例の漫画について。実際にゲーム開発してた人間の感想

はじめに

例の漫画とはこれです

一応前作もあるので、コチラも読むとよりわかりやすい

どんな反応が多いのか

はてぶの上位を参考にすると

別に同志でも知り合いでもなんでもない外注を、指示出し下手くそディレクターが振り回す話が何故良かった話風に。インディーゲーム制作者だったら仕事仲間としては典型的な地雷でしょ…

なんか良い話っぽく書いてるけど、未経験者相手に指示が適当で良いことなんか一つもないし、具体的でないダメ出しも軋轢しか生まれないよ現実には。ファンタジーが過ぎる上にただのクソ案件エピソードでしかない

でもこれ、漫画を読めばわかるけど「売れてきて注目されてる、インディーズのゲームクリエイター二人が、三人目の仲間を探してる話で、あわなかったら日当を払うから即日辞めても構わない、俺たちについて来れんのか」って話なんですよ。

実際に大成功したゲームでもこういう話はよくあるよ

ゲーム会社でも、「なんか違う、やり直し」って具体的な修正点がなく差し戻されるのなんて、企画でもデザイナでもエンジニアでもよくあることだし、そこで1人1人の作業パートの人に懇切丁寧に説明することって現実問題として出来ないんですよ。

結果として「なんか違う、やり直し」に食いついたり、こういうことですかって自分の解釈を出すやつとかが重宝されたりする。もちろん逆に潰されたりもする。

多分これに傷ついてる人は、入社したゲーム会社とかそれに類似した会社で、こういうダメ出しをされて、しかもそのあと認められることもなく、ただ悔しい思いをした経験があって、それで騒いでるんだと思います。

あるいは、俺がこの漫画に肯定的なのは、無茶振りのあと実際成功して、あのときは辛かったよなと笑い話にしてるのを何度も見てるからかもしれません。どんなに大成功した素晴らしいゲームでも、チーム内で殺し合いがはじまりそうな瞬間ってのはあるもんだとおもう。

具体例をあげた指示書

具体的に指示書を出せばいいってもんじゃないぞって例で出しました。過半数っていうかだいたい7割位こんな感じでしたね。この「虫麻呂さんみたいに」って指示書は評判最悪でした。じゃあ皆その指示書にキレて断ったのか?そんなことはない。無名で仕事がなくてその仕事が欲しい人は受けてました。

一緒に仕事をした全員に好かれるのは不可能

別に仕事に限らず、恋愛も友情もそうでしょ。すごく合う人をみつけて大事にすることが重要なのであって、合わなかった相手にくよくよしてもしょうがない。

この漫画は、「最強の俺たちの仲間に入れても良い3人目の最強の絵描きを探そう」って話であって、現状ですでに稼げてるし、2人でも作れるから、この探し方でいいんだと思います。

この漫画は「別に辞めてもかまわないし、それで納品できなくても契約通りの日当は払う」と言ってるんで。「条件を提示して気の合う仲間探し」をしてるだけだから、嫌なら辞めて離れればいいだけでしょ。良心的とまではいわんが誠実だと思う。

「これまでの日当も払わないし、株も取り上げるし、お前をクビにするよ。ゲーム作ってくれてご苦労様。」

って言われたことがある?俺はあるよ

俺が言いたかったこと

この漫画を見て古傷がうずき、この漫画を叩くことは何も良いことは有りません。それはエネルギーのムダ使い。「思い出したぞあのとき俺にふざけた仕事をふって、そのくせ俺のところに名誉も金も持ってこなかった○○め!!許さねえ!絶対あいつが歯噛みして悔しがるくらい大成功してやるからな!!!」これが正解。

悔しいならそれはチャンス。悔しさ、相手を見返してやりたい情熱のアオイホノオを燃やせ。それをTwitterやtogetterやはてブでムダ使いするな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?