ノクターンノベルズランキングラダー報告 3月3週目

■この記事は何?

成人向け小説投稿サイト「ノクターンノベルズ」(以下ノクターン)のランキングで、日刊ランキング5位位内になるまで挑戦する記録の記事である。

ランキングの上位を狙うことをDTCGのラダークライムに見立てて、計画を立てて取り組み、結果を分析していく事が狙いだ。

有料部分はおまけで、無料でメイン部分は全部読めるようにしている。

(成人向け小説の内容・方法論・描写、そして作者の性的思想についての話が出まくるため、未成年の方の記事の閲覧はご遠慮ください)

今週は14位!

■今週の小説と、構築理念

【R18】俺の家にやってきた「催眠アプリ」を名乗るアンドロイドが、周りの女の子をみんな落としていくんですが https://novel18.syosetu.com/n6500hn/ #narou #narouN6500HN

今週の記事はちょっと方向性を変えて構築理念の話をメインに……というか、先週前半に気圧と気温の変化のダブルパンチで1日に15時間ほど眠るような生活をしてたため、予定してた構築のプロットが組めなかった事情がある。

そこで、去年一年掛けて作っていた「これいつか書きたいな」リストから一番書きたいものを引っ張り出して書いた。

そしたら……、これはもう事実そうなのでこう表現するんだけど、意味わからんくらい点数が入っています。なんで?
現に、前回は5話ぐらい書いてやっと到達した500ポイント、10位代にたった2話で乗っています。本当になんで?

というわけで「これ、前回みたいに行きあたりばったりで書いたら損だから、きっちり太めのプロット立てて書こう」という判断をしており、つまるところ、正確に言えばまだメタゲームチャレンジの途中のため、今回は「なんでこんな設定にしたのか」という話をメインに記事を書きます。

さて、この「催眠アプリを名乗るアンドロイド」というギミックを何故使おうと思ったか。

それは「広義のセックスしないと出られない部屋」と「赤き真実」の2つの理念に従ったからです。

「何????」と思う人が9割だと思うので、これから説明します。

■セックスしないと出られない部屋

「セックスしないと出られない部屋」というガジェットがあります。

読んで字の如し。

特定のキャラクター2人を性行為をしないと出られない部屋にぶち込むことによって、性行為を発生させる技法です。

この形式の良さは、何より「話の早さ」という面が大きいのですが、もう一つ「性行為の責任を追う主体が存在しない」という部分が大きいと思っています。

さっさと性行為に持ち込みたいなら「抱かせてくれ」なり媚薬なりで済む。しかし、セックスしないと出られない部屋にはそういう「暴力性」の一切介入する余地がない。ある意味「自然災害」のような部分があるわけです。つまり、誰の責任でもない、誰にも傷を負わせない状態で性行為を発生させるギミック、というわけです。

……いや、結構アクロバティックな事を言ってる自覚はあります。

ただ、ポルノ創作の読者に与える印象として「不快にならない」ということを考えた場合、性行為からいかに暴力的な部分を抜くかは大きいと、俺は考えています。

この面から考えると「主人公の意志とは無関係に性行為を発生させるギミック」は「広義のセックスしないと出られない部屋」ということになります。

■赤き真実

説明がちょっと難しいので、まずは引用から。

作中で起きる殺人事件の真相を求める右代宮戦人に対し、魔女ベアトリーチェが提示した魔法の一種。
うみねこのジャンルがサウンドノベルであることを利用したメタ的な手法でもある。

本編の文中で赤い文字で書かれている部分がこれに当たり、この文字で書かれた部分は物語内における『真実』であり、嘘を疑う必要は一切ないとされる。

例えば、『この部屋に隠し扉は存在しない』という赤文字がある場合、そう記述されている時点で『この部屋に隠し扉は無い』という事実が保障されており、『実は後で隠し扉の存在が……』といった展開を予想する必要は完全に無くなる。
提示された側の戦人も赤き真実を信用している為、物語内でその部屋の隠し扉を探すという行為は一切しなくなる。

https://dic.pixiv.net/a/%E8%B5%A4%E3%81%8D%E7%9C%9F%E5%AE%9F

これを転用して「作中世界において登場人物の心中を示す絶対的な描写」を「赤き真実」と呼んでいます。

エロ小説的に言えば「ヒロインが主人公の事を性的に求めていると100%断言できる描写、ないしギミック」です。これは、いわゆる「普通の純愛エロ」を書くならば、「男女のくっつくかくっつかないかの距離感を楽しむ」のを売りにしない限り、多少リアリティを投げ捨てても導入したほうが良いと思っています。

これも「何故必要か?」を定量的に示せと言われるとかなり困るのですが、自分の仮説に基づいて語るならば「読解コストの削減」になります。特に、内心をベタ書きすると稚拙さが出てしまう小説媒体に於いては、ギミックや世界設定でカバーすることによって「この性行為はラブラブなんだなあ」とスッと飲み込めるようになる効果が大きいです。

■2つの理念を合わせて

この「男側に責任がないシチュエーション」「好意の絶対的な可視化」の2つを発見したのは、ホムンクルス先生のエロ漫画を読んでいる時でした。

おそらく短編エロ漫画における「読者のコスト」を最小化しつつ如何に魅力的な性行為を描くか、というところから生まれた技法なんだと思います。

この中の「恋ひ結び奇譚」はマジで上手いしエロいです。大好き。

翻って自分の小説の話。
実は、この理念は前回の「男女逆転世界」でもやろうとしていたのですが、男女逆転世界のディテールを詰めようとするあまり効果が薄くなってしまい、大反省する羽目に成りました。

  • 男に責任がないシチュエーション
    →男女逆転世界
    →でも男女逆転世界なのに男に責任を取ることでアピールしようとする

  • 好意の可視化
    →スキルに寄って好意が見える+主人公の好感度が上がる
    →あんまり活用できなかった

こんな感じですね。

今回の【俺の家にやってきた「催眠アプリ」を名乗るアンドロイドが、周りの女の子をみんな落としていくんですが】では(長いよ!!!!)

  • 男に責任がないシチュエーション
    →主人公のためと言いつつも、あまり言うことは聞かないアンドロイド

  • 好意の可視化
    →ハルにバイタルを読む機能を持たせる

これなら大丈夫そうですね。

■終わりに

小説書く前のウォーミングアップと定期更新のつもりが、意味わからんぐらい気合が入ってしまったのでこの辺にします。
今回の有料用おまけは、この小説のプロトタイプになってるのかなってないのかわからない、「現代日本で催眠ハーレムを作るためのたったひとつの冴えたやりかた」のメモを置いておきます。めちゃくちゃ長いので気をつけて下さい。
それでは……、今から執筆・更新頑張ります。

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