品、本当に最後までポップなラブコメを貫いてくれました。テンポも良かったです。ヘビーな設定でも重きをそこにはせずあくまでも2人のやりとりを主軸にストーリーが展開されていったのはとても良かったです。それに、コメディテイストがちょうどよく、困難に陥っても多少の力業で爽快に笑いに変えてくれる一貫性に安心にてプレイを続けることができました。多少の力業が違和感なく発動する世界観と文章の言い回しが上手いなぁ~と。そう、文章がとても好みに合っていましたね。くどくどしていなく、綺麗すぎず、大人な言い回しというか、答えを出さない台詞回しが心地よかったです。

 演出に関してはBGMが大変良かったです。ノベルゲーにおけるBGMってめちゃくちゃ重要ですよね。特にジュピターとゼノスのキャラクターBGM良かったですね。それに何といっても困難に立ち向かいながらも疾走と前に進んでいきハッピーエンドに向かう瞬間に流れるタイトルと同じであるBGM「Cupid Parasite」にはめちゃくちゃテンション上がりました。この作品はこれでなくては!と思わせてくれる演出でした。

 そして何よりこの作品で一番良かった事は主人公であるキューピット、リネットがめちゃくちゃいい女で大変可愛らしく、向上心に溢れ、好奇心旺盛な天真爛漫な天使、そして時に小悪魔的な魅力を発揮し攻略キャラを翻弄するという最強の主人公であったことです。本当にリネット可愛い!頭も良いし、素直だけれどもあざとく無自覚に利己的であり圧倒的「光」なキャラクターでした。時折、攻略キャラをぞんざいに扱う彼女がすごく好きです。いくつかの√でキューピットの矢を使って虜にする流れがあまりにも軽くて、何度も笑わせてもらいましたw(シェルビー√で敵に矢を放って虜にさせた場面のリネットの「大丈夫!彼ら、私に一目ぼれしたみたいなの!」的な雑なやりとりは一番笑わせてもらいました)

 攻略キャラ視点が多かったのもこの作品の好きなところです。これによってリネットが彼らを攻略するというよりは、リネットを攻略していくという色が強く感じられました。このパターンは大好物なのでより楽しめる演出でよかったです。
 
乙女ゲーなのにここまで全く攻略キャラの話をしていない…w全ての√とキャラクターに順位付けをするならばこんな感じですかね。

① ギル・ラヴクラフト
② シェルビー・スネイル
③ 螢彩院・F・琉輝
④ ラウル・アコニット
⑤ アラン・メルヴィル
⑥ ジュピター

 求めていたラブコメに近かったのはギルとシェルビー√でした。キャラクターとして良かったのは螢彩院くんですね。彼は何といってもギャップが良かったですね。定番のやつです。総合的にギルの√が1番バランス良かったのではないのかなと感じました。それにギル√のギルとリネットの関係性が好みのものでした。人間界にきたばかりの無知なリネットを守りつつラッキースケベのお恵みにあずかるギルという何ともギャルゲー、ラノベ感溢れる関係性が大変よかったですね。冴えない男のロマンを叶える出会いから数年後、いい女になったリネットと再会し自分の不甲斐なさと葛藤する図は需要と供給が合致した!と感じられた瞬間でした。(乙女ゲーの感想らしからぬ発言ですが、私が常々求めているものはこういう類いのものだと思う…。)

 いろいろ語りましたが、本当にこの作品は主人公であるリネットが最強であり大変かわいらしく、その魅力が発揮されているシナリオと文章という良作だったと思います。乙女ゲームでここまでのクオリティのラブコメというのはなかなか出会えないので、プレイ出来てよかったと思える作品でした。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?