僕の話

僕は空虚な人間でした。
両親は、物心着く前に別れました。僕は母親に着いて行ったのですが、母親は、心も身体も弱く、体調を崩し、鬱になってしまいました。
そんな母を見て、僕は何も感じませんでした。

僕は、学校で虐められていました。
少人数の学校で、殴られたり、罵られたりしました。
そんな僕でしたが、1年も経てば痛みを感じなくなりました。

僕は知らない人に性的接触を受けました。
その人はすぐに居なくなりました。
そんな事もあり、僕は愛を忘れました。

嬉しいも分からない。
辛いも分からない。

そんな僕はある人に出会いました。
彼女は、同じように感情がなくなっていました。
しかし、彼女は感情を持っているふりをしていました。
彼女は僕に教えてくれました。
感情とはなにか、痛みとはなにか、愛とはなにか。

彼女とはもう会うことはないでしょう。
彼女がどうなっているのかも知りません。

僕は空虚な人間です。ですが、僕は感情豊かな人間です。