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東京がキャンパス(2022春~夏)

砧公園で迷子になろう!

開校4日目。砧公園の地図を渡して、こう告げました。
みんなに2時間あげるから、砧公園を好きなように探検してきてね。
子どもたちはびっくり!
ワクワクと不安と高揚で、たくさん質問が出てきます。
事前に伝えた決まりは次の通り。

  1. 一人で行っても、友達と行っても、シェルパと一緒に回ってもいいよ。

  2. 11:45までに、地図に印のあるところ(現在地)に戻ってきてね。

  3. 貸し出し用のGPSがあるから、必要なら声かけてね。

  4. 迷ったら人に聞こう。(地図の裏に、学校名と緊急連絡先が記載)

  5. 大きい道路(公園の周り)の外には絶対出ないこと。

  6. サイクリングロードの中に入らないように気を付けること。

迷子になるくらいが一番成長するよ!迷子になっても絶対見つけ出すから大丈夫。
まずは自力でここまで帰ってきてね。
じゃあ、行ってらっしゃい!と送り出すと、誰一人GPSを借りることなく、全員が友達と連れ立って散っていきました。
一人のシェルパは自転車でぐるぐると安全管理。
もう一人のシェルパは、不安で遠くに行けない女の子二人にどこに行きたいかと尋ねると、
「一番遠くのバードサンクチュアリ!」
というまさかの返答。
じゃあ一緒に行こうか、ということで、3人冒険の始まり。
途中で友達を見つけたり、桜の木でブランコしたり、つり橋を揺らしたり、畑を整備している人からつくしをもらったり。
いろんな話をしながら、あっという間の2時間でした。

集合地点に戻ると、時間内にすべての子が戻ってきました。
「ヘビがいたんだよ!」
「公園の端っこまで行った!」
「迷子になりたかったのになれなかったー」
など、子どもたちからは感想の嵐!
キラキラした目は疲れも感じさせず、ワクワク全開の冒険だったんだなぁと感じました。
午前中に設定したのは、時間を忘れても腹時計がリマインドしてくれるから!
みんなそれぞれの発見を共有しながら、晴天の下でお弁当をほおばっていました。
開校から3か月。毎日お昼は砧公園で食べています。
食後は自由散策!文字通り、庭となっています。

100均でスクール環境を整えよう

スクールから徒歩6分のところに、100円均一ショップがあります。
買い物をすることを目的に、交通量の多い道を並んで歩くことがもう一つのねらい。
まずはみんなで、どんな順番で歩くかの作戦会議をしました。
事前に、砧公園を2列で歩いたときに、ローテーションして全員にそれぞれのポジションの難しさを体験してもらっています。
最後尾は全体を見なきゃいけないし、後ろを支えなきゃいけないし、体力にも自信ないとできないよ、と最初に説明。
「俺一番後ろでもいいよ!」
「私は先頭がいい!」
「ぼくはどこでもいいよー」
など、みんなで一番よいフォーメーションを考えました。
もちろん、列の中間も大事。シェルパから一番遠い位置であり、列が分断する場所でもあることは砧公園で経験済。
みんなで色々組み替えながら「これでいこう!」と決定。
早速並ぶ練習と安全な歩き方を簡単に説明して、近くの100均に歩いていきました。
一人一つ、商品を選んでレジで購入します。
選ぶ基準は「ヒロックのみんなのためになるもの」
ご飯を食べるシートや工作道具、掃除用具、遊び道具など、みんなよく考えて買ってきました!
帰ってからは、買ってきたもの報告会。
本当に役に立つかどうかは、この後の生活が決めてくれます。
何より、「自分たちで生活をよくしていける」という実感に繋げて行きたいですよね。
私が100均にこだわった理由は、「安い」以外にもあって。
100均の商品って、適度にアナログなんですよね。
どうやって動いているのか、構造が見えやすい。
だからこそ、分解して使ったり、組み合わせたり、仕組みを応用できたりするのです。
そして、壊れても(失敗しても)痛みが弱い!w
定期的に通うことで、クリエイティビティも育ってきそうです。

2回目は、前回の振り返りから。
1か月経った時点で、どれだけ使われているかがフィードバックになります。
「前回は失敗だった。もっとみんなの役に立つものにしたい」
「僕はもう何を買うか決めてあるから」
それぞれが2回目のよさを生かそうとしていました。
やり直しの機会がちゃんとあること。大事です。
次に行くときはマイプロの材料集めかな?

学級文庫は、自分たちで選書するもの

電車に乗って、隣町の大きな図書館に行きました。
目的は「学級文庫を揃える」こと。
元々、こちらで本を選んでそろえようという考えもありました。
しかし、大人が選んだ本って、魅力ないんですよね…少なくとも子ども時代のミノテは絶対読まなかった。
本を読む動機は、誰かから読むことを期待されるんじゃなくて。
自分の知っている誰かが好きだったり、大量の本の中から「選んだ」体験だったりが必要だと思うのです。
だから、みんなで選びに行く。
1人3冊、どの子もじっくり選んで自分で持って帰ってきました。
初めて親以外と電車に乗る子も。公共や現実社会との遭遇でした。

本の置き場は自分のロッカー。(ちなみに今は名前付きの本棚を新設しました。)
学級文庫だから、その子に断ることなく読んでいいけど、最後はその子のロッカーに戻す約束。
そうすることで、ただの絵本じゃなくて「〇〇ちゃんがお気に入りの絵本」になるわけです。

開校から3か月、図書館には3回訪れました。
前回借りた本を返して、新たな本を借りてくる。
蔵書が循環するのも、読書活動には大切な要素ですね。
3回目は、片道2.1㎞を歩くチャレンジ!
1㎞地点で合図。歩いてみることで、体感的に量感が身に付きます。
帰りはバス組と歩く組に分かれました。
たくさん歩けると、それだけ行ける場所も増えます。
体力は幸せになる力を高める!体験は学びですね。

スーパーで買い出し!

初めて訪れたのは、ヒロックお泊りの時。
みんなで夕飯を買いに出かけました。
友達と行動しながら、目当てのものを探します。
店員さんに質問する子も!
後日のテーマ学習で、流通の話をしているときに、この店の定員の数を覚えている子がいて驚かされました。
自分の欲しいものを探す。自分で食べきれる量を自分で選ぶ。
そして時間内に戻ってくる。大切な学びです。

次の機会はテーマ学習、水耕栽培の種を選びにいきました。
棚にある種の袋の裏側を見ながら、どの子も真剣に悩んでいました。
スーパーには、いろいろなものが売っているね。

マイプロジェクトの準備でも、買い出しに行きました。
その時は「欲しいものがあるかもしれない組」限定。
3か月目にもなると、二手に分かれて行動できるようになってきました。
卵やコショウ、実験道具など、必要なものを探しにいきました。

ネットショッピングも便利だけど、リアルな店ならではのよさも知り、選択できるようになっていってほしいものですね。

食と農の博物館

東京農業大学の博物館に、「食」のテーマと絡めて訪問。
子ども自らが代表して、みんなの前で予約の電話をしました。
スピーカーホンで、ドキドキの中、見事予約達成!
終わった後に羨望の声と拍手が自然と沸き上がりました。
当日は「3枚まで写真を撮っていいよ」という設定で、タブレットなどを持参していきました。
子どもは自分のお気に入りを写真に撮りたくなるもの。
一方で、リアルな立体を両の目でも味わってほしい。
そんなシェルパの思いからの設定です。
早々と3枚撮ってしまった子は、館内を回りながら
「あー、これ撮りたかったー」
とぼやいていました。これも大事な経験、学びです。
残り10分で、泣きの1枚をどうぞと解禁!
子どもたちは喜び勇んで、厳選した1枚を撮っていました。
撮った写真は共有アプリ「スクールタクト」で即共有。
友達が選んだ3枚+1枚との共通点や相違点に
「あった、あった!」
「あー、これかー!」
などと盛り上がりました。

しながわ水族館

こちらはある子の「どうしても」行きたいところから選択。
子どもたちの「どうしても」を、できる限り実現したいと思っています。
事前に、生き物の名前と英語名を学習。
キーボード配列のプリントをもって、すべてのアルファベットを探そう!という設計にしてみました。
当日の朝は電車組とバス組に分かれ、現地集合!
事前に確認したスケジュールを元に、イルカショーなども時間を見ながら自分で間に合うように行動してもらいました。
結果…イルカショー全員集合!
みんなで水をかけられ、キャッキャと楽しみました。
アルファベット探しも、XやQに苦戦しながらもすべて見つけた子も!
それぞれに楽しんでいました。
帰りに集合時間に間に合わなかった子も、よい学びですね。
後悔するより分析。
次に同じ失敗をしなければ、大切な宝物です。

大月キャンプ2022

そして夏休み入ってすぐの大月キャンプ!(東京じゃありませんがw)
子どもたちでやりたいことを挙げ、ご飯を決め、持ち物を考えました。
キャンプ場の管理人さんと連絡を取りながら、ヒロックだけの2日間が完成!
釘打ちの練習や火の扱い、料理の仕方、釣りの練習などもしました。
「大月キャンプのため!」
を合言葉に、ヒロックお泊りもしました。
整理整頓の難しさや夜の不安、朝の過ごし方や周りへの配慮とともに、みんなで泊まる楽しさも味わえました。
当日は天気にも恵まれ、最高の2日間になりました!

・木工製作体験
・野菜の収穫→カレー作り
・川遊び(大人に水をかけてよい体験)
・屋根から夕日が沈むのを眺める
・夜の星空観察→焚き火
・生地からホットサンドピザ作り
・釣り→BBQ
テーマの「食」に絡んだ、挑戦いっぱい、学びいっぱいの旅になりました。


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