8/29 ブックオフインフォメーション・ザ・ミュージック

店内放送

風呂に入っているとき、急にBOOK・OFFのことを思い出した。BOOK・OFFで漫画を全巻立ち読み読破しなくなったら、大人だろう。子供はBOOK・OFFで気になった漫画を全巻読破する。途中の巻がなければ自転車に乗って別のBOOK・OFFまで走っていく。だんだん色んなBOOK・OFFの傾向がわかってくるし、どこなら何の漫画が全巻揃っているかわかってくるので無駄に自転車を走らせる必要がなくなってくる。「BOOK・OFFにも検索機があれば良いのに……」と思わなくなってくるし、そのうち全巻揃っているのを見ても流石に恥ずかしいか、とか買えば良いか、と考えだす。土日は一日中BOOK・OFFにいて首を痛めながら帰宅することがなくなり、漫画が一気に読みたくなったら漫画喫茶に行くようになる。BOOK・OFFを中心に成長していく人が、案外いる。

BOOK・OFFで全巻立ち読み読破をする人間の頭の中には誰しも「BOOK・OFFで流れている音楽」が1つは生まれる。「ブックオフインフォメーション・ザ・ミュージック!今月は○○特集!」とか言って流れているやつだ。ぼくにとってのそれは、ももクロの「走れ!」という曲だ。

ももクロ

2014年、これはぼくが最もBOOK・OFFに通っていた時期だ。当時中学生、BOOK・OFFから徒歩2分のところにあった塾に通っていたぼくは「ブックオフインフォメーション!ザ・ミュージック!今月はランニングしながら聴きたい曲特集!まずはももいろクローバーZで「走れ!」」という店内放送を聴きながら漫画版『バトル・ロワイアル』、『GANTZ』、『鋼の錬金術師』なんかを読んでいた気がする。この頃延々と下を向いていたからだろう、ぼくの首はデフォルトの状態が少し首が前に出ているようになってしまい、だいぶ姿勢が悪くなってしまった。

ちなみに実写版『バトル・ロワイアル』は「走れ。」という文字が出て終わりだ。かなりシュールなので、一度観て欲しい。

走れ

拳法

こっちは漫画版『バトル・ロワイアル』における作中屈指のベストバウト。作中最強の中学生・桐山和夫(右)が拳法使いの中学生・杉村弘樹が戦いのなかで“真理”に至り覚醒するも杉山にあっけなく模倣されてしまうシーン。

走れ!

中学を卒業してからはBOOK・OFFに行くこともなくなった。そもそも、ぼくがBOOK・OFF通いをしていたのは「塾の近くにあったから」というだけではなく……いや、そういうことなんだけど、「塾に行くついでに」とかではなく「塾から逃げて」BOOK・OFFにいたことが結構あったからだ。ぼくの行っていた塾は先生1に対し生徒2で教えるスタイルで、机の配置が……だいたい給食の時の小学校の教室みたいになっている。大体5つくらいの机をくっつけていると思うけど、あれが3つずつになった感じだ。わかるかな?

なので、自分が背を向けた側に他の生徒や先生がいることがある。その視線がかなり嫌だった。中高6年くらいは2時間くらい準備しないと外出できなかったのだが、それでも外で不安になるとわりと逃げられるときは逃げていたのでBOOK・OFFに行くことが多かった。BOOK・OFFにずっといる人々は大体自分と同じく漫画しか見てないし、通路が狭いので「後ろに人がいる」という状態がほぼありえない。背中合わせになったらそれだけでその通路とおれなくなるし。というわけで、ぼく同じような中学生が(中学生じゃなくてもいいけど)いて、逃げたくなったらBOOK・OFFに……

走れ





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