[180]チャイナフェスティバルIN九州その7 九州中資企業協会、日本江蘇工商総会と中国秘密警察
暫く体調がすぐれなくて発信が空いてしまい済みません。
先回の記事[179]の続きになります。
お浚い
間が空いてしまったので、今回の内容に関するお浚いを少ししておきます。
九州中資企業協会、日本江蘇工商総会、江蘇省中小企業日本代表処は何れも同一住所である
福岡市博多区博多駅前3-10-30河野ビル4階
に存在します。
今回の記事は、この団体に関することになります。
九州中資企業協会(追加調査)
元産経新聞の記者でフリーのジャーナリストである三枝玄太郎さんの動画で九州中資企業協会について語られています。(今回の記事を書き終わってから見つけたので、重なるところが多々あるのはご了承ください。)
15分ほどの動画なので、こちらも是非ご覧頂きたい内容です。マカオカジノのアルビン・チャウの話や土地買収の話なども多岐に及んでいます。
動画の説明文を転記しておきます。
この内容から分かることは幾つもあるのですが、気になったこととして自衛隊駐屯地の候補地の発表前に正信ホールディングスが土地を抑えていた点です。偶然で無ければ、防衛省や自衛隊の駐屯地選定の関係者から情報が漏れていた可能性があるわけです。
また、少し古い2018年の記事になりますが、このような物もありました。
この様に一帯一路に対する工作を行っています。一帯一路は以前からお伝えしている通り、他国侵略や諜報工作の側面もあるので非常に危険です。
さて、九州中資企業協会の別のページに先回載せた役員の情報よりも少し新しい物がありました。これを含めてもう少し調べてみることにします。
お浚い含めて、九州中資企業協会はどういう性質の組織なのかです。(三枝さんの動画の内容とも少し被りますが)
同一住所の江蘇省中小企業日本代表処が公館として福岡県の資料(https://www.pref.fukuoka.lg.jp/uploaded/life/607364_61023556_misc.pdf)に載っていることもあり、”業務指導”と名誉顧問として中国駐福岡総領事の名前があります。
つまり、完全に中国共産党の管理下にあるということになるわけです。
組織構成として、名誉顧問、会長、副会長の筆頭として書かれている人物達は、個人では無く中国駐福岡総領事館、中国東方航空福岡支店、中国国際航空福岡支店のトップが就いている役職(転勤によって人物が交代する)なので、実質的には副会長達によって運営されていると見ています。
副会長の徐建軍は別のページ(http://kcea.jp/)ではF2株式会社(国葯生物) 社長の肩書でしたが、こちらのページでは心途株式会社となっています。
徐建軍はF2の会社謄本では社長を2020年12月31日付で辞任しているので、それ以降に更新されたページということになります。
このF2のある住所は、江蘇省南通市の公安の出していた資料に記載がある、所謂”中国秘密警察”ということになります。
関連記事[81][86]
九州中資企業協会、日本江蘇工商総会、江蘇省中小企業日本代表処のある河野ビルの立地を見てみます。
河野ビルは、博多駅から西に400mほどに位置します。
100mも離れていない近所には、
・副会長の蘇慶が代表取締役であるFKエナジー(旧:パワーマックス)
・副会長の徐建軍が代表取締役である心途
・副会長兼事務局長の魏叢智が代表取締役である朝日国際
があるのです。
なお、FKエナジーは、現在は別の場所に移転しています。
FKエナジー(旧:パワーマックス)
(先ほどの三枝さんの動画にもパワーマックスの名前が挙がっていました。)
このFKエナジーは太陽光関連をしていますが、頻繁に場所や名前を変えているので、何か後ろめたいことでもあるのでしょうね。
このFKエナジー(旧:パワーマックス)が入っていた藤井ビルについては、いつもながらTCC2さんのTOKYOカオスエリアコレクションで既に調べられていました。
このTCC2さんの記事などから、FKエナジーの社長である蘇慶は、江蘇省の太陽光発電パネルメーカー「金壇正信光伏電子有限公司」の日本における代理人であると考えられます。
こちらの記事にあるように、金壇正信光伏電子が50%以上の出資を行っているのが正信ソーラージャパン、つまり子会社ということになります。
この蘇慶および正信ソーラーについては、九州華僑華人連合会と同一ビルにあるデータマックスのNetIBNEWSが扱っていました。
正信ソーラーで太陽光パネルを輸入と施工を行っていますが、FKエナジー(パワーマックス)でも太陽光発電所の施工を行っていていて、何れも蘇慶が関係しているということです。この両者は福岡だけでなく各地に太陽光発電を設置しています。
超限戦の一つとして、太陽光発電や風力発電などの再エネ関連を使い利権によって政治家などを引き込んでいく。その代表例が上海電力ですが、これもその一つでしょう。諜報工作拠点の一つに成り得るわけです。上海電力は自衛隊や米軍の基地周辺の土地も取得しています。
FKエナジー(旧:パワーマックス)と日本華僑不動産協会、ボルテックス
FKエナジー(旧:パワーマックス)の旧住所について、日本華僑不動産協会と面白い関連性がありました。こちらのTCC2さんの記事です。パワーマックスは以前に永田町の近くのビルにあり、福岡に移転しています。
このビルには現在は、日本華僑不動産協会が入っています。この日本華僑不動産協会は何度も取り上げている通り、国会議員に対する工作も行っています。そして、日本華僑不動産協会の野村昌弘理事長夫婦は普天間基地近くに関係組織を置いています。
2016年時点では、2Fには蘇慶が関係する正信ソーラーやパワーマックスが入ってました。つまり、2Fは金壇正信光伏電子の関係会社が入っていたわけです。
これらは偶然でしょうか?
そして、このビルで注目すべきことは2点。
1点目は、9Fに米国イリノイ州政府駐日事務所があること。霞が関や永田町と近い立地であるが故にこの場所に設置されているのでしょうが、中国共産党にとってもその利点は一緒だということです。更にビル内に米国の州の事務所があるということは、工作を仕掛ける上で魅力的なのです。
2点目は、ボルテックスのブランドであるVORTにビルの名称が変更されている点です。VORT赤坂見附Ⅱビルは、以前はアセンド赤坂ビルでした。
ボルテックスは、上海電力日本と関係する不動産投資型クラウドファンディングによる日本の不動産取得のネットワークの一部です。(下図の赤枠部分)
何時頃にボルテックスがこのビルを購入したのかは不明ですが、アセンド赤坂時代の賃貸情報(2018/5/11)がありました。
よって、2018年5月~2022年7月までの間に取得したと推定できます。
つまり、中国共産党に与するボルテックスはアセンド赤坂を購入しビルの工作拠点化を助けているのでしょう。このビルの狙いの一つはイリノイ州政府駐日事務所であり、また国会議員や官僚に対する工作ということだと考えられます。
日本江蘇工商総会
謄本を取ってみると面白いことが分かりました。
代表理事は、先ほども登場した徐建軍です。そして、理事に魏叢智、張建軍、監事に張建超の名前があります。監事の張建超は名前からすると理事の張建軍の親族である可能性が高そうです。
理事の3人は同一住所にある九州中資企業協会の役員にも名前がありました。
・徐建軍:九州中資企業協会副会長で心途の代表取締役(およびF2の元社長)
・魏叢智:九州中資企業協会副会長兼事務局長で朝日国際の代表取締役
・張建軍:九州中資企業協会理事でZ・S・エンジニアリングの代表取締役
Z・S・エンジニアリングもまた太陽光関連の事業を行っています。
なお、徐建軍はこちらの記事によれば、2017年に成立した日本南通同郷会の会長です。
徐建军は簡体字なので、日本の漢字に直すと徐建軍です。
さて、これらの事実を頭に入れた上で、次の文春の記事を読んでみます。
福岡の中国秘密警察に関する文春オンライン記事に対する考察
今回の事を調べている最中に、文春オンラインで福岡の秘密警察に関する記事があることを知りました。これについて、考察をしていきます。
南通市の海外派出所の詳細な住所に関する発信は、私のnoteとその内容を広めてくれた坂東忠信さんのツイッター(当時)ですので、これは私の記事に関することになります。情報ソースは上にも南通市公安局が発行する生活安全指導手帖ですから、”誤り”であるとすればソース元の情報が古いまま更新されていない可能性があります。これについては後ほど考察します。
分かることとしては
・南通市の海外派出所(秘密警察)が西日本の政令指定都市近郊(=福岡市)に開設されている
・F2がその所在地では無い(F2は糸島市なので、西日本の政令指定都市である福岡市の近郊にはならない)
ということです。
この文章から2つの事が分かりました。
・許剣(仮名)が南通市の日本にある秘密警察の代表である。
・許剣(仮名)は福岡市内と中国の二拠点に住居がある。
こちらに有るように
・許剣(仮名)は2017年6月16日に海外派出所(秘密警察)の所長に任命された。
・許剣(仮名)は南通市同郷会の会長だった。
この2つの文章から分かることは、
・許剣(仮名)は江蘇省の日中友好団体の複数に出入りしている。
・許剣(仮名)は一般社団法人化している日中交流団体の副理事でもある。
許剣(仮名)=徐建軍とすれば色々と辻褄があってきます。
上のセクションで示した通り我蘇網(我が江蘇省ネットワークという意)という媒体で、2017年に日本南通市同郷会が設立され会長として徐建軍の名前が書かれていますので、この時点でほぼ確定となります。
もう少し検証してみましょう。
・許剣(仮名)は江蘇省の日中友好団体の複数に出入りしている。
・許剣(仮名)は一般社団法人化している日中交流団体の副理事でもある。
この二つの情報については、同じ住所に九州中資企業協会、日本江蘇工商総会、江蘇省中小企業日本代表処の3つの団体が存在し、その内の少なくとも2つに徐建軍が所属していることと一致します。
そして、九州中資企業協会の副会長でした。副会長を副理事と書き間違えた(或いは副理事長?)のだとすれば、これも許剣(仮名)=徐建軍であることと一致します。ただし、一般社団法人は日本江蘇工商総会で、九州中資企業協会については一般社団法人かは不明(登記情報サービスがメンテ中のため)です。登記情報サービスで確認しましたが該当組織は登録されていませんでした。これらは書き間違えたのでは無く、敢えてぼかしたのかもしれません。
更に、
・許剣(仮名)は福岡市内と中国の二拠点に住居がある。
については、F2の会社謄本の徐建軍の住所に、江蘇省南通市と福岡市西区の2つが記載されていることとも一致します。
また、中国の国有企業に入るために中国に戻ったために、F2の社長を交代したとすればこの情報とも一致してきます。
これだけ情報が揃っているので、許剣(仮名)=徐建軍で確定です。
となると、
徐建軍は、
・人民解放軍の民兵として経歴がある(現在も在籍している可能性もある)
・南通市海外派出所(秘密警察)の所長である
ということになります。
また、福岡市”近郊”に秘密警察が設置されているということになります。
では、何故F2の住所が南通市公安局の生活安全指導手帖に載っていたのか。これは時期の問題だと考えられます。この秘密警察が設立された当初は、徐建軍はF2の社長であったので、F2の住所が記載されていたのでしょう。その後、2019年に日本江蘇工商総会を博多の河野ビルに設置した際か、心途株式会社を設立しF2の社長を辞任した2020年末に移転したのかもしれません。
或いは、連絡先として所長である徐建軍が当時代表を務めていたF2の住所を記載していただけで、最初から博多に秘密警察が設置していたことも考えられます。
私は、基本的にOSINT(Open Souce INTelligence:公開情報の収集・分析)を行っている素人なので、HUMINT(HUMan INTelligence:人との観察や接触による情報収集・分析)を使う本職ジャーナリストの様な情報収集はできません。ですので、この様な情報は貴重です。
OSITのメリットは、面倒ではありますがやる気になれば誰でもできます。私は、馬渕睦夫元ウクライナ大使が良く言われている、「独自の情報に頼らなくても、公開情報を読み解けば分かることが沢山ある。」を「中国共産党の日本における活動」に対して実践しているだけです。皆さんも試されてみては如何でしょうか。
結論(福岡の中国秘密警察の設置場所)
九州中資企業協会、日本江蘇工商総会、江蘇省中小企業日本代表処
福岡市博多区博多駅前 3-10-30-4F
心途株式会社
福岡県福岡市博多区博多駅前3-9-5-1011
のどちらか(或いは両方)に秘密警察があると考えられます。
2つの住所間は歩いて1~2分という距離にあるのです。
そして、その秘密警察の所長が人民解放軍の民兵だった徐建軍でした。
今回も長くなりました。チャイナフェスティバルIn九州について、次回は纏めをする予定です。
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(つづく)
↓関連記事のまとめです。
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