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随想:本当の光

白杖を手にした若いビジネスマンが歩いてきた。杖をたたきながら、点字プレートに差し掛かると、何度も正確に方向を変え、躊躇いもなく駅へと向かっていく。

見事なものだ。目が見えないのに、怖くないのだろうか

そう呟いた途端、私の中で声がした。

主の導きのない者が、明日をも知れぬ日々をよく安穏と暮らしているものだ。怖くはないのだろうか

なるほど、そうかも知れない、と、独り言ちする。