11/24 文学フリマ東京
コミケみたいなもんです。絵じゃなくて文章のコミケ。
そんな文学フリマに参加したのは二回目、なんと入場無料なので気軽に立ち寄れます。相当に長い入場待機列に並んでいると、中から声が聞こえました。
「それでは、第三十三回文学フリマ!始めたいと思います!」
そして拍手。中では出店者たちがブースを設営し、同人誌を並べて座り、運営の方が開場挨拶をしていたんですね。もちろん社会情勢的にウォー!とか声を出したりは誰もしませんが、出店者たちの熱意はそんな感じで入場待機列の方にも伝わってきます。僕もその列で「熱いなぁ!」とか思っていました。出店者なのに。
僕は「人生初の同人誌即売会に出店者側として参加する」日に、遅刻しました。なので場内が「ウォー!」となっているとき、僕が出しているブースだけ、誰もいません。当たり前ですよね?入場待機列にいるので。3回はデータや形式やサイズの不備で受け取れないと言われ、締め切りギリギリに入稿しなんとか形にした同人誌を30冊、キャリーケースに入れてガラガラ引きずりながら東京流通センターにやってきた僕は既に帰りたい気持ちでした。遅刻したから……!
しかし帰るわけにも行きません。今回僕が出した同人誌は別に僕1人が寄稿しているわけではなく、用意された12原稿のうち5原稿は他の参加者が寄稿してくださったものだからです。あとの7原稿は僕が名前を変えて書いているので、やはり僕1人が寄稿しているわけではなく、僕7人と5人の方が寄稿している同人誌です。12人分の思いが詰まった同人誌なので、いくら遅刻して気分が沈んでいても、入場者待機列に並び、入り口で「あの、出店だけど、遅れちゃったんですが……」と言って無事出店者シールをもらい、30分ほど遅れて僕のブースは始まりました。
冒頭の文学フリマ東京の画像を見ればわかる通り、基本的にここでは文章のものなら色んなものを出せます。グッズとかも出せるし。というわけで先ほど12原稿も巻頭は架空インタビューから始まりエッセイ、評論、小説、台本などバラエティに富んだものになりました。表紙や口絵等のイラストもあります。しかしこれ、138ページもあるのでそれなりに印刷代が掛かったんですよね。大体30000行かないくらいでしょうか……?しかし、同人誌なので売り上げ目的じゃないですし、ということで初めにこれ、300円で売り始めました。あとあと考えるとこれかなり安かったんですよね。ブースに海猫沢めろん先生が来て「安くないすか!?」と言いながら買っていってくれました。安いです。あとで向こうのブースに行ったら2冊で1500円でした。5倍だ!
しかし、安いのが功を奏したのか案外売れるんですよね。わりと早めに10冊、つまり三分の一がはけたので嬉しいと同時にちょっとやばいぞと思い始めました。この時点でまだ13時台、あと数時間は余裕で残っているんですよね。なので、500円に値上げしました。
正直僕は500円でも高いかな?と思っていたんですが、これでも割と売れるんですよね。この辺りで今回寄稿してくださった方がやってきて、僕と受付を交代してくれました。本を作る時はただTwitterでやりとりしていただけなので、会うのは初めてでした。そして、一冊売れるたびに僕が「1、2、3……」と書いていた売り上げ記録表を見て「これ、正の字にしていいですか?」と言いました。たしかにそっちの方が良い……!!!
しばらく場内をフラフラしてから帰るとまた売れていたので、ここで思い切って1000円にしました。僕が元々用意していた値札は以下のレパートリーしかなかったのですが、まさか500円でもこんなに売れるとは思わなかったので「100円」に0をもう1個くっつけることになりました。
ちなみにこんな手作り感溢れる値札は他のブースにはなく、唯一無二です。
よく、こういうイベントで「売れないから値下げするか……」みたいなのありますけど、あれはなんか、先に高い値段で買っちゃった人が損した気分になるからあまりやりたくないですよね。それよりは数が少なくなるにつれて値上がりしていく方が普通の流れだし、先に買った人はお得な気分になるから良いです。
そうして、これで売れるのか!?と思いつつも1000円に値上げして以降も5冊、6冊ほど売れて無事完売、そのあと何名か購入希望者がいらっしゃったのとそもそも参加者分と僕の分すら売ってしまったので増刷を決定、ブースを締めて初の文学フリマ東京は終わりました。しかし、初対面の相手の喋って疲れるし無人販売所方式にしたいですね。ここ1ヶ月か2ヶ月ずっと原稿書いたり編集したりして疲れました。忙しかった。印刷所の人が何を言っているのか最初本当に意味がわからず、何も言わずに黙りこんでしまうことが多くて(別に無視しているのではなく、何を言えば良いかわからない上に「わからない」というのも相手の気に障る気がして言葉が出なくなっている)担当された方を困らせて申し訳なかったです。疲れた。向こうも疲れたと思うけど。
増刷はまぁ、上手くいくでしょう……ただ今回、反省したところも多かったです。そもそも途中で金を借りてなんとか印刷したりしてますし。校正・校閲をお願いするのもなんか申し訳なくて大体一人でやってしまったし、あと自分は金の管理が壊滅的に終わってることがわかりました。
元々僕は「まぁ、別に自分で主催したから金は自分で出せば良いし、お釣りとかも足りなければタダで本渡せば良いか〜」とか思っていたので金について何も考えておらず、先述した寄稿者の方があまりのアレさに見かねたのか、寄稿した人間で印刷代や出店料を割ったり、それらの金額と売り上げ金の差額を出したり、色々計算してくれてなんかいい感じになりました。やったね。
イベント後「増刷分の印刷代も寄稿者にお金を出してもらうんですよ!」と連絡していただき、恐縮でした。次回はなんか、そういうことはちゃんとしっかりした人に相談した方が良いんでしょうね。僕のような人間だけで主催をしてはいけないんです。しかしまぁ、疲れたけど楽しかったです。
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