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神山天文台(京都産業大学)様を見学して来ました🌠

こんにちは!HILLTOP広報の遠藤です😀
HILLTOPでは神山天文台(京都産業大学 )様に、開発装置用の切削部品をお作りしています。

☪️とはいえ、我々は天文学や天文台のことを何も知らない🤔
☪️普段、HILLTOPの部品を使ってどんなことをされているんやろう🤔
☪️そもそも『天文学』ってどういう学問なんや?🤔

これらが気になった我々は、研究員である大坪さんにご相談し、神山天文台の見学に伺いました🏃‍♂️💨

京産OB・営業部K氏も同行

神山天文台へ到着

研究員の大坪さんが迎えに来てくださいました。

お忙しいところありがとうございます

HILLTOPメンバーが気になっていたことを、大坪さんに質問させていただきました!🗒

■天文学ってどんな学問なのですか?

―天文学というと「星の観測」というイメージがあるのですが、皆さんは星を観測されているのですか?

大坪さん(以下敬称略) 間違ってはいないのですが、もう少し色んなことをしています!日本だと天文学って、大きく3つの分野があるんです。
『観測する人』『理論を組み立てる人』『開発する人』。
今おっしゃったのは『観測する人』ですね。

―そうなのですか!初っ端から衝撃です!

大坪 一般的に皆さんが想像される天文学のイメージは『観測する人』かもしれませんね。僕は観測屋さんと呼んでいます。

二つ目は『理論を組み立てる人』、理論屋さんですね。
計算機などを使って、「宇宙の始まりはどんなのだったのか?」「現在の宇宙構造はどのようになっているのか?」など、様々な天文学的課題に対して、大規模なシミュレーションを活用して理論的な検証をしてる人たちのことです。

三つ目は『開発する人』。理論を証明するための装置を開発する人達です。
研究の世界って、「世界で一番!」とか「世界で最初!」っていう枕詞がつかないと、なかなか成果として認められにくいのが現実なんですけど、そのためには観測装置や理論証明で使う装置も、必然的に世界一のものを作らないといけなくなるという…。

―うぅむ…。天文学、求められる能力の幅が広いですね。

大坪 そうなんです。神山天文台でも、学生と一緒に装置開発、装置の中にある要素技術の開発をしています。
HILLTOPさんにはその開発装置、望遠鏡周辺の機器の、特にアルミ部品で精密なモノを作ってもらって、いつもお世話になっています。

―こちらこそ、いつもお世話になっております!
 開発装置というと、近赤外線高分散分光器『WINERED(ワインレッド)』にもHILLTOPの部品を使用いただいてると伺ったのですが…。

大坪 WINEREDにも多く使用させていただいてますね。
他にもハワイ大学が所持しているUH88望遠鏡に設置していた『偏光観測を行う解析装置』のアルミ部品のほとんどを、HILLTOPさんに作っていただきました。
今は荒木望遠鏡のそばに設置してあるので、見に行きましょうか。

■荒木望遠鏡を見てみよう!

お邪魔します!
ドーン!!!

―すごい!!立派ですね!!

大坪 ありがとうございます。国内私立大学では最大の望遠鏡です!観測のために沢山の光を集める必要があるため、大きい望遠鏡が必要なんです。

神山天文台の主要な観測機器である「荒木望遠鏡」は、鏡を使って光を集める反射式の望遠鏡です。望遠鏡は口径(鏡の大きさ)が大きいほど、より多くの光を集めることができるため、より暗い星やより遠い星の観測が可能になります。荒木望遠鏡の口径は1.3mで、国内の私立大学所有の望遠鏡では最大であり、国内全体でも7番目に大きな望遠鏡です。その名称は、本学の創設者で天文物理学者でもあった荒木俊馬博士にちなみ「荒木望遠鏡」と名付けられています。

京都産業大学 神山天文台 設備の特徴(https://www.kyoto-su.ac.jp/observatory/facility.html)
荒木望遠鏡の仕組み(図解) / 荒木俊馬博士

大坪 先ほどお話しした『偏光観測を行う解析装置』はこちらです。
元々はハワイのUH88望遠鏡に設置していたのですが、観測を終えたので神山天文台創設時に移設させたんです。
その際、2〜3名の学生からなるチームを組んで、学生主導で大規模に改修しました。仕様も中身もほとんど更新したので、名称も『VESPolA(ヴェスポラ)』に変更し、生まれ変わらせたんです。

正式名称の頭文字をそれぞれ取って『VESPolA』になったそうです

―研究員のかたではなく、学生さんが担当されたのですか!

大坪 そうですね。開発において中心的な役割を遂行した学生が1名いたのですが、彼は

・この装置自体の論文
・この装置で観測したデータを使った論文

を執筆して卒業しています。
装置開発だけでも一般的に5年から10年かかるものなのですが、彼は在学の5年間で『装置開発』『その装置を用いて観測』『その観測データを元に論文執筆』までされたので、すごいですよね。

―ものすごく優秀な方だったのですね…。
 その方は今も研究を続けているのですか?


大坪 今はカフェの店主です。

―えーっ!!!

ここに設置して使うそうです

大坪 せっかくなので研究室も見ていかれますか?

―ありがとうございます、お願いします!

■研究室にお邪魔しました

大坪 今、ちょうど2人スタッフがいますね。

竹内さん・加藤さん(以下敬称略) こんにちは!

―こんにちは!
 お二人は神山天文台でどのような活動をされているのですか?

加藤 僕はいま大学院生(D1)なのですが、自分の研究もしながら、WINEREDプロジェクトに関わる人たちの解析的なサポートを行っています。

―そうでしたか!ご自身の研究ではどのようなことをされているのですか?

加藤 WINEREDを荒木望遠鏡に取り付けた際に取得したデータを使って、若い星にまつわる論文を書いています。

―若いってどれくらいですか?

加藤 人間で言うと胎児ぐらいです。

―思ったより若かったです(笑)
 神山天文台ではどのような活動をされているのですか?

加藤 ラス・カンパナス天文台(チリ)が所持する『マゼラン望遠鏡』とWINEREDにおけるデータ解析の補助や、解析装置の開発を行なっています。

大坪 観測で得られたデータは扱い方が難しく、すぐには研究に活用できないんです。そのためデータを校正する必要があるのですが、加藤くんはこの部分で観測者をすごく支えてくれています。WINEREDチームにはなくてはならない存在です!
また、彼は学部生時代に光学設計やその光学素子を保持する機械設計を行っていて、HILLTOPさんにも彼が設計した部品を製作して頂いています。

我々のいろんな質問に答えて下さった加藤さん

―そうでしたか!その節はありがとうございました。それにしても多才でいらっしゃいますね。
 竹内さんはどのような活動をされているのですか?

竹内 私は主に機械設計を行っています。
WINEREDの『仕様検討』『概念設計』『詳細設計』『製図』など、光学を取り扱う上での全機械設計を担当しています。

―機械設計のあらゆる部分を担当されているのですね、すごいです!

大坪 彼女には2022年の5月、7月、9月に、マゼラン望遠鏡に赴いて観測作業をしてもらっていました。
あと、装置開発でHILLTOPさんに部品の発注をしてくれてるのも主に彼女です。

―そうでしたか、いつもお世話になっております。

竹内 こちらこそ、いつも短納期で納品していただいてありがとうございます。

多品種・単品・短納期のHILLTOPです!

―いまPCに表示されているのは、ワインレッドの設計図ですか?

竹内 赤い筐体がWINERED本体になります。この中にレンズや回折格子、赤外線検出器が整列しています。
下の部分はマゼラン望遠鏡で観測する際に、設置で使用するカートです。
この上下セットでマゼラン望遠鏡でも観測を行っています。

CAD画面を見せてくださいました 
WINEREDをマゼラン望遠鏡に取り付ける様子

大坪 竹内さんは仕事が丁寧で、僕が書いた設計図のミスもよく気が付いて指摘してくれるんですよ(笑)

―それは有難いですね!ものづくりはチームワークですもんね。
 最後に、大坪さんにとってHILLTOPとはどのような存在かお聞かせいただけますか?

大坪 装置開発には1つの絶対的な正解はなく、『性能』『予算』『納期』という制約のなかで、満足のゆく解を常に探しています。無数の選択肢の中で、『どの選択がベストか?』をいつも模索している感じです。
その中で、HILLTOPさんの加工技術が生み出す高精度な部品は、その要求を満たす手段として大いに助けられています。
HILLTOPさんをはじめ企業さんの持つ技術力を活かして、世界トップクラスの装置を開発することができている。
これもひとつのチームワークであり、こういった技術力を集結して研究を遂行することは大学や研究施設の意義のひとつであると考えています。

―そのように仰っていただけるとは…。身が引き締まる思いです。
 我々も、これからも常にベストな品質で仕上げた品物を最速でお届けできるよう努力して参ります。
 また、神山天文台様の益々のご発展をお祈りいたします✨
 本日は取材にご協力いただき、本当にありがとうございました!

最後にほしみ〜るちゃんと一緒に記念撮影📸


■見学を終えて

見学後、HILLTOPメンバーに感想を聞いてみました👏

・見学に伺うまで、神山天文台の皆様が普段どのような研究をされているのか、詳しくは理解できていなかったが、今回の取材をきっかけにお客さまのことをより深く知ることができた。非常に勉強になった。

・研究内容や開発内容を詳しく知ったことで、HILLTOPが担っている責任を改めて実感した。これからも誠心誠意、心を込めて、精度の高い部品をお届けしようと思った。

・お話を聞いて、「宇宙」という存在をより身近に感じられるようになった。HILLTOPでは他にも宇宙関連事業の部品提供を行なっているが、これからも「宇宙」というロマンあふれる事柄に、積極的に関わっていきたいと思った。

参考記事


■最後に…

見学の相談を快く受け入れてくださった神山天文台様。
記事に書ききれないほど沢山のお話をお聞かせくださり、施設内をご案内いただいた大坪様。
急な訪問にも拘らず、ご自身の研究内容を教えてくださった竹内様、加藤様。
皆様、本当にありがとうございました✨🌠💫
見学で得た知識や好奇心、お客さまの想いを源に、これからも高品質の部品を提供できるよう精進して参ります!💪😆


■神山天文台様からのお知らせ

🌠天体観望会

荒木望遠鏡で宇宙を覗いてみよう!

3/18(土)に、天体観望会を実施します!
天文台職員の解説付きで、季節ごとに現れる様々な天体を、国内私立大学最大口径の荒木望遠鏡(口径1.3m)を用いて観望していただけます✨
ご興味のある方はぜひご参加ください💫
※詳細は追って神山天文台様HP『News & Events』にアップ予定です


📱You Tube

Youtubeにて宇宙や星について発信してらっしゃいます。
こちらもぜひご覧ください💫



▼HPの事業紹介ページにて、加工実績を掲載しております。
加工でお困りのことがあればぜひお問合せください。

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