用無し少女の格言

少女には、夢も希望も存在していなかった。
好きな物も嫌いな物もなくなっていた。

誰にも気づかれない場所で、誰にも気づかれない傷をつけて。

少女は言った。

「私はなんて不幸せな人間だろう。」

愛や信頼なんて戯言はどこにもなくて
夢や希望なんて狂言もどこにもなくて
そんな人生なんて生きている価値がないって
こんなこと言っちゃダメらしいけど
私はこの世から、消えてしまいたいのです。

少女には、家族の輪郭すら存在していなかった。
真実なのか、虚言かも不明瞭で。

皆にも気づける場所で皆に聞こえる声をあげた。

少女は叫ぶ。

「私はなんて自分勝手な人間だろう。」

恋や友情なんて妄言はどこにもなくて
過去や未来なんて暴言は見ないふりをして
そんな人生なんて生きてる価値がないって

無視や逃亡なんて甘言は耳貸さないで
価値や優劣なんて高言はもう捨てさって
そんな人生なら生きててもいいかもなんて
こんなこと言ったら全部ふっ切れて
私は笑って生きていきます。