漫画家が覚醒する瞬間。「クロガネ」の池沢春人が「2.5次元の誘惑」の橋本悠に転生し、覚醒した話。

はじめに

池沢春人=橋本悠というのは俺がそう思っただけなので、公式な情報ではありません。

池沢春人という打ち切り漫画家がいた

ジャンプで最もアンチスレがたった漫画家ではないかと思う。その理由は「新人漫画家なのにツイッターでイキった」ことが原因の「新人漫画家の炎上」だった。

漫画を俺が評価すると、「ヒロインはかわいい(特にものの歩以降)が、話自体は凡百で、光るものはない。72点」といったところだった。

橋本悠=池沢春人の転生体説

2.5次元の誘惑という、コスプレイヤーをテーマにしたお色気漫画がジャンププラスのウェブ連載で始まった。絵が池沢春人に似ていたが、画力が上がり、画風も変わっていたので、「池沢春人=橋本悠」説は、漫画に詳しいやつや目ざといやつは知ってる、程度の説だった。

2.5次元の誘惑は、1~4巻くらいについては、絵はかわいいけど話はコスプレイヤーを熱血ものにして、主人公もヒロインも性欲がゼロで、なつかしいジャンプお色気漫画だな~と思って買っていた。特別に評価はしていなかった。

2.5次元の誘惑5巻からの覚醒

しかし、2.5次元の誘惑は5巻~6巻、特に6巻で覚醒した。6巻がベラボウに面白いのだ。作者の人生を煮詰めて整えて、丁寧に塗りこんだ漫画なんだ。

5巻はまだ普通だった。コミュ障のコスプレイヤーが引っ込み思案で仲良くなれないというよくある話だと思って読んでいた。

しかし、6巻で「オタクに優しいギャル(陽キャ)」を出したときに、そのファンタジーに甘えるのではなく、「オタク(陰キャ)はこういうのがダメ、オタクにとって陽キャはこういうところがダメ」と、きっちりと対比して、オタクの自戒とも言える描写がとても細やかなのだ。これは実体験、学びをもとにしないと書けないだろう。

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(いきなり重すぎる話を打ち明けてくる相手はメンヘラだから逃げような!)

「2.5次元の誘惑」打ち切り漫画家編

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そしてその次に始まる「打ち切り漫画家編」が鬼気迫る。コスプレ漫画なのに打ち切り漫画家が出てくるのか、背景を予想してないと意味がわからないが、しかしこの打ち切り漫画家編は面白い。「なぜ大炎上して連載する度に叩かれて、それでも、名前を変えてまで漫画家を続けるのか」という、橋本悠の魂の叫びだ。


昔、ある人と「本当に生意気なやつこそ芽がある。生意気なやつは、生意気であるために人一倍必死にならないといけない。つまり、そいつは伸びるやつだ」という話をしたことが有る。

ここにきて「橋本悠」は覚醒した。自分の人生と向き合い、逃げず、血を吐いてでもそれを創作にぶつけた。だから2.5次元の誘惑は6巻ですごく面白くなった。元から買っていたが、続きを楽しみにしたいと思う。

買うならセミカラー

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