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加計呂麻島へ行くなら

奄美大島本島の人でも行った事がない、小さい頃に一度行っただけという人もいるほど近くて遠い島、それが加計呂麻島(カケロマ島)です。
本島も自然豊かで海の青さはそれは素晴らしいのですが、加計呂麻島はさらに青い、民家の佇まい、生活が昔のまま残っている。離島感半端ないです。
島は奄美本島南端にありフェリーや海上タクシーで20分ほどで渡れます。
これから加計呂麻島へ旅行を計画されている方へ参考になれば幸いです。
なお、時期的なものもあると思いますので、調べてからお出かけ下さい。

いつも行き当たりばったりの私ですが、今回は念入りに行程表を作成、男はつらいよ 寅次郎紅の花(シリーズ48話)で予習をするほどの入れ込みでした。

でした。。。。でした。

結論:レンタカーを渡すな!

※以下、トラブルあり出会いありの解説です。ちょっと長文になりそう!

■3月5日(快晴)

加計呂麻島へは古仁屋港より瀬相港(せそう)又は生間港(いけんま)へ渡ります。レンタカーを渡す場合はフェリーを使いますが、人だけなら海上タクシーが便利です。フェリーカケロマの料金や運行時間はこちらをご覧下さい。海上タクシーの方が10円安かったです。
古仁屋港で出迎えてくれるのは、巨大まぐろ。。。
瀬戸内町はクロマグロ養殖日本一のまちだそうです。フェリー乗り場のレストランでもマグロメニューが豊富でした。

そして、予習した寅次郎紅の花(平成7年公開)に出てくる海上タクシー「でいご丸」※でいごというのはマメ科の落葉樹で赤い花が咲きます。
映画では田中邦衛(船長)が浅丘ルリ子(リリー)を古仁屋から瀬相へ渡す舟です。写真後ろがフェリー乗り場。

実は計画の段階から、レンタカーを加計呂麻に渡すべきか悩んでいました。島にもレンタカーはあるそうなので、古仁屋に置いていくべきか!
島で借りるとレンタカー代と駐車場代がムダになる!前の週から天候不順な日が続いており雨なら置いていこうと考えていました。しかしこの日は見事に快晴↓↓↓これは車ごと渡るしかない!(超判断ミスを犯したのでした

加計呂麻島瀬相港を降りると、出迎えてくれるのがこれ!何貝?

この日は寅さんのロケ地巡り、東~西へ島を縦断します。
瀬相港は島北側中心にあります、まずは一旦東へ向かいます。
【諸数集落】のスリ浜、リリーが満男(吉岡秀隆)を拾ってカレーを食べさせる場所。流れ着いた浮き(島の人はカエルと呼んでた)がオブジェと化してました。

【諸鈍集落】リリーの家へ、寅さんと満男がばったり再会する家。
今はリフォームして伝泊(民泊?)として利用されてます。

リリーの家の前は諸鈍長浜、デイゴ並木が絶景の場所です。デイゴの花が咲くのは5月だそうです。花咲く頃に来てみたいな!

こんなトラックを見つけました。島にはスーパー・コンビニはありません。多少の日用雑貨を売る店はありますが、素泊まりするなら古仁屋港にAコープがあるのでそこで調達した方が良いでしょう。。。
トラックは移動販売車で30もある集落を巡回しているようです。

【於斉集落】のガジュマル、映画では通り過ぎるだけですがとても立派なガジュマルで観光名所になっています。袂の木陰には一家族がピクニックに来ていました。島ではガジュマルの太い幹にブランコを掛けてあるのを良く見かけます。

こちらは【武名集落】のガジュマロ、イノシシ三兄弟に遭遇!二日間で猪には3回も出逢いましたよ、猫を見るより多かった。。。

そして気を付けたいのが、奄美といえばハブ、Hubじゃないですよ!
今回は出逢いがありませんでしたが、目的地の【実久集落】には30m毎に写真の様な用心棒(ハブ棒)が置いてありました。ハブには通り道があるそうで、村の人はハブ道があるからそこを注意すれば大丈夫と話していました。ハブは捕獲すると賞金がもらえるそうで、今は3000円ですが昔は5000円だったそうでハブ取りを専門にしている強者もいるそうです。
一日5匹で25000円、んー転職考えますよねぇ!!!

島を縦断して西端にある【実久集落】に到着
この日一番期待していたのが、夕日と満天の星空。。。
昼間あんなに天気が良かったのに急激に崩れ始めました。山の天気みたいです。翌日の予報も変わり嵐になりそう、昼間の観光気分が吹き飛ぶ空模様に慌てて計画を立て直します。加計呂麻島へは元々二日間滞在する予定でしたがレンタカーで来ているわけで、本島へ戻れないと東京に帰れない・・・まずい。鼓動が高まります。

18時、すでに一日4便あるフェリーは終わっています。どうしよう。今晩はここに泊まって明朝1便のフェリーで帰ろう!眠れない不安の夜をすごし、まだ薄暗い朝6時宿のオーナーを叩き起こし!(ほんとすみませんでした)【実久集落】を後にし強い雨に叩かれながら急ぎ瀬相港へ。。。港に着く数キロ手前でスマホが鳴ります!Twitterに欠航情報!うわぁぁぁぁ
フェリー事務所へ駆け込むがTwitterに間違いはなく、欠航です。
不安が現実に。。。。

■3月6日(荒天)

事務所の方に状況を聞くと、この後の便は何とも言えない・・・
どうする!明日の方が天候が悪そうだぞ。。。今日乗れないと・・・
頭を抱えていたら、他にも戻る方法はあるよ!と事務所の方。
天長丸という貨物運搬船が行き来しているそうだ。定期便ではないので直接電話してみて!それと貨物運搬船は人は運んでくれない(運転手はOK)から1人(私又は妻)は海上タクシー使うようだね。。。なるほど。
早速、天長丸に電話!若い兄さんが出る。
今日はチャーターで生間港に行きますよ!そっちで聞いてみて下さい!とのこと、生間へ寄港予定時刻まで後30分、瀬相から生間まで車飛ばして20分!前日に走った道なのでイメージは出来てる!なんとかなるかもと生間へ猛チャージ!※もちろん、間に合っても車を乗せるスペースが無ければアウト!
なんとか、予定時刻前に生間港へ到着。しかし30分待っても40分待っても来ない。あれ?聞き間違えか?不安がよぎる。
もう一度電話してみる。今度は女将さんらしい人。どうも生間ではなく別の島へ行ったらしい(アゲー、方言が強くて聞き間違えだった、ハゲェー)明日の朝は瀬相港に寄るとのこと。

さて、どうする。頭の中がフル回転!
つぎの緊急プランを考える!
・妻を先ず海上タクシーで本島へ戻す
・自分は島に残って、午後のフェリーが運航する事を期待して待つ
・フェリーに乗れない場合、妻は一昨日泊まった民宿にお願いして泊めてもらい、自分は翌日のフェリーに再度トライする
・それでもダメなら、瀬相港に来る天長丸に乗せてもらう
・それでもダメなら、レンタカー会社に乗り捨て交渉・・・
というところまで考えて、事態を妻に説明しているところに、あのでいご丸が生間港へ来てくれたんです。(ほんと偶然!)
船長さんに、うちのリリーを本島まで乗せてくれますか?
いいよ!250円ね!
状況が状況だけにとても安く感じ、これで、天長丸(貨物運搬船)に乗ることになっても妻の事を心配する必要がない。リリーを送り出して束の間ホッとする。

島に取り残された私は瀬相港にもどりフェリーを待つことにしました。
天気は一時的に回復?日差しも出てきたので出航してくれるのか?
だが風は強い。運が悪い時はトコトンです最終便まで待ちましたが欠航。結局全便欠航でした。一昨日泊まった住用町のルパン爺とすずめの宿に事情を説明。休業日だった様ですが快く引き受けて下さりました。古仁屋港で待っている妻に戻れないと伝え、住用までバスで行くように指示。
私は。。。
もう夕刻です。どこか泊めてくれる宿を探さないと!
瀬相港の正面にはお土産、野菜、魚、肉を販売するいっちゃむん市場がありあます。店員さんに無理言って宿を紹介していだだきました。この時間じゃ夕食付の宿はむずかしいよ!素泊まりなら紹介できるかも!っと宿に取り次いでくれました。加計呂麻島にはスーパーやコンビニはありませんが、食材になりそうなものを調達。来るとき買った焼きそばが残っていたので、野菜と豚肉を購入。歯ブラシが欲しかったので売ってるお店を尋ねると

※写真はホームページから拝借しました。
https://www.facebook.com/kakeromaichamun/
いっちゃむん市場の真裏に昔からある酒食料品美咲さんがありますよ!っと教えて下さいました。いっちゃむん市場さん、ありがっさまりょうた。
生活に必要なものはとりあえず手に入りますが、素泊まりされる方は古仁屋港そばのスーパーで調達するのが良いでしょう。私は美咲さんで歯ブラシとお弁当を購入しました。※歯ブラシは嫁が本島へ持っていってしまったので。。。
宿までの道を尋ねたら丁寧に教えて下さいました。

時間が前後しますが、フェリーを待っている時間に行きたい場所があったので行ってきました。
【呑の浦集落】震洋です。第二次大戦で劣勢となった日本、予科練出身者が搭乗した特攻自爆船です。こんな綺麗な浜辺から命を積んで行ったのだと胸が一杯になりました。どんな思いで出陣していったのだろうか、はかり知れません。

さて、このレポートも大詰めです。ここまで読んで下さりありがとうございます。もう少しです。

紹介頂いた宿は瀬相港から20分くらい、途中道路から見えるウティリミズの滝をパチリ写して【嘉入集落】へ、ゲストハウス・カムディさんは集落入り口近く、目の前にプライベートの様なビーチがあり情緒たっぷりの佇まい。
真珠の養殖工場をリフォームして宿にしたそうです。
素泊まりなので美咲で買った弁当食べて、早寝、明日に備えようなんて考えながらチェックイン。

前日見れなかった夕日もかろうじて、見る事ができました。

ウェルカムボードがお洒落!客は私一人。

夕日を観にいったり、息子さんとサッカーしたりしているところに女将さん登場!宿の説明を受け、ビール飲んで食事でも作ろうかと思っていたら、お友達が登場!あれ?さっきいっちゃむん市場で宿を紹介してくれた人だ!
女将さんと二人で料理作り始めた!宿の主人は酒飲み始めた!なんとなく晩飯宴会が始まりました。(なんだこれ!想定外、シマぬちきゃさてぃ、いっちゃん所やないかい)。。。いやいや素泊まりだし、ということで私も一品作って参加、楽しい夜会となりました。聞くとアイターンで本島に来て、この加計呂麻に移住したそうで、ご主人曰く贅沢しなければ食うに困らないよ!なんだか逞しい家族と出会い、パワーを貰いました。
これぞまさにパワースポット!っちね。

自宅は近くらしく、お休みなさーいと帰っていきました。つまり夜は一人!ちょっとドキドキしたのは建物にも部屋にもカギが無い!まぁ、ハブの出る島にフラフラしている人はいないだろうと自分に言い聞かせ、疲れていたのか黒糖酒のせいか、この晩はグッスリ眠りました。

そうそう、携帯(softbank)は電波ゼロでした。宿にオーナーの携帯(au)デザリングでネットにはつながりましたので一人でも寂しくないかも!
明日は、二日連続のフェリー1便に挑戦です。

■3月7日(曇)
今朝はTwitterが鳴らない!天気は曇り海は静か。。。。大丈夫かも!
7時、岡さん出札です。前日一人一日待機していたフェリー待合室、すっかり顔も名前も覚えてくれました(苦笑) 東京に帰れる。良かった。

奇跡が!
この日も、私が乗れた次の便から終日欠航となりました。1便に乗れなかったら天長丸プランを検討しなければならなかった。
本島に戻る甲板からクジラを観る事ができ、奇跡です。
この日の出来事(詳しくは別noteする予定)本島に戻り東京でいつも聞いている奄美FMに見学に行ったらラジオに飛び入り出演、夜には住用町の民宿ルパン爺にナイトツアーへ連れて行って頂き、奄美の黒ウサギを4羽見つけるなどなど、なんとも中身の濃い刺激的な旅行となりました。

まとめ
・加計呂麻島行くなら、車は古仁屋に置け
・もし車を渡すなら、気象予報をしっかりチェック
・日帰りでフェリーに車乗せるなら必ず帰りも予約しよう(予約は1週間前からできます、乗れないと大変です。)
・食材は古仁屋で調達
・島の道路は台風の影響で閉鎖されているところも多いから気を付けましょう。
・ハブが多いらしい(見てないけど)
・携帯の電波が届かない地帯がある!

以上、加計呂麻島へ行くならでした。
主観もあり情報には責任は持てません。確認を取ることをお勧めします。

今回お世話になった宿
■マリンビレッジ(鹿児島県奄美市瀬戸内町実久)
 http://www.marine-village.com/
■ゲストハウスカムディ(鹿児島県大島郡瀬戸内町嘉入)
 http://www.kamudy.com/

加計呂麻島ではありませんがお世話になりました。
■ルパン爺とすずめの宿(鹿児島県奄美市住用町大字見里)
 https://www.lupinsuzume.com/contact

加計呂麻アクセス
■鹿児島県大島郡瀬戸内町
https://www.town.setouchi.lg.jp/senpaku/kotsu.html

#奄美 #古仁屋 #カムディ #マリンビレッヂ #ルパン爺とすずめの宿

【加計呂麻島映像リンク】
海界の村を歩く 東シナ海 加計呂麻島 (鹿児島県)

奄美・加計呂麻島1 PARADISE AMAMI 第六話 戦場の廃墟と幸運の女神

追記:フェリー加計呂麻運航状況(2019年3月 運航率8割)
   運航状況を瀬戸内町営定期船運航情報よりまとめました。
   訪島した時期が悪かったんですね~


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